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夜勤族の妄想物語4 -7.異世界ほのぼの日記3~今カノと死に別れたので元カノと同棲生活を始めます~-  作者: 佐行 院


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221

頭がチンプンカンプンになりそうだったが恋人達は冷静だった


-221 中身-


 転生者達は訳が分からなくなっていた、「金庫がいじけて出て来なくなる」とはどういう事なのか。確かに「何でもありの世界」ではあるが先程ハイラが自らの手で金庫を取り出していた場面をそこにいた全員が目視していたので副所長の言葉が不審に思えて仕方が無かった、しかし転生者達の疑問はすぐに解決された。


女性「何よ、開けるか開けないかハッキリしなさいよ。」

ハイラ「ごめんなさい、もうすぐ開けるから許して頂けませんか?」

女性「あんた前もそう言ってなかなか開けなかったじゃ無いの、もう帰りたいんだけど早くしてくれる?」

ハイラ「分かりましたから、もう少しだけお待ち頂けませんか?」


挿絵(By みてみん)


 これがデジャヴという奴だろうか、恋人達は以前にもこんな事を経験した気がした。


好美「嘘でしょ、この世界って・・・。」

守「金庫も喋るってのか?」


 守達の会話が耳に入ったのか、女性の声がより一層イラついていた気がした。


女性「何よあんた達、金庫が意志を持っちゃいけないっての?それに初対面なのに挨拶もない訳?礼儀がなっていないのかしら?」


 正直言ってこちら側サイドもイラっとしてきたが今は言い争いなどしたくはない、一旦深呼吸をして心を落ち着かせた恋人達は改まった様に金庫に向かって挨拶をする事に。


守「お初にお目に掛かります、俺は宝田 守です。こっちは彼女の好美、俺達貝塚義弘の事件の事でここに来てまして。」

好美「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。」

金庫「ふふふ、分かったら良いのよ。意外に素直な子達じゃ無いの、まさかこんな所でいちゃつく恋人達がいるとは思わなかったけど私はそういうの好きよ。改めて私は金庫のコイム、偉そうな事言ってごめんなさいね。」


 金庫自体は未だに壁側を見ているみたいだがこちらに笑いかけてくれている気がした好美、一先ず気になる質問を副所長にぶつけてみる事に。


好美「でもどうして金庫が意志を持っているんですか?」

ムクル「セキュリティ対策ですよ、いざとなった時に自分で逃げ回って貰えたらと思った所長が魔法でこうしたみたいです。」


 何となく強力な魔力を持つアーク・エルフが考えそうなアイデアだ、特に可愛い物が好きそうなハイラの正確だったら尚更だなとそこにいた全員が思っていた。

 そんな中、金庫(改めコイム)から鍵が開いた音がした。ハイラ自身が機械音痴だからかは分からないが苦戦していた様なので結構な時間が掛かった様だ。


ハイラ「すみません、皆さんお待たせしました。」


 ハイラがコイムの蓋をゆっくりと開けると恋人達と光明は一斉に中を覗き込んだ、そこには元の世界にもあった様な至って普通の監視カメラが入っていた。


守「見た感じはただの監視カメラですね・・・。」

光明「でも何でこんなに厳重に管理していたんですか?それに以前の委託会社はどうなったんです?」

ハイラ「実は以前まで委託していた会社自体がもう既に無くなっていた様なんです、事件後すぐに監視カメラの回収をお願いしようとしたんですが連絡が付かなくなって。それで皆さんより先に来られていたダンラルタ警察の方々に外して頂いたんですが。」

リンガルス「それなら私もプニから聞いていますよ、確か念の為に魔術専門の鑑識担当に取り外しをお願いしたのが功を奏したとの事です。実は私も詳しくは聞いていないのですが厳重に管理しているという事だけは知っていました。、これで理由が明らかになります。」


 こう言いながらリンガルスは中を覗こうとしたがすぐに顔を離して結愛を呼び出した、何かあったのだろうか。


リンガルス「社長、これはまずい事になったかも知れません。宜しければこちらにお越し頂けますか?」


 結愛以上の強大な魔力の持ち主であるリンガルスが言う位だ、よっぽどの事態が起こった可能性があると思いながら結愛もコイムの中を覗き込もうとした。


結愛「ぐっ・・・、何ですかこの強大で禍々しい魔力の塊は!!」

リンガルス「やはり社長も感じますか、私も警部になってから初めてなんですよ。」


何となく異世界らしくなって来たね

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