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298

結愛は黒龍族の事を真剣に考えていた(おいおい、雨が降るぞ)。


-298 誰だって休みたい-


 結愛は今更ながら「読み書きが出来ない」事を「状態異常」として扱うべきなのかを思い悩んでいた様なのだが目の前で混沌龍が感動を隠せずにいる様なのでそんな事(と言って良いのか分からないが)などすぐにでもどうでも良くなってしまった、と言うより今考えるべきなのは黒龍族の権利を奪還した英雄ヒロインの将来に関わる事なのでそちらを優先するべきだという気持ちが勝っていた(話の進行の為にも是非お願いします)。

 ただ問題が浮上しているのも事実、その1つとして今考えるべきなのは頼りにしていた好美有する学生寮マンションが満室なのでまずは何処で生活をさせるかだ。


結愛(念話)「好美、どうしても駄目か?『作成』で部屋数を増やせば何とかなるはずだし家賃収入が増えるからお前にも好都合だろ?」

好美(念話)「何言ってんの、一応街の一等地に建てているんだからこれ以上延床面積や坪数を増やす訳には行かないの。それにうちの様な高層ビルが突然姿を変えたら周りの人が驚くに決まっているし様々な面で迷惑をかけるに決まってんじゃない、ハッキリ言わせて貰うけど簡単に「うん」とは言えない話だよ。」


 確かに数年にも渡り街一番のビルを経営する好美が言う事なので否定など出来る訳が無い、しかし「是非とも黒龍族の役に立ちたい」という気持ちが強い結愛も簡単に引き下がれなかった。


結愛(念話)「もし好美が良いなら工事もうちで請け負うし何なら寮として利用している部屋の家賃を上げてくれても構わない、お願いだから頼めないかな。」


 結愛の人生においてここまで必死にお願いをした事は無かった、しかし何より教育支援に力を入れている貝塚財閥の社長として必ず成功させたくて仕方が無かった。


好美(念話)「そう言う問題じゃ無いの、学生寮の部分を建て替えるって事はその下にある店舗部分にまで影響が及ぶという事なのよ。その間営業がストップしていつも利用してくれているお客さん達に迷惑が掛かるじゃない。」


 なかなか好美も引き下がらない、ネルパオン強制収容所で共に戦った黒龍族の為に動きたいのは山々だがやはりいち経営者として譲れない物があるようだ。やたらと説得力のある好美の言葉に気圧されそうになる結愛、そこで好美に気付かれない様にこっそりと『探知』をしてみる事に。


結愛(念話)「そう言えば好美、お前って奴は今でも相変わらず露天風呂で酒呑んでるだけじゃねぇか。真面目な仕事の話が出来る状態じゃ無いんじゃないのか、え?」

好美(念話)「私は今王城での夜勤明けなの、それに私の家で私がどう過ごそうが関係無いじゃないの。」

結愛(念話)「だからってお前・・・、まさかその状態でずっと話しているつもりか?」

好美(念話)「そうだけど・・・、何?」


 好美の「何?」という言葉を最後に『念話』を切った結愛は如何にもこの世界の住民らしい行動に出た、ただ今回は混沌龍も一緒だ。


結愛「俺達もお相伴に与ろうじゃねぇか、なぁヌラル?」

ヌラル「えっ、えっ?いや俺達・・・、さっきまで・・・。」

好美「結愛!!来るなら来るって一言言ってって何度言わせたら分かるのよ、しかもヌラルちゃんまで・・・。」

ヌラル「あ・・・、ど・・・、どうも・・・。」


 第三者の視点から見ていただけの俺も「まさか・・・」と思ったがやはり先程の「何?」という好美の嫌な予感が的中した様だ、仕事中にも関わらずビールが欲しくなった結愛が状況を何も読み込めていなかったヌラルを連れて好美の自宅へと『瞬間移動』して来た。


結愛「お前だけ真昼間からズリィじゃねぇか、どうせ冷蔵庫にたんまりあるんだから俺にも吞ませろや。」

好美「いや結愛、あんた今仕事中でしょ。今は我慢しな・・・、ってもう呑んでんじゃん。」

結愛「仕事なんてどうでも良いだろうがよ、もう俺達風呂に入る気満々だぜ。なぁヌラル?」

ヌラル「えっ?!い・・・、いや・・・。何か申し訳ないよ。」

結愛「俺が言うんだ、入って来いって。」

好美「この露天風呂はあんたの物じゃ無くてあたしのでしょ、それにさっきまで必死に仕事の話をしていた結愛は何処に行ったの?」


 打って変ったかのように純粋に露天風呂とビールを楽しむ結愛、一先ず連れて来た混沌龍にも缶ビールを渡す事に。


挿絵(By みてみん)


ヌラル「ゆ・・・、結愛・・・。俺酒呑んだ事ねぇんだけど大丈夫かな?」

結愛「大丈夫だって、一応確認だけどお前今何歳だってんだよ。」

ヌラル「今は確か・・・、2298歳だったと思うけど(人間で言う22歳)。」


結構なお年頃・・・。

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