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253

落ち着けよ・・・。


-253 魔法で芽生えたの・・・?-


 リンガルスは義弘の魔の手からこの強制収容所を、いや世界を救いたいという気持ちでいっぱいだったので周りが良く見えていなかった。


リンガルス「以前もそうだった、こうなるなんて全く思って無かった私のミスだ!!」

希「言いたい事は分かる、ただお前にも大切な人がいるだろう!!お前が逮捕された時、残された人達はどうなるか分かっているのか!!」

リンガルス「希・・・、残念だが私はずっと独り者だ。私が罪を犯したとしても誰にも迷惑なんて掛からないよ、私は平気だからやらせてくれ!!」


 友を守るか、それとも世界を守るかという究極の選択を迫られる希。そんな中、リンガルスに戦闘行為を行わせる訳にはいかないと言い出した女性がまた1名。


女性「ハラル!!お願いだからやめて!!貴方を失いたくないの、代わりに私がやるからやめて!!」

リンガルス「どうして私のファーストネームを・・・、いや、今はそんな事どうでも良い。」


 女性の思いは届かなかった様で、リンガルスは義弘と同様に黒球を出現させた。しかし、どこかおかしい・・・。


希「ちょっと待てリンガルス、義弘の物に比べてお前のは一回り小さくないか?」

リンガルス「仕方ないだろ、今はこれが精一杯なんだ。こんなんでも数撃てば何とかなるだろう!!」


 どうやら強制収容所無いから抜けきっていない『魔術阻害』がリンガルスの魔法を邪魔している様だ、これではどう考えても義弘に勝てそうにない。そんなリンガルスに再び女性の声が。


女性「ほら、あの頃から殆ど休まずにいたから疲労が溜まっているんだよ!!お願いだから無理しないで!!」

リンガルス「だからどうして私のファーストネームや過去を知っているんだ・・・、ただこれは私がやらないといけないんだよ!!」

女性「覚えていないの?!私の事を、魔学校時代から一緒だった私の事を・・・!!離れ離れになって言えていなかったけど私はずっと・・・、ハラルが好きだったの!!お願い!!ハラルの事を守らせてよ!!」


挿絵(By みてみん)


 リンガルス改めハラルが声の方向を振り向くとそこにいたのは先程強大な魔力を放出させた黒髪のエルフ、強制収容所長のハイラだった(※ここからはリンガルスの事を「ハラル」と表記します)!!


希「ハイラさん!!お気持ちは分かります、でも戦闘行為は許されない事です!!貴女も分かっているでしょう、今すべきなのは防御に徹する事です!!」


 ハラルの隣で魔力を放出しようとするハイラの必死に掴んで引き止める希、ただその希を止めたのは友であるデカルトだった。


デカルト「待つんだ、のっち!!今ハラルさんやハイラさんがしようとしているのは正当防衛だ、ダンラルタ国王の名の下に私が許可しよう!!お2人、責任は私が取るので撃って下さい!!義弘を捕えるのです!!」

希「デカルト・・・、良いんだな・・・。」


 正当防衛とは言え、戦闘行為を許可した王はその座から降ろされかねないと言われている。ただデカルトはもう既に覚悟していた様だ。


デカルト「構わないさ、私は昔から王の座などどうでも良かったんだ。それに今何より大切にすべきはこの世界と国民だ、私の王の座位で済むのならいくらでも明け渡してやるさ。」

希「デカルト・・・。」


 友の思いの強さを知った希は国王の言葉に涙した、城門の側で未だに魔法班が防御魔法を使っているがそれで防ぎきれるかは分からない。それでも国王は選んだ、「何を犠牲にしても絶対に国民を守る」と。


デカルト「お2人、やっちゃって下さい!!」


 デカルトの指示で黒球を放とうとした2人、しかしそんな2人をノームが再び止めた。


ノーム「待って!!折角姉と再会出来た私はどうなるのよ!!リンガルス警部、貴方が一緒だからって私はこの「正当防衛」に賛成できない!!」

ハイラ「ノーム止めないで、私は良いの!!ハラルの隣にいるだけで幸せなの!!」

ハラル「私も同じです、これからの人生を賭けてハイラさんを守ります!!」


口説いてます?

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