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やはりこの出来事に慣れる住民はなかなかいないわな・・・。
-224 性格と見た目-
好美達はこの情景に見慣れていた為に平気な顔をしてはいたのだが、強制収容所側の者達は驚きを隠せずにいた。特にハイラに至っては長年生きていたにも関わらず、空から女性が降り立つとは思わなかったので開いた口が塞がらない状態でいた。
ハイラ「こんな事があり得るんですか、205年は生きていますがこんな事初めてですよ。」
本来人里離れたダンラルタ王国の山奥にある小さな村で農業をしながらゆったりと過ごしていたエルフ達にとってこちら側で起こる事は初めての事が少なく無かった様だ、特に「空を飛ぶ女性」の存在に至っては全く持って聞いた事も無かったのでびっくりしても仕方が無い。
好美「えっと・・・、「一柱の神」については聞いた事がありますか?」
ハイラ「確か幼少の頃ですが祖父から寝る前の昔話の様にほんの少しだけ聞かされた記憶があります、でも正直言って半信半疑だった上にここでの仕事が忙しすぎて他の事に目を向ける事が出来ていなかったんですよ。あの・・・、それがどうしたんです?」
好美「あのですね・・・、今私達の目の前にいるこちらのお方が・・・。」
頭を掻きながら答えようとする好美の言葉を遮ったのは話題に上がっている例の女性だった、正直今の雰囲気で誰がいるのかの察しがついていたのではないかと思われたが。
女性「何だよ・・・、俺って有名人じゃないかっててっきり思っていたのに違うのか?」
好美「有名人って・・・、貴女の事を記載している本には今と違って古龍姿での写真しか載っていないので仕方が無いですよ。」
好美の言葉に自分の耳を疑うハイラ、形からして多人種より聴力に関しては勝ると思っていたのだが?
ハイラ「あの好美さん・・・、今「古龍」って仰いました?」
好美「はい、確かに言いましたけど。」
女性「何だよ、回りくどい事しないで俺の事をはっきりと紹介しろってんだよ。」
好美「恐れ入りますが原因を作ったのはクォーツ神様かと、見慣れていない方々の前にそのお姿で出てきたから驚かれても仕方が無いですって。」
クォーツ「仕方ねぇだろ、直したばかりの城門を壊す訳にもいかないだろうがよ。」
登場するタイミングを伺っていた為に強制収容所での一部始終を見ていたらしく、転生者達がやっとの思いで城門を直した事を知っていた様だ。というか状況を知っているんだったら早く出て来いっての。
クォーツ「仕方ねぇだろ、面接に行ってたんだからよ。」
面接だと?そう言えば珍しくスーツ着てんな、まさか城門での仕事をクビになったか?
クォーツ「お前会う度に失礼な奴だな、そろそろ罰の1つでも当てるぞ!!」
まぁ待て、今は言い争いしている場合じゃ無いだろうがよ・・・、ってあれ?クォーツ神って髪黒かったか?
結愛「てめぇ、作者の癖に間違えてんじゃねぇ!!俺は兎も角神様に失礼だろうがよ。」
光明「え・・・、そうなの?」
結愛「お・・・、おい光明!!お前もか!!」
どうやら今の今まで「一柱の神」と妻を間違えていた副社長、黙っていればバレなかったのにこれは大きな墓穴を掘ってしまった様だ。
クォーツ「まぁ良い、もう慣れた事だから気にしないでおくがこれからはよく見る事だな。」
ふぅ・・・、これで一件落着だな(違う)。一先ず話を進めるぞ、・・・ってあれ?ハイラさん?
ハイラ「・・・。」
好美「ちょっと、大丈夫ですか?!守、お水出して!!」
急ぎ『アイテムボックス』から水の入ったペットボトルを取り出してハイラに飲ませた守、懸命な救護のお陰ですぐに目を覚ました様だが神の姿を見てまた倒れ込んでしまったので好美は必死になって起こそうとした。
好美「ちょっと!!どうかされました?!」
ハイラ「嘘でしょ・・・、やっぱり結愛さんが2人もいるぅ~・・・。」
クォーツ「お前もか!!」
誰も悪くないと思うんだけどな・・・。




