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あれ?今って朝だよね・・・?
-384 図々しいにも程がある-
時計は午前7:35を示していた、メラとガルナスが好美のマンション下の乗り場から乗る貝塚学園魔学校行きの学園バスは出発が7:50なのでここでゆっくりと食事をしている暇がある訳がないと思ってはいたんだが・・・。
ピューア「2人共、どう見てもまだ制服を着ていないじゃない。そんなにのんびりとしていて良い訳?!」
何処からどう見ても女子高生2人はまだ寝る時の格好のままだった、このままでは例え間に合ったとしても恥をさらしてしまうのが見え見えだ。
メラ「大丈夫だって!!よく言うでしょ、「朝ごはんは1日のスタートだからちゃんと食べなさい」って。」
ピューア「そりゃあ私だって中学・高校生の頃はよく言われてたけど授業の準備を整えてから食べる様にしていたの、もしかしてこれってあんたの影響な訳?」
もしかしなくてもそうである、ニクシーがふと好美の方を見てみると夜勤明けでよっぽどお腹が空いていたのか4回目のお代わりをよそおうとしていた様だ。
好美「私、何も悪くないもん(はひほはふふはいほん)。」
ピューア「はいはい、何となく言いたい事は分かるけど食べるか喋るかどっちかにすれば?」
呆れ顔をしていたピューアの言う通りにした好美、ただどうやら別の方向に持って行ったらしく・・・。
ピューア「あ・・・、食べる方にしたのね。素直で良いんだけど仕方のない子なんだから。」
改めて言う事でも無いが、夜勤の休憩中に好美はいつも通りデルアの作った弁当をたらふく食べていた。因みにだが今日は調理師を目指すヌラルがバイト中に練習をしていて作り過ぎたという餃子や焼売、そして春巻きが入っていた様なのだが・・・。
デルア(念話)「好美ちゃん・・・、弁当結構な量だったはずだけどまだ食べてんの?」
店の事で相談を持ち掛けようとオーナーの事を『探知』していた「ビル下店」の新店長が呆れ顔で『念話』を飛ばして来た、因みに混沌龍が「作り過ぎた」というレベルを超えた点心の量は半端では無かった様で・・・。
デルア(念話)「食べた本人だから分かると思うけど、あれ何人前だと思ってんの。暫くの間何も食べていなくても大丈夫と思っていたのにな・・・。」
どうやって詰めたのかを知りたいのだが、(一応)おかずとして入っていた3種類は各々15人前だったらしいのでどう考えても「弁当」というより「オードブル」に近いものになっていたみたいだが・・・。
好美(念話)「だってさ・・・、私が食べようとしたらペプリが起きて来て「飲茶パーティーしよう!!」だなんて言うんだもん。デルアだって逆らったらまずいってこと位分かるでしょ?」
デルア(念話)「まぁ・・・、分からなくは無いけど・・・。」
「小さな女の子」と言ってもペプリはネフェテルサ王国の王女、つまり王族の1人だ。その王族の言い出した事に背くという事は王命に背く事と同罪に当たってしまう。それはバルファイ王国の元黒竜将軍であるデルアだって重々承知していたはずなのだが・・・。
デルア(念話)「それでも結構な量だったはず、何人でパーティーをしたってのさ?」
好美(念話)「見回りの間控室にいた全員とやったから・・・、4人かな。」
デルア(念話)「はぁ・・・、因みにだけどエリューもいたのかい・・・?」
好美(念話)「いたよ、火曜日だもん。」
好美の返答により納得がいってしまったデルアは肩を落とすしか出来なかった様だ、元々大食いの好美がいた上に火炎古龍のエリューまでいたとなればそりゃあ15人前の天心で足りる訳が無い上にペプリやニコフと共にパーティーをしていたとすると尚更である。
デルア(念話)「はぁ・・・、大体の事情は分かったけどそこにあるご飯を食べすぎてお店の方にご迷惑をお掛けしない様にね。」
ピューア(念話)「あのさ・・・、横から入って申し訳ないけどもう手遅れみたい・・・。」
デルア(念話)「ほへ・・・?まさか・・・。」
ピューア(念話)「メラとガルちゃんもいたからなんだけど・・・、炊き込みご飯が無くなっちゃったみたい。」
デルア(念話)「あいたたた・・・、ちょっと頭痛がして来たから薬飲んで来るわ。
遅刻しなきゃ良いけど・・・




