393
ずっと働いている訳では無い
-393 適任者-
さり気なく労働者としての権利を主張して来た貝塚財閥代表取締役社長、別に悪い訳では無いが正直「意外」と言うかなんというか・・・。
結愛「何だよ、俺にだってプライベート位あるんだよ!!いくら創造主(作者)だからってどうこう言う権利があってたまるかってんだ!!」
いや・・・、どうこう言うつもりは無いよ?でも結愛と言えば仕事で忙しくしている現役バリバリのキャリアウーマンってイメージが強いからさ・・・。でもまぁ強いて言うなら吞兵・・・、いややめておくか。
結愛「おい、何を言おうとしていたんだコラ!!」
まぁ気にすんなって、いちいち突っかかってたら話が進まねぇじゃねぇかよ。
結愛「あのな、お前が悪いって事をちゃんと自覚してんのか?こうやって話が進まなくなる原因を作っているのがお前だっていう確率が結構高い気がするんだが?」
仕方ねぇだろ、イジり甲斐のあるキャラクターが多いんだからよ。取り敢えず聞くけど、結愛はいつもここの様子を『探知(覗き見)』してんのか?他に見る所ねぇのかよ、それと暇なのか?
結愛「う~ん・・・、あのな・・・、一遍に何個も何個も聞くんじゃねぇよ。いくら俺でも頭がこんがらがるだろうが、一先ず順を追って答えるとすればだが実は主人には内緒でうちの社員をここに派遣していたんだよ。やはりモニターをお願いしているのはこっちだからちゃんと責任を取らなきゃと思うだろうが、それと改めて言うが俺も暇な人間じゃ無いんだ。分かったか?」
はいはい・・・、言いたい事は分かったがあんたが派遣したって言う「社員」って何処にいるってんだよ。
結愛「えっと・・・、確かあの辺にいると思うんだがな・・・、あれ?」
店の裏口や出入口の近辺をキョロキョロと見回す結愛、何となく「あれ?身に覚えのある件だな」と思いながらその光景を眺めているとネクロマンサーの目線の先でニクシーが食材にするには大き過ぎやしないかと聞かれかねないキノコを1本抱えていた。まさかな・・・。
ピューア「お父さん・・・、裏口辺りで見つけたんだけどこの赤いキノコって食べても良いやつ?」
一般的な目線で言うとマーマンに「茸に詳しい」というイメージは湧かないが、やはり飲食店を経営する物としてそれなりの知識があった様で・・・。
メラルーク「何言ってんだ、そんな「如何にも」と言える様なキノコが食える訳・・・。」
結愛「ねぇだろ!!やめろ、コラ!!」
結愛、焦る気持ちは分かるが横から口を挟んじゃ駄目だろう?少しは落ち着けって。
結愛「落ち着けるかよ!!「そいつ」がうちの社員だ、監視カメラを設置しても良かったがお客さんや店の人が意識してしまうと思って代わりにコイツを派遣したんだよ!!」
ピューア「「そいつ」って・・・、何処にあんたん所の社員がいるってのよ・・・。」
結愛「お前が抱えているのがうちの社員だ、決して食い物じゃねぇ!!」
結愛の声に反応したのか、ピューアが抱えているキノコがピクピクと動き出した。やっぱり「あの人」なんですか、だとしたら久々の登場ですね。
結愛「仕方ねぇな・・・、悪いが『人化』してくれるか?そうでないと誰かが間違ってお前を食いかねねぇからよ・・・!!」
ピューアの抱えていたキノコは手元から離れて『人化』した、やはり正体は貝塚警備の従業員であるマイコニドのレイトだった様だ。
レイト「社長、私は食べたって美味しく無いですぅ~!!」
あらま・・・、口調も相変わらずだこと・・・。
結愛「悪かったよ、でもバター焼きにすれば何とか・・・。」
レイト「何で食べようとするんですか、私ちゃんと仕事してただけなのに酷いですぅ~!!」
結愛「ごめんって、今月の給料に少し色を付けてやるから許してくれ・・・!!」
苦労するね・・・




