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この世界でも真希子の存在は大きい様だ。


-㉞ 番号の理由と世間の狭さ-


 守は心が温かくなっていた上にモヤモヤが晴れた様子でもいた。


守「だからか、車はあるのに母ちゃんがいないからおかしいと思ったんだよ。」

ピューア「欲しい車があって買い替えるからってくれたのよ、何処にそんなお金があるんだろうね。」


 2人の会話にマンションの大家が口を挟んだ。


好美「ピューア、結愛が自分の会社の筆頭株主だって言ってたじゃん。」

守「こっちの世界でも貝塚財閥は健在なんだな。」

好美「健在どころか貝塚財閥あってのこの世界と言っても過言では無いと思うけどね。」

ピューア「皆貝塚学園で勉強して社会に出ている様な物だから、貝塚財閥様様よ。」

守「ははは・・・、はぁ・・・。」


 決して思い出したくはない高校時代を思い出しかけたので話題を変える事にした守の様子を察した好美、そこで彼氏にとって嬉しくなる様な情報を与える事にした。


好美「守、このマンションで真希子さんに会わなかったの?」

守「全然見かけなかったけど、いるのか?」


 大家として不動産会社と共有している住民リストをめくる好美。


好美「確かこの辺のページに・・・、あった。この下の階に住んでるよ、1408号室。」

ピューア「あんた、住民の個人情報を他に言っても良い訳?」

好美「親子だから大丈夫でしょ、それに守だって偶には真希子さんに会いたいだろうし。」

守「部屋の番号を知ってたとしても、行き方が分からないよ。」

好美「普通にそこから行けばいいじゃん。」


 靴箱の横にあるエレベーターを指差す好美、今更だがやはりエレベーターを降りたらすぐ玄関というのはやはり贅沢過ぎでは無いだろうか。まぁ、マンションのオーナーの特権という事にしておこう。しかし、守にとってはそれ以上の問題が浮上していた。


守「俺、14階に行けたとしてエレベーターでこの部屋に来るための暗証番号を知らないぞ。」

好美「あっ・・・、本当だ。言っておかなきゃ魔力が切れた時に帰って来れないもんね。」


 好美は守に4桁の数字を教えた。


守「お・・・、おい、それって・・・。」

好美「そうだよ、守の誕生日にしてたの。守の事忘れない為に、この部屋に帰って来る度に守の事を思い出せる様にする為に、そしていつか守とここで住めるようにする為に。」

ピューア「そう言う意味だったのね、好美の生年月日とかから全く関係無い番号だから何だろうなって思ってたのよ。」

守「と言うか、この暗証番号ってピューアとか他の住民に言って良いのかよ。」

ピューア「結構ここで宅吞みする事が多いからって教えて貰っているのよ、勿論師匠も知っているはずだけど。」


 何気ない会話を交わしていると噂になっていたほろ酔いの「師匠」から『念話』が飛んで来た、どうやら3人が楽しそうに酒を酌み交わしている様子を『察知』したらしい。


真希子(念話)「あんた達、私抜きで呑むだなんてどういう了見なんだい!!」

守(念話)「か・・・、母ちゃん!!仕事はどうしたんだよ!!」

真希子(念話)「今日は有給なんだよ、それと守!!このマンションで住み始めてから1回も母ちゃんの部屋に来た事が無いじゃないか、せめて挨拶位はするもんじゃないのかい?」

守(念話)「実際このマンションに母ちゃんがいるのかな・・・、って思ってた事もあったよ、でもスルサーティーだけでは判断できないだろ!!実際ピューアが乗っているし、もう母ちゃんは走らないのか?」

真希子(念話)「あんたったら、母ちゃんから車を取ったら何が残るってんだい。ちょっと待ってな。」


 次の瞬間、3人の目の前に真希子が『瞬間移動』して来た。片手には一升瓶。


挿絵(By みてみん)


守「母ちゃん、既に出来上がっているじゃんか。」

真希子「休みの日を母ちゃんが思った通りに過ごして何が悪いんだい、別に迷惑をかけている訳じゃ無いんだから良いだろう。」

守「まぁ、良いけど・・・。それで?最近は走って無いのか?」

真希子「弟子から聞いたと思うけど、買い替えてお風呂山で走っているのさ。勿論、渚や光ちゃんと一緒にね。」

ピューア「因みに私も一緒に走っているからね。」

守「嘘だろ、元の世界と殆ど一緒だな、世間ってこんなに狭かったっけ・・・。」


ほぼ日本と変わらない生活。

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