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324

ヌラルの履修登録は続く


-324 オーナーって・・・-


 色々と授業を見学している内に時刻は昼12:00になろうとしていた。旦那(光明)や俺(?)の言葉にあたふたしながらも支援をすると決めたヌラルの将来に関わる事だからと必死になって本人に合った授業をピックアップしようとする結愛、多種多様の選択授業を見学してきたがどの様な方向ベクトルへと進もうかをある程度決めていた混沌龍ティアマットは迷う事もしなかった様だ。


結愛「どうだヌラル、ここまで色々と見学してもらったけど好みに合った物はあったか?」


 「これが1番」かどうかは分からないが、一先ず同行していたティアマットが少しでも答えやすい様に言葉を選んだ理事長兼代表取締役。


ヌラル「あのさ・・・、色々見て来たけど俺はやはり母ちゃんと腹も心も満たされる様な料理を提供する様な店を出したいと思っていたんだよ。」


 そう言うと慣れない手つきでパソコンのキーボードとマウスを操作して家庭料理関係の授業を中心とした履修登録を行った、その様子からヌラルが将来のビジョンを本人なりに定めていた事が伺える。

 ヌラルが大学生活の基盤を定めていく中、好美所有のビル1階・店舗部分の「暴徒の鱗 ビル下店」のキッチンでバハラは未だ新店へと異動する予定の日時が定まらないイャンダに付いて店舗の経営や提供する料理の作り方に備品の定位置を少しずつだが覚えていく事に。正直言ってメモ用紙が無いと全てを覚えきれない位の情報が頭に流れ込んで来ていると思っていたイャンダは多少だがバハラに気を遣っていた様だ、自分でも全てを頭や体で覚えるのに苦労したので所々で時間を空けて余裕を持たせるようにしていた。


イャンダ「こんなので大丈夫かな・・・、実際俺がそうだったんだけど一気に覚えきれないかも知れないからメモ出来なかった所があれば言ってね。」

バハラ「イャンダさんは優しいね、そう言った心配りが出来る男は私好きだよ。でも大丈夫、この通りちゃんとメモしているしただでさえ私達ドラゴンは記憶力が良いから心配しないでおくれ。」

イャンダ「そうか・・・、余計なお世話だったら申し訳ないな。」

バハラ「「余計なお世話」だなんて、教えて貰っているのにそんな事言える訳無いよ。」


 よく考えればヌラルが500年以上前の状況を覚えていた位なのでドラゴン達が相当な記憶力を有しているという事は納得できる、ただ覚えたからって何でもかんでもすぐに出来るとは限らないと思うのだが・・・。


バハラ「えっと・・・、この「魔力カード」のボタンを押せば貝塚Payが使えるんだっけ?」

イャンダ「いや、その場合はこのボタンだよ。他国には他にも魔力マネーがあるけど一応「暴徒の鱗」全店で使えるのは貝塚Payだけだからそのボタンを押すだけで大丈夫。」


 客がいない内にレジの使い方をじっくりと学ぶバハラ、金銭に関わる事なのでしっかりと覚えておきたい一心だがどうやら龍達は機械に弱いらしい。


バハラ「なるほどね・・・、やっぱりメモしておかないと駄目みたいだね。」

イャンダ「何を言っているんだい、初日からここまで仕事を覚えている従業員なんて今までいなかったよ。オーナーに至っては料理の作り方を未だに覚えていないからね。」


 バハラの事を褒める為に好美オーナーを引き合いに出したと思うが少しまずかったんじゃないのか?俺、知~らない。


好美(念話)「イャンダ、今余計な事言わなかった?今すぐクビにされたい?」

イャンダ(念話)「い・・・、いや別に何も・・・。ちゃんとバハラさんに仕事を教えているだけだけど、何か問題でも?」

好美(念話)「嘘だもん!!今私が料理の作り方を覚えていないって言ってたじゃん!!」


 心配したデルアがキッチンに入る中で店長と次期副店長の会話は好美に筒抜けだった様だ、これはまずい展開の様な気がするが一気に状況を一変させたのはバハラだった。


バハラ(念話)「好美ちゃん、一応あんたがこの店のオーナーらしいけどキッチンには入れるのかい?」

好美(念話)「勿論、王城での夜勤が無い日に手伝ってるから料理も作れるよ。」


挿絵(By みてみん)


 好美はそう言うと2人のいたキッチンへと『瞬間移動』した後すぐに中華鍋を手にしてパパっと炒飯を作った、確かに「暴徒の鱗 ビル下店」でいつも提供している炒飯そのものだが時間的にも空腹だったのか好美は自分が昼食として食べたいだけ作った様で・・・。


バハラ「好美ちゃん、まさかと思うけどタダ飯を作りに来たんじゃ無いよね・・・?」

好美「い・・・、いやそんな訳・・・。ハハハ・・・(口笛)。」

デルア「好美ちゃん、図星だってバレてるよ・・・。」


好美もかよ・・・

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