363
野菜だけで拉麵屋が成り立つ訳が無い・・・、はず。
-363 忘れてたのはどっちだ?!-
野菜の仕入れ及び流通のルートは何とか確保出来た,ただそれ以上に必要な物がある事を忘れてはいないだろうかと思ってしまう俺(ただ傍らで見ているだけのクソ野郎が何言ってんだよと言われかねないので何も意見はしないでおくがこの兄弟の事だから忘れていそうな気がする)。
ベルディ「えっと・・・、次は肉系統だよな。イャン、前の店では叉焼とかはどうしていたんだ?」
イャンダ「兄貴・・・、もう忘れたのか?俺は雇われの身だったから仕入れ等は好美ちゃんを中心とした上層部(?)が取り決めていたから俺は発注はするけど後は任せっきりだったんだよ。」
これは俺個人が思う事であるが、「好美を中心とした」という表現がピッタリかどうかは正直言って定かでは無い。正直言って好美の場合は「ギャンブルで出来た泡銭を利用して市場等から「勝手に」「大量の」食材を仕入れていた」という言葉の方が正しかった様に思える、実際は必要最低限の食材を仕入れて送っていたのは1号車を運転しながら会社全体を回しているシューゴのはずなのだがこの本人も好美に対しては少しタジタジになってしまう所もあるのでどちらが上の立場の者なのかも分からなくなっている様な・・・。
だがしかし、肉類(特に叉焼)に至っては話が別になってくるはずである。「暴徒の鱗」の叉焼は拉麺等の味のベースとなる「醬油ダレ」に漬け込んでから各店舗に送る手筈になっているので店側が気にする事はない・・・、よなぁ?
イャンダ「チィッ・・・、俺の台詞まで取ってんじゃねぇよ!!あんたな、ちゃんと今日の台本を確認したのかよ?!」
えっ・・・、この話って台本が存在してたの?!結構長い間書いて来たけど全く知らんかったな・・・、でもあったとしても俺が書き換えるから問題無いって事よ。
それより・・・、今はどうしてお兄さんが肉類についての話を持ち出し始めたのかを聞く必要があるんじゃ無いのか?
イャンダ「そうだよ、作者の言う通りだ。俺達は仕入れの事についてそこまで気にする必要は無いはずだし、気にするべきではないと思うけどな。」
ベルディ「それがあるんだよ、もしかしてシューゴさんにちゃんと聞いてなかったのか?」
イャンダ「な・・・、何をだよ・・・!!」
何となく嫌な予感がしてきたイャンダ、「今以上に無理をしてまでこの仕事を続けるつもりはない」という意志の表れなのだろうか。
ベルディ「いや俺も初めて聞いた時は流石にびっくりしたけど・・・、「(回想)この店では拉麵屋として元々提供していたメニューに加えて豚肉料理を中心とした一品料理や定食を出そうと考えているんですよ」って言ってんだよ。」
イャンダ「「豚肉料理を中心とした一品料理や定食」ねぇ・・・、ってえええええええ?!」
ベルディ「な・・・、何だよ・・・。まさか・・・、初耳だって言うんじゃ無いだろうな?」
全くもってその通りだ、その上イャンダ本人は「ビル下店を離れる事になるので中華居酒屋としてのメニューを調理しなくて済むから今までよりは大分楽になる」と考えていた様だ。やはりこの世の中はそこまで甘くは無い、しかもそれ以上にイャンダの頭を悩ませる事態が起きようとしていた。
ベルディ「それと確か・・・、「(回想)店内飲食のみのお客さん専用で「朝ごはんメニュー」の提供を始めようと思っているんです」とも言っていた様な気が・・・。」
イャンダ「お・・・、おい兄貴!!そんな重要な事を何でもっと早く言ってくれなかったんだよ、と言うかちょこちょこ入り込んで来る打ち合わせの回想シーンは何なんだよ!!」
ああ・・・、それ?俺がやったんだよ、その方が話が伝わりやすいかなと思ってな。それより好美にちゃんと聞いてなかったのか?店長としてちゃんと全てを把握しておいてくれないと困るんだけどな、まだ開店前だから良かったがもう店舗が出来てしまっているんだからしっかりしてくれよ。
イャンダ「困ってんのはこっちなの、好美ちゃんったらまた大事な事を言い忘れたな・・・。」
おいおい、そんな事言ってたらまずいんじゃねぇの?ほら来るぞ・・・、俺は知らんぞ?
好美(念話)「何よ、私はちゃんとコピーした書類を渡しながらそっちの店の企画について説明したもん!!忘れたのはイャンの方じゃん!!」
イャンダ(念話)「そ・・・、そうだったっけ・・・?」
好美(念話)「そうだよ、この前説明した後に呑みながらそっちの店で提供する予定になってる「豚の角煮」の試食を一緒に食べたじゃん!!「辛子が合う」って言ってたじゃん!!」
ベルディ(念話)「おい・・・、イャン・・・?」
イャンダ(念話)「ハハハ・・・。す・・・、すんません・・・・。忘れてました。」
このままで大丈夫か・・・?




