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376

地球とは別の世界のはずだか・・・。


-376 いくら節約の為とは言え可哀想じゃないか?-


 円安による物価の高騰(2024.12.31現在)の影響は(殆どあり得ないと思うが)この世界にも及んでいた模様で、それは貝塚学園を含めた貝塚財閥にも大打撃を与えていた様だ。

 特に学園の給食(若しくは食堂)で使用する食材費に頭を抱えていたらしい、因みに近年何故か大食いの在学生が増えて来たので特に主食となる米で悩んでいたとの事。

 そこで理事長兼代表取締役社長である結愛を中心とした社員達が「何とか自分達でも作れないか」と開発に着手していたのがおよそ半年前だった様な・・・。


結愛(当時)「やっぱりこの環境での米作りは厳しいか・・・。」


 数か月の間、ずっと頭を悩ませていた結愛が「自分がいち生徒(学生)の立場なら・・・」と考えるとやはり「美味しい米が食べたい」という意志が強くなっていたので何とかバルファイ王国特有の厳しい環境における開発を成功させたいという気持ちが強かった。毎日の様に仕事の合間を縫って田畑の様子を伺いに向かい、社長自ら手間をかけていた事が功を奏した様で・・・。


結愛(当時)「やっとか・・・、この光景が見たかったんだよ。」


 結愛は自分の目の前で頭を垂れて揺れる稲穂を眺めながら感動していた、社員達と一から作った自信満々の米。

 一先ず大切な在学生を飢えさせる訳には行かないと急いで刈り取りを行うと、即座に精米等を施して翌日の給食及び食堂の主食として試供してみる事に。


結愛(当時)「あいつらの口に合えば良いんだけどな・・・。」


 「まさかと思うがお前自分の口で試して無いのか?」とついジト目になってしまう俺をよそに(と言っても俺の事は見えていないはずだが)、知らぬ間に仕掛けていた隠しカメラでモニタリングしてみる事に。すると・・・。


生徒「今日のこのご飯美味しいね、「キャベツの味噌汁」に合うよ。お店で出て来てもおかしく無くない?」

生徒「私絶対大盛りで頼むよ、だって日替わりの「和風オールキャベツ」にもピッタリだもんね。」

生徒「こっちの「キャベツのホイル焼き」とも最高の組み合わせだよ、お代わり欲しくなって来たな。」


 反応は良好の様だ、ただ1つ疑問に思ったんだがここのメニューってキャベツばっかりなのか?まぁそれは置いといて・・・、「例の大食い達」はと言うと・・・。


ガルナス(当時)「おばちゃーん、お代わりまだ?」

メラ(当時)「私にも早く頂戴!!」

おばちゃん「あんた達ね・・・、「キャベツ炒め」だけでどんだけ食べるつもりなんだい!!」


挿絵(By みてみん)


 うん・・・、予想通りだったがまさかここまでとは・・・。と言うかまたキャベツかよ!!


結愛(当時)「いや・・・、俺もキャベツ料理ばかりで不安だったんだけど光明が経費の節約にうるさくてさ・・・。でも思った以上に好評みたいで良かったよ、一応原価ゼロだから無料でお代わりし放題にして正解だったけどキャベツだけで米って進む物か?」


 いや・・・、いくら経費の節約の為だからってケチっちゃダメなところじゃね?と言うか結愛、気になる台詞が出ていたんじゃねぇのか?


結愛(当時)「そうなんだよ、こうなったら学園のグラウンド新設に必要な経費をかき集める為にいっちょやってみるか。」


 という訳で今に至る、ただ元々メラルークも最初は渋っていた様で・・・。


メラルーク(回想)「いくら結愛社長のお願いでも駄目なんですよ、うちは私が自分の舌で選び抜いた米を契約農家の方々から直接買い付けているんです。」

結愛(回想)「そこを何とか・・・、学園の生徒達を助けると思って・・・!!」


 結愛がこれほどまでに頭を下げた事があっただろうか、よほど在学生の事を心から思っているんだろうなと感心してしまう。改めて聞くが、本当に好美の店は駄目だったのか?


結愛「いや・・・、一応念を入れてお願いしたんだけどさ・・・。」

好美(回想)「うちは毎年新米の時期に買い込んで『転送』と『複製』を施した魚沼産のコシヒカリしか使わないの!!いくら結愛の頼みだからって絶対譲れないんだから!!」

結愛「ほら・・・、これを見ただろ?!流石にここまで来りゃあ俺にも無理だぜ!!」


 成程・・・、って結愛てめぇ!!俺の許可なしに勝手に回想シーン出してんじゃねぇ!!


自由な世界だな・・・。

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