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夜勤族の妄想物語4 -7.異世界ほのぼの日記3~今カノと死に別れたので元カノと同棲生活を始めます~-  作者: 佐行 院


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素早く引っ越し作業を終えて自分の店へと向かいたかった好美、勿論目的は顔合わせだけではない


-318 結愛の「働き方改革」-


 『念話』で連絡を受けた好美と共に『瞬間移動』をして来たヌラルから家の鍵を渡された美麗は玄関を開けてポカンとしていた、どう見ても今まで母娘2人で生活をしていたとは思えない位に家財道具が少なかったのだ。その光景からは学校へと行けない程「生きる」だけで精一杯になっていた事が見受けられた、ただ従業員が続々とトラックを駐車している様子を見て美麗は焦っていた。


美麗「正直言って・・・、これだったら1台で十分な気がするんだよね。どうしよう・・・、連れて来すぎちゃった。」


 しかしこれに関しては美麗の責任ではない、米の集荷の予定を完全に無くしてしまった好美の責任である。しかし好美からすればただただ店で使う米を買い占めただけなので罪悪感など持つ訳が無かった、と言っても先程までデルアが時間をかけて洗っていた位なのでよっぽどの量だった事が推測される。


好美「美麗・・・、この人たち全員が元々米の集荷に行く予定だったの?」

美麗「そうだよ、卸問屋の人が結構な量があるって言うから予め人員を増やして対応していたんだけど突然集荷の必要がなくなったからこっちに回って来て貰ったの。早く済んだ方が好美も助かるかなと思ってさ。でもこれだったら1台でもすぐに終われるね。」


 美麗の言った通りだ、好美は今夜王城での夜勤を控えているのでそろそろいつもの昼呑みをしてぐっすりと眠ってしまいたい様だ(何となくいつでも休んでいるイメージがあるがちゃんと仕事していたんだな)。


好美「助かるよ、駐車場を構えていても大量のトラックがぞろぞろと走っていたらネフェテルサの人達がびっくりしちゃうからね。」


 元々農家が多いネフェテルサの住民からすれば、軽トラがぞろぞろ走っている光景は見慣れた物だったが中型トラックや大型トラックは物珍しさに野次馬として見に来る位だと思われる。もしそうなってしまえば大騒ぎが故に引越しどころではなくなってしまう。


美麗「それじゃ、今日はもう集荷の予定もないみたいだから他の人達には帰って貰うね。(念話)結愛、別に良いでしょ?」


 どうやら結愛が密かに2人の様子を『探知』していた事を『察知』していた美麗、この世界に来てまだ間もないはずなのにもう既に能力を使い慣れている様だ。


挿絵(By みてみん)


結愛(念話)「美麗が良いなら俺は別に良いぜ、主任は美麗なんだから現場での判断に任せるよ。」

美麗(念話)「そういう訳には行かないよ、ちゃんと上司(結愛)に「ホウ・レン・ソウ」しなきゃ。」

結愛(念話)「そうだよな、美麗の言う通りだ。ちゃんと連絡してくれてありがとうな、米の集荷に回る予定だった運転手達にはまだ早いが上がって貰ってくれ。」


 制服だから仕方が無いと言えば仕方が無いのだが、引越しの作業中にも関わらずチャイナ服を着ている割にはしっかりしている美麗。別にチャイナ服の事を悪く言うつもりはないのだが、周りからすれば「ふざけているのか」と言いたくなってしまうのも分かる気がする。


美麗「皆さーん!!ここまで来てもらって申し訳ないのですが、荷物が少ないので今日は現地解散で上がって下さい!!各々の運転席でタイムカードを切る事を忘れないで下さい、貝塚社長から許可を頂きましたので今日は1日働き終えたと考えて下さって結構ですが明日集荷予定の場所には家から向かう様にして下さいね!!では、お疲れ様でした!!」


 ルンルンと鼻歌を歌いながら帰って行く運転手を見送る美麗、ただ疑問に残る事が1点。


好美「ねぇ、直接帰して大丈夫な訳?」

美麗「大丈夫でしょ、さっき言った通り結愛にちゃんと許可貰ったしタイムカードの機械はトラックに搭載してあるから問題無いよ。それにウチでは結構よくある事なんだ、もう日常茶飯事と言うくらいだから気にしないで。」


 「貝塚運送」の事を「ウチ」と呼ぶ事から今の仕事に美麗が大分馴染めてきた事が伺える、そして話していく内に現地解散にした理由はもう1つある事が分かった。


美麗「ウチって結構ダンラルタ王国から働きに出て来ている人達が多いから今日みたいに現地解散にすると各々の家庭でゆっくりと過ごす時間が増えるって結構ウケがいいのよ、仕事もそうだけど家庭も大切にすべきだという結愛の考えなんだってさ。」

好美「「仕事も家庭も大切に」か・・・、何か斬新な働き方改革みたい。」


 おいおい、「家庭も大切に」って夫婦喧嘩ばかりの結愛が言う事かよ・・・。


ある意味公私混同しない結愛

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