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362

店は開店出来るんだよな?


-362 重要な事-


 イャンダは兄に感謝していた、店舗自体が完成したとしても提供する料理に使う食材をどうやって確保するかをしっかりと決めていなかったからだ。今更になって改めて言う事では無いが自分は雇われの店長で流通ルートは元々会社自体の経営者であるシューゴや「暴徒の鱗」のオーナーである好美に任せてあったからだ、新たに店を始めると言っても食材が無いと何もすることが出来ないという事はベルディも分かっているはずと信じたい。


イャンダ「兄貴、度々申し訳ないんだが質問と言うか確認をさせて貰えないか?」

ベルディ「勿論だ、俺で良かったら何でも聞いてくれ。」


 旅館の1部分を利用して営業するこのお店のオーナーがこの旅館の主人であるベルディである事は間違いない、今の弟には兄を頼りにする以外に選択肢が無かった様だ。


イャンダ「この店で使う食材の確保ルートを教えて貰えないか?店長としては何処に発注すれば良いのかちゃんと知っておきたいから頼むよ。」

ベルディ「やっぱり聞いて来たか、そろそろだとは思っていたんだよな・・・。」


 イャンダが自分の事を頼りにしてくれたのは嬉しい、しかし今の兄にとってはとても答えづらい状況となっていた。


イャンダ「何だよ、早く教えてくれよ。」

ベルディ「そう急かすなよ、教えないとは言って無いだろう。」


 一先ず現時点で自分に答えることを出来る限り答える事にしたベルディ、しかしそれのみでは正直十分とは思えない。


ベルディ「拉麺を中心にどの料理にも必要とされる暴徒の鱗の醬油ダレや麺は国王パルライ様のいらっしゃるお店を通じてここに入荷する話になっている、それと食材の中心となる野菜は旅館こちら側の厨房で使用する物と同時に仕入れをさせて貰える様に市場にいる知り合いに話をつけてある。」


 兄も本人なりに店の為を思って行動していた様だ、しかしそれだけでは不十分らしい。


イャンダ「待てよ、店の料理には野菜をたっぷり使う物も沢山あるんだぞ?そっちは大丈夫なのか?」


 「ビル下店」をオープンする際に好美を中心としたメンバーでヘルシー志向の女性の方々を中心に狙いとした野菜中心の料理を色々と開発して提供していた事もあるので新店でも同様に行いたいという。


挿絵(By みてみん)


ベルディ「野菜を確保するルートはうちで元々利用していた物に含めて新たに好美ちゃん達のお陰で2方向確保しているんだよ、安心しろって。」

イャンダ「そんなになのか、思った以上に話が大きくなっている様な気がするが。」


 兄の話によると暴徒の鱗全体で元々使用していたルートの他にもう1箇所確保できているという、一体そのもう1箇所とは何処だというのだろうか。


イャンダ「それで?もう1箇所って?」

ベルディ「確か・・・、バハラさんって方にお願いしたって聞いたけど。」

イャンダ「バハラさんって、ティアマットのバハラさんかい?」


 そう、好美が依頼したのは新たにビル下店の副店長となるバハラ・ブラッディだったらしい。きっとキムチの件で話し合った際、ついでに(と言って良いのか分からないが)この新店の件も打診しておいた様だ。勿論先日の件でブラッディ母娘については有名になっているのでベルディも母親についてはちゃんと知っていた。


ベルディ「そうそう、俺もよくあの人と契約を結ぶ事が出来たなと感心しているんだよ。初めて聞いた時は驚いたさ。」

イャンダ「でも可能性が無いと言ったら嘘になるな、広大な家庭菜園(畑)で野菜を沢山栽培しているって聞いたから格安で仕入れが出来るチャンスだと思ったんじゃねぇの?」


 正しくその通りだった、ただ今回の場合においては新店の、そして暴徒の鱗全体の為を思っての行動になるので決して否定はできない。


イャンダ「うん・・・、じゃあ野菜は大丈夫みたいだな。」

ベルディ「「野菜は」ってどう言う事だよ。」

イャンダ「いやベジタリアン専門の拉麵屋って聞いた事があるのか?」

ベルディ「確かにねぇけど、安心しろって大丈夫だから。」


 兄の口調から何となく信用して良いのか分からない弟、何となく同感できる様な・・・。


大丈夫なんだよな?

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