248
やはり嫌な予感が・・・。
-248 能力-
夫の言葉を受けた結愛は顎に手を添えて考え込んでいた、まさかと思うが例の清掃班は研究生のストーカーだったのだろうか。
結愛「ガーガイ、1つ聞いて良いか?」
質問攻めをした後なので少し申し訳ないと思いながら声をかける結愛。
ガーガイ「改まった感じですけど、どうかされました?」
何となく中学高校時代によくある「進路相談」の様な雰囲気で声をかけられたので少し嫌な気持ちになりながら答えるガーガイ。
結愛「いや、大した事じゃ無いんだけどさ。」
他所を向いて人差し指で頬をかきながら会話を続ける結愛、まるで呑み会の後に気になった異性をお持ち帰りしようとしている奴みたいだ。
ガーガイ「何ですか、そんなに引っ張らないで良いじゃないですか。」
結愛、今の状況では誰もが「ガーガイが正論を言っている」と答えると思うから早く会話を進めた方が良いんじゃ無いのか?
結愛「分かってるよ・・・、いや1つ気になった気になった事があるんだけどさ。」
ガーガイ「だから何なんですか。」
結愛「ガーガイは例の清掃班と知り合いだったりするのか?」
本当に大した事の無い様な質問だ、しかし捜査を続ける上では必要不可欠だったのだろうか。
ガーガイ「いや、初対面でした。」
結愛「お前な・・・、「知らない人について行っちゃ駄目」って母ちゃんや小学校の先生に言われなかったのかよ。」
現実世界でもよく言われる事がまさかこの異世界で通じる様になるとは、やはりこの世界が本当に日本へと大分近づいている事を実感できる。
ガーガイ「すいません、「凄い事」と言われてつい・・・。」
ドMだからってそれなりの判断は出来ると思っていたんだが今更そんな事を言っても仕方が無い様な気がする。
結愛「取り敢えず知り合いでは無く全然知らない人物だったという事が分かっただけでも良いよ、守にコーラでも出して貰ってくれ。」
結愛は守の事を「何でも屋」みたいに言っているが、現時点で守の『アイテムボックス』には水ぐらいしか飲み物が入っていない。
結愛「守、「コーラあるよな」?」
守「ねぇよ、水しか持ってねぇって知ってるだろ?」
結愛「「あるよな」?」
何となく嫌な予感がした守、これは「無いなら買って来い」というサインだと捉えてしまったがこの離島には店が無いのでコーラなんて手に入らない。
一先ず守は「仕方ない」と思いながら『作成』でコーラを作った、最初からそうすれば良いのでは無いかと誰もが思ってしまうがまだそこまで能力を使いこなせていないと言える守を頼っても良いのだろうかと疑念を抱いてしまう転生者達。
好美「何よあんた、私の彼氏を悪く言わないでよ。」
いや、そんなつもりは無いんだけど事実じゃん?
結愛「俺達は今能力が使えなかったり制限されているんだぞ、藁にも縋りたいし猫の手も借りたいんだから勘弁してくれよ。」
まぁネクロマンサーのあんたが言うなら仕方が無いよな、それにしてもどうしてあんた達は能力を制限されているんだよ。と言うか何でさっきから少しずつエロくなってんだよ。
結愛「それが分かれば苦労しねぇよ、今だから能力のありがたみを知れるんだろうな。」
好美「そうよ、能力が使えたらすぐに貝塚義弘を確保出来てるはずだもん。」
そうか、警察が動かなくとも能力が使えれば・・・。




