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夜勤族の妄想物語4 -7.異世界ほのぼの日記3~今カノと死に別れたので元カノと同棲生活を始めます~-  作者: 佐行 院


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342

はい、潔く諦めようね~・・・。


-342 熱意-


 結局レース結果は「1-2-4」で確定した、どうやら軍配が魚龍ヤエルの方に上がった様なのでずっと競争水面を見つめていた好美は愕然としていた。確かに気持ちは分からんでも無いがそのままずっと有名人(いや「有名龍」と呼ぶべきか)を待たせるのは良くないと思う、さっきも皆が言っていたが忙しい中で来てくれているので一刻も早く話を進めるべきでは無いだろうか。


バハラ(当時)「あんたも偶には良い事言うじゃないか、ちょっとは見直したよ。」


 あらあら、私めなんかにそこまで嬉しい事を仰って下さるとはね・・・。正直言って勿体ないお言葉です・・・、はい・・・。


ヤエル(当時)「一先ずだ、好美ちゃんはまだ復活しそうにない上に光ちゃんが食べまくってくれているお陰で即席キムチを作らないといけなくなってきているからついでに作り方を教えるよ。バハラ、良かったら厨房に来てくれるかい?」


 バハラは首を縦に振り頷くとヤエルに導かれて厨房へと入って行った、女将は浅漬けを作る容器に白菜や胡瓜を詰め込んで唐辛子の粉を中心とした調味料を入れた後に上から押し付ける様に蓋をする(勿論家庭用の小さな容器で作るとすぐに無くなってしまいそうなので大き目の物を用意している)。


ヤエル(当時)「本来だったら2週間ほど漬け込んだ物を提供したいんだけど今回の様になっても良い様にこういった作り方をも覚えておくのも手の1つだ、勿論後で私流のキムチの作り方を教えるからお店でやってみておくれ。」


挿絵(By みてみん)


 ヤエルの言葉を聞きながら入念にメモを取るバハラ、「良い事はどんどん吸収していこう」という気持ちが滲み出ている(良い事良い事)。

 バハラが自らの目で見たままにイラストを交えながら書いていく中、ヤエルは漬け込みをし始めた容器を魔力保冷庫(冷蔵庫)へと入れて行った。どうやらこの店に設置されている物も「暴徒の鱗 ビル下店」や好美の自宅にある物と同じで『アイテムボックス』と同様の機能が備わっている様なので食料が無限に入る上に保存がよくきくらしい、やはり飲食店を経営している者にとっては喉から手が出る位に憧れる物の様だ。


ヤエル(当時)「この中で数時間程漬け込んだら完成だ、店に置いてあるキムチに多少の余裕があるうちに用意が出来て良かったよ。」


 ランチのピークタイムを終えて少しずつ客数が少なくなってきているので数個の壺に今あるキムチを集めて置いておくのみで十分回せるようになってきた、今の状態のうちに即席キムチが漬かってくれれば願うばかりである。

 そんな中、バハラは先程皆で見た販売用のキムチが入っている冷蔵ケースを指差した。その前では好美が再び気合を入れて次のレースの予想を開始していた、余裕があるうちにやめといた方が良いと思うがこの状態となった拉麵屋のオーナーは誰の言葉も耳に入らない様だ。


バハラ(当時)「ヤエル、ちょっと思っただけなんだけどそこまであれを店に出せば済む話じゃないのかい?」


 確かにそうだ、同様にこの店で作っている物だから袋を開けて壺に入れてしまえば済む話だと誰だって思ってしまう(勿論俺もその1人)。


ヤエル(当時)「そうだね・・・、これはあんまり見せたくないんだけどちょっとこっちに来てくれるかい?」


 ヤエルに手招きされたバハラが後ろからついて行くとその先には大きめのホワイトボードが掛けられていた、その1番上には「店内用」「持ち帰り販売用」と書かれている。よく見ればその下から何行にも渡って日付がびっしりと書かれている。


ヤエル(当時)「実はうちがお持ち帰り用のキムチを販売し始めてからそんなに経って無いんだよ、だから漬け込み期間とかにズレが生じちゃってね。一応両方の在庫を切らさない様にと思って始めた事なんだけど駄目だったかも知れないね、こりゃ色々と考えなおさなきゃだ。」


 ヤエル本人は後頭部を掻きながら語っているが、ホワイトボードにびっしりと書かれた字の並びを見ると仕事に対する女将の熱意が伝わってくる様だった。


バハラ(当時)「そんなに謙遜する事無いじゃないか、どちらかと言うと「凄い」の一言だよ。私も見習わなきゃね。」

ヤエル(当時)「何言ってんの、あんたは私と違って同時期に漬け込みを始めれば良いんだからここまでしなくても良いよ。」

バハラ(当時)「いや・・・、「真似しろ」と言われても私には無理だわ・・・。」


そこまでは無理無理・・・。

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