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ビクターって何人(?)子供がいるんだよ・・・。
-226 まさかの龍-
空いた口が塞がらな転生者達を横目に「一柱の神」と称される古龍(いや女性)は懐からスマホを取り出して何処かへと連絡を始めた、やはりクォーツにとって父親が作り替えた世界は色々と便利な物になったのだと推測される。
クォーツ「もしもし?今大丈夫か?何だよ、いつもの「あの時間からは随分離れている」って?緊急事態なんだからお前だって協力してくれても良いじゃないかよ、偶にはそっちの方から顔を見せてやってくれても良だろうが。」
ゆっくりとため息をつきながら電話を切ってスマホを懐に入れなおす女神を見逃さなかった好美が一言、ただそう言った事は聞かない事が良いと思うんだが?
好美「あの・・・、何処にお電話をしていたんですか?」
確かに気にならないと言えば嘘になるが、正直言って女神にその様な事を聞いて良いのかは分からない。
クォーツ「ちょっと待ちなよ、もうすぐ来ると思うから分かると思うんだけど・・・。」
古龍は頬を掻きながら好美の質問へとそれなりに答える様にしていたらしい、しかし何となく裏がありそうな言い方に思えるのは俺だけなのか?
クォーツ「あんたは気にしすぎなんだよ、だから話が全然進まないんだろ?」
でもよ、二重に気になっちまうだろうがよ。さっきあんたが言っていた「近くに住んでいた妹」と「偶にはそっちの方から顔を見せろ」っていう言葉の意味がさ。
クォーツ「何だ・・・、全部聞こえていたのかよ。だったら仕方ねぇな、もうすぐ本人が来ると思うからちょっと待ってろ。」
暫くすると修理されたばかりである城門の向こうから全体に炎を纏った龍が現れた、その姿はどう考えても2人にとって知り合いにしか思えなかったので好美とクォーツは焦りの表情を見せなかった。好美に至っては見慣れた姿だからだろうと推測できたがクォーツに至っては何となく理解に苦しんだ気がした。
そんな中、古龍の呼びかけに応じた(?)上級火龍が女性の姿へと『人化』してその場に降り立った。どうやらクォーツと違って状況を知らなかったが故に服を着替えている余裕は無かった様だ(と言ってもここにいる龍達は『人化』していなかったら基本的に全裸なのだが)、どこからどう見ても部屋着と思われる半袖短パン姿。
女性「急に呼び出さないで下さいよ、折角の休日をゆったりと過ごしていたのに。」
クォーツ「まぁまぁそんなに怒るなって、唐揚げでも奢ってやるから勘弁してくれよ。」
そう言ってクォーツが宥めた相手を(興味本位で)よく見て無る、好美はその「女性」の姿を見てすぐ傍に倒れてしまった。
女性「大丈夫?と言うかこんな所でオーナーと会うなんて思って無かったんだけど。」
好美「これはこっちの台詞よ、あんた(サラマンダー)も休日は人と同じ生活をしているのね。」
クォーツ「まぁ良い、誰か今持っている事件の写真を渡すんだ!!」
おいおい、その前に誰がこの場に来たのかを好美以外の面々に教えてくれんかね?ただ「オーナー」?「サラマンダー」?何となく身に覚えがあるな・・・。
好美「あの・・・、妹さんはいつ来られるんですかね?」
クォーツ「仕方ねぇか、そろそろ俺達の事を言ってもおかしくない様だぜ。」
「一柱の神」の言葉をしっかり受け入れたので一息ついた女性は魔法で即席の衣服へと着替えていた、ただ休日という事実が本人から全くもって抜けていなかったらしく・・・。
クォーツ「お前な、相も変わらずジャージなんだな。服買えって700年前からずっと言っているだろう?」
好美「あれ?ちょっと待ってよ、あんた501歳って言ってたじゃない!!」
おい、3人だけで話を進めるという放置プレイを楽しんでじゃねぇ!!何となく察しはついたが誰が来たかを言わんかい!!
クォーツ「お前な、若く見られたいからって昔言ってたけど2000歳も鯖読むな!!仕方ねぇ、俺から言うわ。ここにいるエリューはただのサラマンダーじゃなくて本当は火災古龍であって、俺の腹違いの妹なんだよ。社会勉強の為に人間の前では他人のフリをしろって言ったのが仇になったな・・・。」
流石はドラゴン、桁が違う・・・




