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219

もうすぐハイラお楽しみの「ハンバーグ」の時間なのだが・・・


-219 夜勤明けの人物が握る重要な情報(?)-


 ハイラの案内で転生者達は一旦義弘のいた牢獄を離れて所長室から程近い所内の事務室へと向かった、事務室と言っても監視カメラの映像の確認等を行う事がメインなので至ってシンプルな作りとなっていた。後は牢獄を中心に各部屋の鍵が厳重に管理されている位の様だが大抵この部屋で仕事をしている所員は面会者の受け入れやモニターとのにらめっこをしている事が多いのでこれ位で十分なのだと言う、強いて言うなら水分補給の為の冷蔵庫がちょこんと置かれている様だ(ハイラは個人的に自分が淹れた紅茶を飲んで欲しい様なので納得いってないみたいだが)。

 全員が事務室に到着した頃、時刻は午前11:30になろうとしていた。ただその部屋に入った時、所長はある異変に気付いたので底にいた係員に声をかけてみる事にした。


ハイラ「おはようございます、かなり眠そうですが昨日は遅かったんですか?」

係員「ああ所長、おはようございます。自分は今日夜勤だったんで本当はもう帰れるんですが交代するはずだった早番の奴がなかなか来ないので引継ぎが出来ないので仕方なくここにいるんですよ。」

ハイラ「そうでしたか、確か出勤は22:00からでしたよね?それからずっとですか?」

係員「そうですね、一応1時間の休憩を挟みましたのでもうかれこれ残業が4時間以上になろうとしている所です。」

ハイラ「確か夜勤は2名で行っていたはずですけどもうお一方はどうされたんですか?」

係員「用事があるとかで先に帰りました、定時での上がりだったと思います。」

ハイラ「分かりました、今日はもう良いですので上がって下さい。お体は大丈夫ですか?」

係員「お心遣いありがとうございます。問題ありませんよ、次の出勤は明後日の遅番なので今夜はゆっくり寝れそうですから。ただ・・・、ここはどうされるんです?遅番の奴が来るまで誰もいない状態ですが。」

ハイラ「私が代わりに見ておきますからご心配なく。あ、そうだ・・・。」


 何かを思い出したかのように制服のポケットをごそごそし始めた所長、それを見て何か嫌な書類でも渡されるのかと思った係員は少し表情が硬くなっていた。まぁ、俺からすれば他にも理由があったと思うのだが。


ハイラ「どうしたんですか、ただこれをお渡ししようと思っただけですよ。」


 ハイラのポケットから出て来た物を見て係員は硬くなっていた表情を少し柔らかくした、よく見てみるとそこにあったのは「あの大好物」であった。


挿絵(By みてみん)


係員「ありがとうございます、丁度甘い物が欲しかったんですよ。でも良いんですか?いつも頂いてばかりで何処か悪い気がして来たんですが。」

ハイラ「良いんですよ、好きでやっている事ですから。私もこのソフトキャンディーが好きですし、個包装になっているので色んな方々シェア出来て楽しいじゃないですか。」


 どうやら所長が副所長にやたらとソフトキャンディーを要求していたのただ自分だけで楽しむ為では無くこの様な理由があった様だ、目の前のエルフが所長として所員達に慕われているのも納得がいく。

 転生者達と一緒に手を振りながら係員を見送ったハイラは改めて監視カメラの映像を管理する大型モニターの前に座り込んで所長含めた数人の所員しか知らない暗証番号を手元にあるキーボードで打ち込んだ、すると今現在の監視カメラの映像と日付上で義弘の脱獄が発覚する前日の映像が並んで映っていた。ただ何処からどう見ても義弘の姿は映っていない、ずっと女性の姿ばかりが映りこんでいた。


好美「ハイラさん、これ何処の映像なんですか?」


 モニターには目をくれずにずっとキーボードを凝視していたハイラは慌てた様に大型モニターを見た、一瞬にして顔を赤くした所長は慌ててキーボードでの入力をし直していた。


ハイラ「すみません、所内にある女性用のトレーニングジムのカメラでした。私本当は機械音痴なんで殆ど自分では操作しないんですよ。」

守「慌てなくても構いませんから・・・、ね?」


 優しい様な、それともただ圧を掛けられている様な気持ちにさせる言葉だったが今事務所にいる面子でこの機械を操作できるのはハイラだけなので本人を頼るしか無かったから仕方が無かった。改めて深呼吸をしたエルフは機械の操作を正確にやり直した、やはり一番大事なのは「落ち着く」事なのだろうか。

 モニター上に義弘のいた牢獄の映像が映し出されるとそこにいた全員は息を飲みながら凝視していた、過去の映像では中心で義弘が体育座りで刑を受けている様子が映し出されていたが何となく違和感があった。


結愛「なぁ光明、画面の「アイツ」全然動かなくね?」

守「奴がその場で長い間じっとしている様な性格だとは思えないし。」

光明「やっぱり2人もそう思ったか、どうやら俺の嫌な予感が当たったっぽいな・・・。」

好美「何よ3人だけで、私を仲間外れにしないでくれる?」


好美さん、こればかりは仕方が無いんです

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