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245

ソフトキャンディーはそこまで重要な品物だったのだろうか


-245 ソフトキャンディーと所長の魔力-


 ノームの疑問は思った以上に呆気なく解決してしまった、元々自分の姉や国王達の会話を盗み聞きするつもりはなかったのだが本人の近くで繰り広げられていた為に自然と耳に入っていた。

 ただ会話だけで理由が分かる訳が無い、実はと言うと再び我慢出来なくなっていたのか知らないがハイラの右手辺りに小さかったが黒い魔力の玉が出現しかけていたのだ。


ノーム「王様、恐れ入りますが少し姉と話しても宜しいでしょうか。」

デカルト「構いませんよ、折角再会されたご姉妹ですからゆっくりお話し下さい。」

ノーム「お心遣い感謝致します。」


 何となくだが国王の身に危険が及ぶと思ったノームはハイラとデカルトを引き離して牢獄の端へと連れて行った。


ハイラ「急にどうしたってのよ、王様に失礼じゃない。」


2人きりになった時、姉の右手から何故か黒い玉は消えていた。警部補の気のせいだったのだろうか。


ノーム「お姉ちゃん、また我慢出来なくなっているでしょ。」

ハイラ「バレちゃった?やっぱりエルフ(と言うか姉妹)同士だと分かっちゃう物なのね。」

ノーム「エルフとか関係無いわよ、右手に玉が出かけていたんだから一目瞭然よ。」


 ため息をつきながらポケットに手を入れて探し物をするノーム、これ以上姉の魔力の被害者を出す訳にはいかないと急いで「あれ」を取り出した。


ノーム「ほら、お爺ちゃんに渡しといてって言われたのよ。」


 やっと見つけ出したラムネ味のソフトキャンディーをハイラに手渡した妹、するとハイラは待ってましたと言わんばかりに封を開けて口に放り込んだ。しかも一気に4つ。


挿絵(By みてみん)


ノーム「お姉ちゃん、折角持って来たんだからゆっくりと味わってよ。」

ハイラ「ごめんごめん、でも誰にも我慢出来ない時ってあるじゃない。」


 本人自身が良い例なのか悪い例なのかどちらかが分からなくなっている姉の一言に説得力の強さを感じる警部補、ただ被害者(と言うより死者)が出るよりはましかと許容するしかなかった様で・・・。


ノーム「まぁ良いわ、でも本当にソフトキャンディーが好きなのね。」

ハイラ「そうなの、ポケットにこれが無いと落ち着かないのよ。もう家や車の鍵と同じレベル。」


 この例えが合っているかどうか悩んでしまったが、「よっぽど」という事だけは理解出来たノーム。

 そんな中、マイヤの家でこのソフトキャンディーを手渡された時の事を思い出していた。


ノーム(回想)「ソフトキャンディー?何でこんな物の為に呼び出したのよ、私が途中のお店に寄って買って行けば済む話じゃない。」


 正論だった警部補の台詞を受けたマイヤはすぐ傍にあった椅子にゆっくりと腰かけた。


マイヤ(回想)「お前がそう思っても仕方が無い、ただ昔ノームにした話の事を覚えてるか?」

ノーム(回想)「昔の話?何の事?」


 全くもってチンプンカンプンな様子の警部補、祖父は何が言いたかったのだろうか。


マイヤ(回想)「改めて聞こう、昔お前に「黒髪種」の話をした事があるのを覚えているか?」

ノーム(回想)「えっと・・・、確か「その魔力に触れると死ぬ」って噂になってたやつ?」

マイヤ(回想)「そうだ、今となってはその噂は無くなったが実はハイラがその「黒髪種」なんだよ。これは君の姉が産まれたばかりの事だ、病院でハイラを取り上げた看護師や医者を含めてそこにいた全員が途轍もない魔力を感じたので嫌な予感がした私は偶然側にいたメイスさんというアーク・ビショップに相談した。メイスさん本人は「心配ない」と言っていたが数か月経ってハイラ自身に黒い髪が生え始めたから家族全員が「死者が出るとまずい」と騒いでいたが幼稚園に入るまで何の問題も無かったし周りの友達も仲良くしてくれた。ただある日、幼稚園の一角でハイラ自身が魔力に目覚めた瞬間にそこにいて波動を感じた全員に翌日から避けられる様になったんだ。その事を聞いて流石に可哀想と思った私は頭に血が上りやすい性格だったハイラの魔力を可能な限り鎮めるためにソフトキャンディーを渡すようにしたんだ、それからは順調に友人も増えて何の問題も無かった。」

ノーム(回想)「・・・それで?このキャンディーを渡した本当の理由は?」

マイヤ(回想)「ハイラからの「おじいちゃんポイント」が欲しかったの。」


どてっ!!


おい学園長!!長々としたシリアスパートの後のオチが酷過ぎるぞ!!

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