222
禍々しい魔力はホコリと同等なのだろうか
-222 義弘の協力者-
大企業の社長とバルファイ王国警察の警部はとんでもない位の禍々しさを誇る魔力にかなりビビっていた、ただこの世界でこれ程の魔力を持つ人物など1人も思いつかないので足し方無いように思われたが強制収容所の所長は至って冷静だった。
ハイラ「やはりお2人も感じますか、私も200年生きていますがこれほど強大な魔力は初めてですよ。」
リンガルス「しょちょ・・・、いやハイラさん。これってもしかして・・・。
ハイラ「はい、多分警部さんが思った通りだと私も思うんですよ。」
結愛「ハイラさん、一応お伺い致しますけど幻獣について詳しく書いてある資料なんて無いですよね?」
すぐ傍にいた守達は正直言って訳が分からなくなっていた、どうして結愛は「幻獣」などという言葉を口にしたのだろうか。
結愛「あんたな、作者なのに分かってねぇのかよ。この魔力はどう考えても「あれ」だろうがよ。」
いやいや、俺はその場にいる訳じゃ無い上にあんたの様に強大な魔力を持っている訳じゃ無いからどうも言えないだろうがよ。と言うか今の状況を把握しきっているのはアーク・エルフのハイラとネクロマンサーのあんただけなんだから皆に分かる様に説明してやれよ。
結愛「あんたがそう言うなら仕方ないな・・・、好美はこの監視カメラにこめられた魔力が何か分かるか?」
好美「いや結愛やリンガルス警部が持ってる魔力よりは強大なのは分かるけどそれ以外は・・・。」
守「でも物凄くどす黒い何かを感じる気がするんだけど。」
結愛「うん、そこまで分かっていたら十分だ。言っておくがここにいる光明も分かっていないんだからな。」
最後の(余計な?)一言にムッとしながら反応した光明、流石に結愛の夫としてただの転生者のままでいる訳にはいかないと思っていた事があったらしい。
光明「おい結愛、いくらお前が言ったからって今の言葉は聞き逃しが出来ないぞ。訂正しろ。」
結愛「どうして訂正しろってんだよ、事実だろうがよ。」
光明「これを見てもそんな台詞が吐けるのかよ。」
光明は懐から自分の冒険者カードを取り出して結愛に押し付けた、結愛はおずおずとしながら旦那にが出して来たカードをじっくりと見てみた。
結愛「えっと・・・、どれどれ・・・。おい光明、お前どうなってんだよ!!いつの間にバニティになんてなってんだよ!!」
光明「実はリンガルス警部に修業を付けて貰ったんだよ、結愛が会社にいない間にちょこちょこな。お陰でお前程じゃないけど魔力は強くなったぜ。」
結愛「光明・・・、お前・・・。見直したぜ、流石俺の旦那だ!!」
目に涙を浮かべた社長は旦那に抱き着いていた、ただ今はそれ所じゃないと思うのだが。
光明「ま・・・、待てよ・・・。それより今は監視カメラだろ、この強大な魔力の正体はまさかと思うけど・・・。」
結愛「お前も分かるのか、流石バニティだな。」
結愛は所長に新しく淹れて貰ったアイスティーを1口啜って落ち着きながら答えた、好美とムクル以外は魔力の正体を理解している様だ。
結愛「でもハイラさん、今までこの強制収容所でこんな事はあったんですか?」
ハイラ「私だって初めてですよ、何とかして欲しいのは私のセリフです。」
そこにいた全員が焦っていた、その理由は至ってシンプルであった。
ハイラ「これは・・・、どう考えてもティアマットの魔力じゃないですか。この世界にいるとは思えないんですけど!!」
リンガルス「こ・・・、これがティアマット・・・。」
初めて聞く言葉に開いた口が塞がらない好美。
好美「ねぇ、ティアマットって?」
ハイラ「魔獣図鑑をお持ちします、少々お待ちを!!」
ほへ?




