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332

楽しそうにしてるな、好美


-332 売上と利益-


 バハラの家庭菜園(?)で収穫したキャベツや玉ねぎに加えて知らぬ間に採っていたアボカドやトマトで一杯になった籠が高々と積まれている様子を見て唖然としている結愛や美麗に目もくれず、好美はニコニコしながら全ての野菜を『アイテムボックス』へと詰め込んで行った。


好美「バハラさん、この野菜代は給料日に一緒に振り込む形で大丈夫だよね?」

バハラ「私はそれで良いけど本当に良いのかい?ほぼほぼ半分趣味感覚の家庭菜園で採った野菜をこんなに沢山買い取ってもらって、店の利益が無くなっちゃわないのかい?」


 実はイャンダから店の各商品の値入率を聞いたバハラは驚きを隠せなかったそうだ、ほぼほぼ原価ギリと言うではないか。利益なんて本当に無いに等しいはずなのに大丈夫なのだろうか、最近この世界でも物価が上がって来たと言うに・・・。


好美「大丈夫だよ、改めてイャンダに確認したんだけど原価ギリで販売しているのはマンションの住民さん達限定の割引商品の事らしいから。こう言っちゃ悪いけど外から来たお客さんからはガッツリ利益(お金)を貰っているからね。」

バハラ「だからか・・・、あんたの経営するマンションはずっと人気の状態なのは。」

好美「従業員価格も存在している事は流石に住民の人達には内緒だけどそれなりにやっぱり頭を使わなきゃって思うのよ、「店で働く」のと「店を持つ」ってのはえらい違いだからどうやってお客さんに「お買い得だ」って語り掛けるかがポイントなんじゃないかな。」


 説得力のある言葉だ、好美がこの世界にやって来てから並大抵じゃない努力を行ったのが伝わって来る。ただの元工場勤務の酒好きと言っている事とは思えない、その上店を持ちながら別の場所で働くなんてなかなか出来る事では無いので立派になったなと感動してしまいそうになっているのは俺だけだろうか。


バハラ「でもあんた、無理していないの?それだけ働き過ぎていたらいつか倒れちゃうよ?」

好美「大丈夫だよ、空き時間や休みの時は仕事の事を考えない様にしているし家に帰った時はお酒の事しか頭に残っていないから。」


 確かにこれも説得力のある言葉だ、家にいる時の好美は気付けば露天風呂を満喫して昼呑みを敢行している様な気がする。しかしオンとオフの切り替えをするのは重要な事、ずっとオンの気持ちでいるとそれこそバハラが言った「無理をしている」状態が続いてしまう事になる。


美麗「バハラさん、そんなに心配ならお昼の時間帯の店の売り上げを調べてみたら?」

好美「ちょっと美麗、何であんたがそれを知っているの!!」


 バハラは好美が焦っている理由、そして美麗の提案の理由が全く分からないまま一先ず好美の『瞬間移動』で店へと戻ってきた。オーナーが『アイテムボックス』から店の冷蔵庫へと野菜を移している間に次期副店長は現店長へと声をかける事に、新しい職場にまだ慣れていない今頼りに出来るのは好美を除けばイャンダ達しかいない。


挿絵(By みてみん)


バハラ「イ・・・、イャンダさん・・・。今ちょっと大丈夫かい?」

イャンダ「どうしたんだよ、俺で良かったら気にしないで何でも言っておくれよ。」


 頼もしい言葉にホッとする混沌龍、ただこれだけがイャンダという人物を表しているとは絶対に言いたくないが今は余計な口を挟むのは野暮というやつか。


バハラ「あのさ・・・、店の売り上げって時間帯別で見えたりするのかい?」

イャンダ「勿論だよ、今度レジのシステムについて教えようと思っていたから丁度良いよ。良かったらこっちに来てくれないかな、今暇だから一緒に見よう。」


 そう言えばさっきデルアも「暇だ」と言っていた様な気がする、まさかと思うが売り上げがガクンと落ちてしまったという事なのだろうか。


好美「作者の癖に失礼な事を言わないでよ、一応「ビル下店うち」が「暴徒の鱗」で一番の売上なんだからね。」


 よくよく考えてみれば他店と違って24時間営業な上に拉麺だけではなく好美の様に居酒屋感覚で訪れる客がこぞってやって来る事も多いのでそれなりに売り上げがある事も納得がいく、しかし店長と副店長の言葉が気にならないと言えば嘘になるのも現状。


好美「「私の様に」ってどういう意味よ、ちゃんと稼いでいるんだから文句言わないでよ。」


 すんません・・・、おっしゃる通りです。許して下さい、神様・仏様・好美様ー!!


好美「ちょっと、ビクターさんや死んだ人みたいに扱わないでくれる?」

結愛「いや好美、忘れているかもだが俺達1回死んでるからな。」


いやその前に神様に失礼だろ

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