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271

ガルナス、落ち着け


-271 困った女子達-


 おにぎりとバランス栄養食を食べているにも関わらず未だに勢いが増していくばかりで母親を待とうとしない姪っ子に叔父が苦戦している中(いや高校生なら待つ事も覚えろよ)、「暴徒の鱗 ビル下店」では何故か口論になりかけていた。第3者である俺の目線からすれば原因は1つしか無いと思われるが、このままでは何となく先が思いやられる。ただ一刻も早くデルアに店へと戻ってきて欲しいと願ってしまったイャンダだった、しかし改めて確認する事でも無いのだが本日デルアは有給休暇なので店に来ることは無い。


イャンダ「好美ちゃん、確かに雇用契約書通りに好美ちゃんの食事はちゃんと用意しているつもりだよ?でも最近に至っては守君が作ってくれているんじゃ無いのかい?ほら、あの子料理上手だし趣味の1つだって言ってたじゃないか。」


 店長の言葉には説得力がある、しかし頬を膨らませていたオーナーも引き下がるつもりは無かった。


好美「だって、最近守早いんだもん。」


 つい先日から多くの雌豚達が子豚を沢山産みだしたので用意する餌の量が一気に増えて生産が追い付かず、致し方なくこれまでより早い時間に出勤する様になっていた。これに関しては店主のケデールも申し訳なく思っている様だが守自身は承知の上で行っているらしい、ただ(特に夜勤明けの)好美が不満がらなくても良い様にそれなりに料理を用意してから出勤していたみたいだったがやはりこの大食い娘が満足する事は無かった。やはりか・・・、呆れて物も言えないよ。


好美「何よ、夜勤明けの朝ごはんが美味しいのはあんたも知っているでしょ?」


挿絵(By みてみん)


 確かに夜に食べる少し豪華な食事も美味しいのだが、好美と同じ夜勤族である俺からすれば仕事後の朝ごはんの方がご馳走の様に思えて仕方が無かった。


イャンダ「だからって、これは食べ過ぎだよ。今自分の目の前に何杯分のお茶碗が積まれていると思っているのさ。」


 よく見なくても好美の目の前には店中のお茶碗が高々と積まれていた、でもこれって全部大盛り用の茶碗じゃね?いや・・・、丼じゃね?


イャンダ「余りにもお代わりの回数が多いから1杯の量を増やして極力回数を減らさないとね、他のお客さんにも対応しなきゃだし。」

好美「じゃあ何、私が迷惑を掛けているとでも言いたい訳?」


 どう見てもそうだろ、そうでないとこんな言い争いにはならないはずだぞ。


イャンダ「全く・・・、本当ここにガルナスちゃんやメラちゃんがいなくて助かったよ。」


 結局はオーナーに甘くなってしまう店長、変態のイャンダの事だから理由はきっと好美が可愛い女の子だからだと思うが彼氏持ちだという事を忘れるなよ?


イャンダ「分かってるよ・・・、はぁ~・・・。」

好美「分かったら良いのよ、ほら、おかわり。」

イャンダ「結構盛ってたのにもう食ったの?嘘だろ、新しく炊かなきゃな・・・。」


 さて、先程噂に出て来たもう1人の大食いであるガルナスなのだが母・光が弁当を届けるまでに叔父の持っていたバランス栄養食や父親に渡された大きなお握りを食べ尽くしてしまった様だ。相も変わらずの大食いっぷりに吸血鬼達は頭を悩ませていた、流石は育ち盛りと言いたいが食費について心配してしまう。まぁ、今に始まった事では無いのだが。


光「ほら、お弁当持って来たから早く行きなさい。」

ガルナス「あと2個だけ、あと2個だけお握り頂戴!!」

光「あんたね、自分が今まで何個食べたか分かってんの?お父さんが店用に炊いてるご飯を全部食べ尽くすつもり?」

ガルナス「ああ、それ私の夢だね。」

光「もう、しょうも無い事言って無いで早く行きなさい!!」


 いや光さん、どうやら本当に小学校と中学校の卒業文集にそう書いてるみたいです。


光「あの子ったら・・・、恥ずかしいったらありゃしないわ。そうだそうだ、デルア君ごめんね。来てすぐに面倒くさい事を押し付けちゃって。」

デルア「いえいえ、平和な朝だなと思ってたんで構いませんよ。」

光「それで?今日はどうしたの?ナルなら店の方に戻っちゃったよ?」

デルア「えっと・・・、俺って何で来たんでしたっけ。」

光「いや、私に聞かれても困るんだけど。」


多分でなくともガルナスの所為です

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