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367

ケデールもそうだがシューゴって真面目だよな・・・


-367 その言葉に偽り・・・、無し?-


 守から用事を聞いたケデールは別に飼育係を信用していない訳では無いが世の中に「念には念を」と言うので確認の為にシューゴへと『念話』を飛ばした、因みに2人はネフェテルサの路地裏にある立ち飲み屋にて偶然隣同士で呑んでいた事からすっかり仲良しになっている。偶然の出会いが仕事に役立つなんて何となく羨ましい。


ケデール(念話)「シューゴ、今どの辺りだ?」

シューゴ(念話)「偶然かもだけどネフェテルサにいるよ、好美ちゃんのいる店に叉焼を補充しに来てたんだけど今丁度終わったからこの辺りで飯にしようと思ってさ。今日の気分は・・・、魚料理かな・・・。」

ケデール(念話)「おいおい、自分の店で食わないで良いのかよ。」

シューゴ(念話)「俺だって人間だよ、色々と食べたくなる時だってあるさ。」


 拉麵屋の店主だからって拉麺以外を食べてはいけないという法律は勿論無い、好きな物を食べる事は皆に平等に与えられる権利だ。


シューゴ(念話)「デールも一緒にどうだ?」


 「ケ」の一文字を言うのを面倒くさがったのか、いつの間にか「デール」というあだ名を作っていたシューゴ。因みに改めて言う事でも無いがケデールは放牧場にいるのでその場を後に出来ない。


ケデール(念話)「良いな・・・、そう言われるとぶりの照り焼きが食べたくなって来たけど今は行けそうに無いんだ。それより今日はお前に聞きたかった事があるんだよ、飯を食いながらでも良いから教えてくれるか?」

シューゴ(念話)「まだ店に行ってもねぇよ、それでどうした?」


挿絵(By みてみん)


ケデール(念話)「いやな、今さっきうちの飼育係に聞いたんだけど俺ん所の豚肉を新店でも使いたいんだって?」

シューゴ(念話)「そうなんだよ、バルファイ王国に今度開店する店で使わせてくれないかな。」

ケデール(念話)「勿論構わないよ、ただ配送はどうするんだ?」


 現時点でケデールの店の肉を使っている飲食店は「暴徒の鱗 ビル下店」を含めネフェテルサ王国内にあるのでケデールや守が軽トラの冷蔵車を運転して配送しているのだが、今回においては王国外になるので別の問題となってしまう(と言っても高速道路を使えば済む話なのだが)。


シューゴ(念話)「今ん所は俺が屋台で国外に向かう時に一緒に持って行こうと思っているんだけど駄目かな・・・?」


 駄目かどうかはシューゴが判断すべきでは無いかと思う、屋台に積んでいる魔力保冷庫の容量にもよるのではなかろうか。


ケデール(念話)「それは助かるが・・・、結構な量になると思うけど積めそうか?」

シューゴ(念話)「大丈夫だよ。実は先日、渚さんが魔力保冷庫に改めて魔力を流してくれて『アイテムボックス』の様に容量を気にせずに済むようになったんだ。最近は大盛りや替え玉を頼んで沢山食べるお客さんが増えて来たからね、俺もお客さんの声に俺なりに答えなきゃなって思う様になったんだ。」


 こう言えば昔はお客さんの事を全くもって考えていなかった様に聞こえてしまうが決してこういう事はあり得ないと願いたい、そうでないと長年の間拉麵屋(ましてや屋台)など続ける事が出来る訳が無い。


ケデール(念話)「良い事じゃないか、うちもそう言った店でありたいとつくづく思うぜ。」

シューゴ(念話)「それで・・・、改めて聞くがデールの店の肉を使っても良いか?」

ケデール(念話)「さっきも言ったが勿論OKだ、喜んで卸させて貰うよ。因みに聞くが、商品は何時頃に取りに来る予定なんだ?」

シューゴ(念話)「そうだな・・・、弟の店に立ち寄ってスープを積んでから行く予定だから8時頃かな・・・。」

ケデール(念話)「おいおい、そろそろお前も自分の店でも持ったらどうなんだ?いつまでもレンカルド君の店にスープの匂いを漂わせるのはどうかと思うんだが。」

シューゴ(念話)「それもそうなんだけどね・・・、でも俺はやっぱり屋台に拘りたいんだよ。この屋台を楽しみにしてくれているお客さんも沢山いるから大切にしたいんだ。」


 シューゴの言葉に感銘を受けたケデールはどんな無茶な頼みをされたとしても可能な限り答えようと誓ったそうだ、まさか温かな友情の話になるとは思ってもいなかったなぁ。


シューゴ(念話)「さてと・・・、来た来た。食べたかったんだよな、茄子味噌炒め定食。」


 おい・・・、「魚料理」の予定はどうなったんだよ!!


前言撤回・・・

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