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甘酸っぱい恋は後にして頂きたいのだが
-254 親子喧嘩の先に-
ハイラによる先程の説得が利いたのか、どうやらハラルも学生時代を思い出してハイラに恋してしまった様だ。幸せになって欲しいと言う気持ちが無いと言えば嘘になるが、そのままだと行先は留置所だぞ?
デカルト「私が認めているんです、2人に何の罪もありません!!いくら作者でもそんな事言うのは駄目でしょうが!!」
すみません、駄目とは分かっていたんですが何となくイジらずにはいれなかった物で。話の進行に戻ります・・・。
国王の許可を得た2人はより一層魔力を強めて黒球を大きくした、ここまで行ってしまうともう元には戻れない。
ハイラ「まさかこれが2人での初めての共同作業になるとはね。」
ハラル「おいおい、くそデカい演出での告白のすぐ後にプロポーズを無しにして結婚式ってか、昔のお前に比べれば面白い冗談じゃねぇか。」
ハイラ「留置所で結婚式位は開いてくれると思うから良いんじゃない?」
ハラル「フッ・・・、そりゃ楽しみだ。」
死ぬ間際の様に冗談をかまし合う2人、きっと学生時代からずっとこうだったに違いない。そんな中、2人の魔力放出量は最大まで上がったらしく・・・。
ハラル「そろそろ行くか・・・。」
ハイラ「そう・・・、だね・・・。」
楽し気な話も終わったのか、巨大な黒球を義弘へとぶつける準備をし始めた2人。その間何故かずっと待っていた様で・・・。
義弘「お2人さん、話は終わったかな?そろそろ行くぞ!!この大賢者の魔力を思い知るが良い!!」
2人と義弘が同時に魔力を放出した、放たれた強大な黒球は互いを押し込み合った後強烈な音と共に大々的に爆発した。
デカルト「皆さん、私の後ろに逃げて!!」
爆発による強烈な光が辺りを眩く照らす、国王は牢獄にいた全員を守るために自らの体を張った。
爆発が止んでから数秒後、そこには悲惨な姿で倒れるコッカトリスが1体・・・。
希「デカルト・・・、デカルトぉー・・・!!」
目を開かないコッカトリスの頬に署長の涙が数滴・・・、すると・・・。
デカルト「馬鹿か、勝手に国王を殺すんじゃねぇ・・・。まだ・・・、お前と酒を吞んで無いのに・・・、死ねるかよ・・・。」
そう、傷だらけになったが命に別状はなかったのだ。
希「お前こそ馬鹿じゃないか、本当に死ぬかと思ったぞ。何より大切にしている国民を置いて行くだなんて国王失格になる様な事をするな。」
デカルト「ハハハ・・・、今の俺は国王じゃ無くてただのコッカトリスさ。これは俺が許可した結果だからな・・・、好美ちゃん、お願いがあるのですが・・・。」
デカルトがすぐ近くにいた好美に小声で何かをお願いすると、好美は守を連れて牢獄を外へと向かい走り出した。2人だけでは不安だと思った結愛も後からついて行った。
守「好美、デカルトさんは何て・・・?」
好美「「救護班を魔法班のいる場所へと向かわせて欲しい」ってさ、本当に最後の最後まで民思いなんだから。」
結愛「そうだな・・・、あのおっさんならやりかねねぇな・・・。」
久々に笑顔を見せた結愛、しかし本当の闘いはこれからだ。
3人が強制収容所の外に出ると先に現場に到着していた救護班が魔法班の治療を行っていた、その横で土埃に塗れながら義弘が再び現れた。
義弘「痛ぅ(つぅ)・・・、流石に今のは喰らっちまったな・・・。」
結愛「義弘・・・、俺は一生お前の事を許すつもりも無いし会社も渡さねぇ。俺にも国民を守る義務がある、そして大切な生徒達がいる。全力でお前の事を止めてやる!!」
義弘「馬鹿娘が面白い事を言う様になったな、良いだろう、かかって来い!!」
長年の親子喧嘩、遂に決着か