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233

落ち着けや、結愛


-233 何もかも万能な者なんているはずがない-


 この世の中「焦り」は禁物だ、貝塚学園に通う学生を理事長として救いたいと言う結愛の気持ちは分かるが世の中何が起こるか分からない。元義弘派閥の者が絡んでいるとなると尚更そう思ってしまうかも知れないが何かしらのアクションを起こす前に一呼吸置く事も大切なのではないかと俺個人は思う、ただどうやら多少だが近頃能力の使用が上手く行っていない好美は珍しく俺と同意見の様だ。まぁ、嬉しい様なそうでも無い様な・・・。


好美「馬鹿ね、この期に及んで何を言ってんのよ。こういう時こそ一番大事なのは落ち着く事じゃない、それに今回に至っては大空を飛び回るドラゴンだからそれなりにちゃんと狙いを定めないといけないと思うのよ。」


 はいはい・・・、ごもっともなご意見ありがとうございます(ケッ・・・)。


好美「何よ、最後余計な音が聞こえた気がしたけど。」


 気の所為ですって、それより早く『状態異常無効』を『付与』しないと大変な事になってしまうかもしれないですよ。


好美「分かってるって急かさないでいいじゃん、いったい誰の所為でこうなったと思ってんのよ。」


 いや、強いて言うなら俺ではなく脱獄した義弘本人と重岡だと思うが?


結愛「そうだぞ、元はと言うと俺のくそ親父と重岡の野郎が悪いんだから今はそいつは全くもって関係ねぇはずだろ。俺だって早く「コイツ」で・・・。」


 『アイテムボックス』から先程お出ましした鈍器(?)、昔ながらの肩掛け式電話を少し出しながらキリキリと歯を鳴らす結愛。だからそれは殴る為の物じゃないから!!と言うかこの世界でも暴力駄目!!戦闘行為はご法度だろうが!!


結愛「何言ってんだよ、この期に及んでそんな事言っている場合じゃないだろ。それより、好美!!頼むよ、俺の大切な学生を助けてくれ!!」


挿絵(By みてみん)


 少し後ずさりしながらも小窓から外を覗き込んでガーガイに狙いを定める好美、ただ先程からそのティアマットは全くもって動かずにいるので大丈夫だと思うのだが「念には念」という奴だろうか。


好美「あのガーガイさんに『状態異常無効』を『付与』っと・・・、あれ?」


 周囲の誰からも分かりやすい位に焦りだす好美、まさかと思いながら結愛は好美に質問してみる事に。


結愛「おい・・・、どうしたってんだよ!!頼むよ!!」

好美「何度もやろうとしてんのよ、でも出来ないの!!結愛以上に強大な魔力に防がれてて『付与』出来ない!!」

結愛「くっ・・・、くそ親父め・・・。今まで幽閉されていた分魔力をため込んでいやがったか・・・。」

リンガルス「畜生・・・、こうなる事ならあんな奴に魔法を教えるべきでは無かった。全部私の責任です、申し訳ございません!!」

好美「警部さん、今は頭を下げている場合じゃないでしょ!!それに誤った所で状況が変わる訳ではないじゃないですか!!」

リンガルス「確かに・・・、仰る通りです・・・。」


 自分の行動を何度も何度も悔いていたアーク・ワイズマンを横目に自分に出来る事は無いだろうかとずっと熟考していたエンシェント・サラマンダーは、現状を打破すべく神が故に出来る提案をする事に。


エリュー「なぁ・・・、良かったら俺の加護を好美ちゃんに与えても良いかな・・・。」


 流石は異世界だなと改めて思わせるその言葉に何故か開いた口が塞がらなくなっていたクォーツ、一体何があったと言うのだろうか。


クォーツ「お前・・・、今まで加護なんて誰にも与えた事無かっただろ!!」

エリュー「こんな事態になっちまったんだから仕方ねぇだろうが、ガキの頃からの大切な友人を助けて貰うのに抵抗なんかするかよ!!それに普段は俺が好美ちゃんの世話になっている方の身なんだぜ、これ位はさせろや!!」

クォーツ「そこまで言うなら分かったよ・・・、じゃあ早くしろって。」


 エリューに手招きされすぐ傍まで好美が近づくとエリューは好美の額に人差し指を充てて念じ始めた、すると指先が光り好美は体内に熱いものが流れ込んで来るのを感じていた。


確かクォーツは車に加護を与えてたな・・・。

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