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夜勤族の妄想物語4 -7.異世界ほのぼの日記3~今カノと死に別れたので元カノと同棲生活を始めます~-  作者: 佐行 院


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340/672

343

ちゃんと話し合おうよ


-343 この話上手く行くの?-


 どんどんと商談が進んで行く中でバハラたちは重要な要件を話す必要があるという事を思い出した、正直言って今回の件を発案した好美がそこまで考えているように思えない。


バハラ(当時)「好美ちゃん、ちょっと良いかい?」

好美(当時)「少しの間なら別に良いけどちょっと待ってくれる?」


 発起人の両手には相も変わらず出走表と赤ペンが、正直言って同じ転生者である光に助けを求めたいが泥酔しているが故に誰の言葉もまともに聞いてくれそうにない。

 致し方無く2人は好美が次のレースの舟券を購入し終わるのを待つ事に、それから数分後やっとテーブルにオーナーが戻ってきた。


好美(当時)「どうしたの?重要な事?」


 2人が話している事はこれから如何に業務提携を結ぶかという事を左右する重要な案件である、下手すればこの店と「暴徒の鱗 ビル下店」だけで済む話では無くなって来た可能性が高い。


ヤエル(当時)「私達が業務提携を行ったとして、配送方法はどうするんだい?」


 確かにそうだ、実際女将はこの競艇場にてテナント販売を行っているだけで別に店舗を持っている訳では無い。


挿絵(By みてみん)


バハラ(当時)「まさかと思うけど、私が直接取りに来るのかい?」

ヤエル(当時)「若しくは私が直接店に持って来いと?」


 やめておいた方が良いのは一目瞭然だ、先程もそうであった様に混沌龍バハラがこの場に来るだけで周囲が騒然としてしまう上に巨大な魚龍バハムートであるヤエルが持って来るとすると街の中心地に入れるかどうかが分からない(勿論現在の様に『人化』している場合を除くが)。


好美(当時)「あまりにもリスクが高いね・・・、じゃあ私が直接ここに取りに来ようか?」

ヤエル(当時)「馬鹿言ってんじゃないよ、ここではある程度以上の魔力が制限されているんだよ?入る事すら出来ないんじゃないの?」


 以前光が超高額万舟券を獲得して黒毛和牛を一頭買いした時に話したが、この競艇場一帯には特殊な魔力(『魔術阻害』と思われる)が広がっており能力や魔法が制限されているので『瞬間移動』でこの場に入る事は出来ない。


好美(当時)「じゃあさ・・・、ヤエルさんの家に作ったキムチを私が直接取りに来るのは?」

バハラ(当時)「好美ちゃん、夜勤族なのに出来るのかい?さっき聞いた話だけど昼過ぎに一旦この店を離れたヤエルがキムチの仕込みを終えて漬かった物を袋詰めした時にはもう既に夕方になっているらしいよ、その時あんた夜勤に向けて寝ているんだろう?」

ヤエル(当時)「それにさっき好美ちゃんが言っていたコラボ案を実現するためには先にバハラの畑で白菜を収穫してから来なきゃならないから大変だよ?私がこんな事言って良いのか分からないけど、かなり生活リズム崩れると思うよ?まぁ2箇所で集めた荷物を、鮮度を保ちつつ一気に運ぶというなら話は別だけど。」


 ヤエルの言葉がかなり良きヒントとなった様で、好美は呆気ない程簡単そうにアイデアを思い浮かべてとある人物に『念話』を飛ばした。


好美(念話)「ねぇ・・・、相談があるんだけど今大丈夫?」


その表情からすれば良い返事が貰えていなさそうな様子だ、もしかしたら計画が総崩れする可能性が無きにしも非ず・・・。


好美(念話)「分かった、忙しい時にごめんね。そっちに聞いてみるね。」

バハラ(当時)「ちょっと好美ちゃん、大丈夫なのかい?」

好美(当時)「大丈夫だって、私に任せておいてよ。」


 そう言うと好美はまた別の人物に『念話』を飛ばした、正直信用して良いのかが分からないが今は好美のアイデアを頼るしかない。


好美(念話)「向こうが「忙しい」って言うからあんたに言ってんじゃん、ねぇ駄目なの?」


 正直言って今の好美は依頼人というよりただのクレーマーにしか見えない、まぁちゃんと話が進んでいるとすれば大丈夫なのだが・・・。


バハラ(当時)「好美ちゃん、本当に大丈夫な訳?」


大丈夫か?

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