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今は楽しんでいる場合じゃない事は分かっているよね・・・。
-237 十人・・・、いや十「龍」十色-
自分の所為で起こってしまった惨状を目の当たりにした巨大な魚龍は『人化』して所長や転生者達がいる牢獄へと入って来た、クォーツやエリューに似た女性の姿をしていたガーガイはため息をつきながらその場に座り込んでいた。
クォーツ「お前はバカかよ、少しだけ空気を読めば分かる話だろうが!!」
結構強めの拳骨を喰らわせる古龍、でもやはり性格が「あれ」だったので・・・。
ガーガイ「ああ・・・、クォーツ姉ちゃんの強めの拳骨と罵倒だなんてなんてご褒美なんだ・・・。何とか生き延びた実感が湧くぜ・・・。」
俺が言っても良いのか分からんがコイツ相当な馬鹿だな、よく貝塚学園大学に入学出来たな。まさかと思うがコイツが受けた試験が簡単すぎたのか?
結愛「お前な、失礼にも程があるぞ!!試験問題は毎年俺とリンガルス警部が厳選した資料を使って作ってんだ、馬鹿な事言ってんじゃねぇ!!元の世界みたいの「センター試験(共通一次試験)」みたいなのがないんだから苦労してんだぞ!!」
あ・・・、そうなの・・・。だったらガーガイが相当な実力持ちだったって事なのね。まぁそれは良いとして、一先ずそこにいるバハムートさんは転生者達に謝った方が良いんじゃ無いのか?魔法班が来るまでに『修復』しなおさないといけなくなっちまったんだからよ。
ガーガイ「副理事長先生に守さん・・・、本当にごめんなさい!!」
ゆっくりと時間をかけて城門に向けて『修復』の能力を使用する守と副理事長。
守「いや・・・、怪我がなかっただけましだよ・・・。なぁ、み・・・、光明?」
光明「守、こいつは怪我してもそんな素振りを見せない性格なのは一目瞭然だろう?ただ龍族ってまるで人間と変わらないんだな。」
ドラゴンだけに限らずこの世界の住民は人間と至って変わらない生活をしている事を改めて実感させられる転生者達、ただ今はどうしてガーガイがティアマットになってしまっていたのかを聞き出す必要があるんじゃねぇのか?
結愛「そうだったな・・・、確か学内での移動中にやられたって言ってたな?」
ガーガイ「そうなんです、確か2週間くらい前の話なんですけど・・・。」
結愛「ああ・・・、確か光明、こいつの出席率が急に悪くなったのも2週間前だったな?」
光明「うん、これはコピーだが担当教授が持って来た出席簿だ。」
内部の者が見る為のコピーだと思われる物を『アイテムボックス』から取り出す光明、でもそういうのって学園の敷地内で見るべきなんじゃ無いのか?
結愛「警察が動く大騒動なんだぞ、それも貝塚財閥の信用に関わる大事件だ!!んな事言ってる場合じゃないだろ、それにリンガルス警部は学内の者だから問題無いんだよ!!」
あの・・・、それがですね・・・、好美ががっつり見てますけど・・・。
結愛「何だって?!こら、子供が見て良いもんじゃねぇ!!」
好美「子供じゃないもん、マンションの大家さんだもん・・・。」
少しだけだが幼さを感じさせる見た目をしているからか、偶に子供と見間違われる事が多い好美。ただ結愛達と同級生なんだから一応訂正してやったらどうなんだ?
好美「そうだよ、訂正してよ。私だって「ピー(自主規制)」なんだから!!」
お前な!!いくら大人として見られたいからってちゃんと考えて発言しろ!!思わず「ピー」を入れちゃったわ、焦った・・・。
好美「何言ってんの、馬鹿なの?私は「ちゃんと働いている大人」だって言っただけだよ・・・。」
すんません、ちゃんと聞いてなかった俺が悪いです。後ほどビールをお好きなだけお買い上げ下さい。そ・・・、それより2週間前に何があったか聞かなきゃでしょ?
結愛「コイツ・・・、誤魔化しやがったな・・・。まぁ良い、ガーガイ、何があったか教えてくれるか?」
ガーガイ「えっとですね・・・、2週間前に学内を移動してたんです。その時に近くにいた人に手招きされたんですよ、それで・・・、何て言ってたかなぁ・・・。」
結愛「おいおい頼むよ、ちゃんと思い出してくれよ。どういうプレイだよ・・・。」
え・・・、社長もそっちなんですか?




