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夜勤族の妄想物語4 -7.異世界ほのぼの日記3~今カノと死に別れたので元カノと同棲生活を始めます~-  作者: 佐行 院


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395

朝に食う卵って美味いよな?


-395 無知の知-


 格安で仕入れた材料をそう見えない様にする為に父親が施している工夫に空いた口が塞がらない娘は改めてお客さんが食事を楽しんでいるテーブルを見廻していた、黒板にも記載されている通りなのだが「B定食」はウインナーだけではなくハムやベーコンもあるのだがそっちは大丈夫なのだろうか。


メラルーク「確かに「訳あり品」と言われると気になるお客さんがいるかも知れないけど、皿をよく見てみな。」


 店主に言われた通りに皿を見てみるとハムはハムエッグとして提供していて卵により大部分が隠れてしまっているので全くもって気にならない、しかしベーコンに至ってはそういう訳にもいかない気がするが・・・?


挿絵(By みてみん)


ピューア「やっぱりベーコンもベーコンエッグとして提供している訳?」

メラルーク「そうだな、それもあるけど改めて皿を見てみてくれるか?」


 父親の指示通りに再び皿を見てみるとハムと同様にベーコンが目玉焼きに隠れている状態で提供されている事に気付いたが実はそれだけでは無かった、ホテルの様にカリカリに焼けたベーコンが好きなお客さんもいるので別々に提供されている場合もあるらしい。ただ店主の施している工夫はそれだけではない様だ。


ピューア「今気付いたんだけどあそこのお客さんが食べてるのってオムレツじゃないの?」


 上級人魚ニクシーは少し離れたテーブルのお客さんがナイフとフォークを使ってシンプルな見た目のオムレツを楽しんでいる場面を見かけて違和感を覚えていた、その理由は至ってシンプルな物だ。


ピューア「お父さん、うちってオムレツなんて提供してたっけ?」


 改めて黒板を見たが何処にも「オムレツ」とは書かれていなかった、その上微かな記憶だったがグランドメニューにも無かった気がする。これは一体どういう事なのだろうか?


メラルーク「あれも一応「B定食」なんだよ、あの中にハムやベーコンが入っているんだ。近所に住むジャイアントの爺ちゃんに「B定食の目玉焼きをオムレツに変更できないか」って聞かれた事があってね、「同じ量の材料で出来そうだからやってみるか」と思って試しに出してみたら周りのお客さんが「俺も俺も」って一斉に頼みだしちゃったんだよ。それからその時いたお客さん達の影響で一気に広がっちゃったらしくて、ハムとベーコンを頼んだお客さんからの要望があり次第だけど今みたいに時間に余裕があったら作る様にしているんだ。まぁ流石に目玉焼きに比べれば手間がかかるから全員に提供する訳には行かないんだけど、「食べたい」って人がいてくれているみたいだからその気持ちに応えなきゃって思ってね。」


 どうやらオムレツは店主の優しさからいつの間にか出来た「裏メニュー」だった様だ、しかし個人的にだけど妙に引っ掛かる様な感じがするんだよな。


ピューア「何よ、卵だけのシンプルなプレーンオムレツが好きな人だっているでしょ?私だってそうだもん。」


 いや・・・、俺だってプレーンオムレツは好きだよ?でも卵1個で作るのは厳しすぎやしないか?特にハムやベーコンが入っている物だったら少なくて包めないんじゃないか?


ピューア「そう言えばそうだね、何処か秘密があるのかな。」


 ピューアは改めてお客さんが食べている目玉焼きを見てみた(因みにチラ見なのでお客さんには怪しまれていない)、すると一般的な目玉焼きとは一線を画す特徴がある事に気が付いた。


ピューア「あれ?あの卵・・・、今思ったけど大分大きくない?」


 そう、目玉焼きに使われいる卵が市販されている物に比べて倍以上の大きさだったのだ。新鮮さが故の綺麗なオレンジ色をした黄身が本当に美味しそうに見える、この卵だけでも1日を過ごす活力の源になりそうだ。


メラルーク「気が付いたか、あの卵は知り合いの養鶏場から特別に卸して貰っている卵なんだよ。そのまま卵かけご飯にしても十分美味しいぞ。」


 どうやらこの卵もメラルークが自らの舌で選び抜いた卵の様だ、勿論豚カツの衣にも使用しているとの事。


メラルーク「栄養価の高い餌とストレスの無い環境で育てた結果だって、素晴らしいだろ?」


食いてぇ・・・

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