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296

渚は個人的に矛盾を感じていた様だ


-296 英雄ヒロイン英雄ヒロイン-


 渚はダンラルタ王国にも「肉好き」の国民がいる一方で「魔獣愛護協定」の存在や国民が持ち合わせる「他種族同士で互いを尊敬しあう精神」を素直に理解したかったが少し解せない事があった、少し前にテレビで全国放映されていた事のはずなのにまさか時事問題に弱いのだろうか。


渚「馬鹿言ってんじゃ無いよ、私だってれっきとした社会人なんだからニュースくらい見ているに決まっているじゃないか。」


 疑うつもりは無いのだが本当か?ただのチャラいオバハンのイメージが強いんだが。


渚「あんたって本当に失礼だね、私だって一応店の経営者なんだからちゃんとテレビ位見てるっつうの。」


 そんな事言って、昨日はずっと深夜アニメばっかり見ていたじゃないか。


渚「あんたって人は・・・、本当にこの世界じゃ下手な事出来ないね・・・。」


 勘で適当に言ってみただけなのに結構いい反応するって事はやはり図星じゃねぇか、このご時世何でも言ってみるもんだね。


渚「もう・・・、私の事は良いから早く話を進めなきゃだろ。」


 そうだよ、でも今着目されているのはあんたなんだからちゃんと何を考えているのか教えてくれよ。


渚「いやね、国民全員が「互いを尊敬」しているならどうして黒龍族は差別されていたんだい?いくら闇魔法に精通していたからっておかしいじゃないか。」


 おいおい、本当にニュースを見てたのかよ。「国民達に圧力をかけていた貴族のクァーデン家による出鱈目な嘘」が原因だったの、ただただ広大なゴルフ場を造りたかったからって酷い話だと思わないか?


渚「確か・・・、それがこの前あった義弘の脱獄事件解決に尽力した際に黒龍族が人権(いや龍権と言うべきか)と言うか「1人ひとりが国民らしく生きる権利」を得たって話だよね。」

デカルト「そうなんです、その際我々と協力して事件解決の為に1番尽力したティアマットのヌラルさんが英雄として賞賛を得たそうですよ。」

渚「良い話じゃないか、ただそれで気になっていたんだけどあの子達の就職先はどうなったんだい?確かあんたや結愛ちゃんが協力して支援するって話だったろ?」


 突然だが話は義弘の死刑が執行された直後に遡る、激しい戦い(と言うよりハイラが自棄くそで出した『黒球ブラッディ・ボール』)によりボロボロとなってしまったネルパオン強制収容所の城門近くにて長い髪で海風を受けていた結愛にヌラルが声をかけた。


挿絵(By みてみん)


結愛(当時)「ふぅ・・・、やっと終わったか・・・。」


 生まれてからこの方、長年の間圧力をかけられ続けていたが故に血が繋がっていながらも肚の中では憎しみ続けていた父親との確執が終息した社長の表情は恍惚に満ちていた。


ヌラル(当時)「あの・・・、結愛・・・、さん・・・?」

結愛(当時)「何だよ今更、俺達はもう仲間(連れ)なんだから「結愛」で良いよ。」


 結愛の如何にも自分が大企業・貝塚財閥社長だとアピールせんばかりのスーツ姿を改めて見たヌラルは社長の堂々とした佇まいに少し緊張していた様だ、ただ出来れば先程の言葉でその緊張が少しでも解れてくればと思う。


ヌラル(当時)「わ・・・、悪い・・・。結愛みたいな凄い人と話すチャンスなんてなかなか無いと思うからかな、今更だけど上手く話せるか分からなくなってさ。」

結愛(当時)「さっきまでの勢いは何だったんだよ、共に戦った仲なんだから気にすんなって。それにお前には感謝してんだ、俺で良かったら何でも話せよ。」


 結愛の「俺で良かったら」という言葉すら自分には勿体ないと思ってしまったティアマット、ただこのチャンスを逃すと黒龍族全員の将来がどうなるかが不安だったので勇気を振り絞って相談する事に。


ヌラル(当時)「あのさ・・・、俺もそうなんだけどずっと周りから避けられて差別を受けていたから恥ずかしながら学校とか行った事無いし仕事をどうしたらいいのか分からなくてさ。誰に相談すれば良いか・・・、なぁ結愛、俺達はどうすれば良い?」

結愛(当時)「何だよ、そんな事かよ。学校なら貝塚学園うちに来れば良いし就職先も何とかしてやるよ、折角仲間になれたんだからそれ位協力させてくれよ。」


やはり貝塚財閥なしではこの世界では生きていけない

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