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やはり2人も大人ですからね・・・。
-167 楽しんだ深夜から朝食まで-
散々ビールを楽しんだ後、好美達は1晩の間じっくりと恋人達の時間を楽しんだ。流石にここに介入しては色々と問題があると思われるので俺は知らないフリをする事にした、我ながら懸命な判断と言えるだろう。
翌朝、好美達の客室に内線によるモーニングコールがあった。一般的な視点で考えるとするならすぐに内線を切って起き上がるのだがこの旅館はモーニングコールの時に朝ごはんの希望を尋ねられる事になっていた。
好美「ハァ・・・、ハァ・・・、おはよう・・・、ございます・・・。もう・・・、こんな・・・、時間・・・、なんですか・・・?」
ベルディ(内線)「お・・・、おはようございます・・・。聞いてはいけない事だと思うのですがどうしてそんなに息切れしておられるのですか?」
好美「聞かないで・・・、下さい・・・。ちょっと楽しんだだけなので・・・。」
お前らな、結構お楽しみだった様だが寝不足は健康への影響が大きいんだぞ。今日もこれから旅行の続きに出掛けるんだろ?ちゃんと寝たのかよ・・・。
好美「寝てない・・・、かな・・・。守のお陰(?)で。」
守「何言ってんだよ・・・、好美のお陰(?)・・・、だろ・・・?」
ベルディ(内線)「あの・・・、かなりお楽しみだったと思われますが内線を繋いだままイチャイチャするのはやめて頂けますか?私自信、ネイアとご無沙汰ですので・・・。」
旅館の仕事により溜まった疲労や深夜までかかってしまう事務作業で毎晩すぐ眠りに落ちてしまう番頭と女将はなかなか2人の時間を過ごす事が出来なかったという、「これはきっと「あの人」の出番なんだろうな」と恋人達は一先ず軽く流した。
それはさておき・・・、お前らいい加減そろそろ服着ろや!!いつまで夜の気分でおるつもりじゃ!!
好美「今から着ようとしょったんじゃ、というか何気に我がらの状態がどうなっとるかを言わんとってくれる?」
何で急にお前も阿波弁になるんじゃ、まさか我がのせいか?
好美「ほれ以外に何があるって言うんじゃ、ほれにたまに話しとかんと忘れてまうじゃろうが!!」
ほう言うなら・・・、標準語に戻すか・・・。それで?番頭さんをずっとほったらかしにしてるけど良いのか?
好美「えっ?!嘘でしょ!!」
ベルディ(内線)「好美さん・・・、これは斬新な放置プレイですか?」
好美「いや・・・、そんなつもりは無いんですけど・・・。」
電話の向こうで何とか冷静さを保っていた番頭は自分が電話をかけた本来の目的を思い出して遂行しようとした。
ベルディ(内線)「それはそうと好美さん、朝ごはんはどうされますか?」
好美「えっ・・・、朝ごはんですか?」
この旅館では1階にある大広間でのビュッフェスタイルの朝食か客室での食事を選べる様になっていた、ただ大半の客は前者を選択していた。
ベルディ(内線)「好美さん達の宿泊プランには朝食の料金も含まれておりますがどうされますか?」
恋人達はずっと客室に籠りっきりになるのも嫌だなと思いつつ一応相談の場を設けた、その結果は勿論・・・。
守「ビュッフェでお願いします、その方が好きな組み合わせで楽しめると思ったので。」
ベルディ(内線)「仰る通りです、お時間の許す限りごゆっくりとお楽しみください。」
長々とした内線を切った2人はいそいそと着衣した後に1階の大広間へと向かった、炊き立ての白米や焼きたてのパンを中心とした朝ごはんならではといった面々の良い香りが辺りを包んでいた。
好美「何食べようか、私は洋食の気分だからパンにしようかな・・・。サラダとスープを一緒に摂ったら豪華だよね。」
守「やっぱり俺は和食だな、白飯と味噌汁は外したくないからな・・・。」
景色の良い大広間で2人は自分好みの朝食を組み合わせていた。
腹減って来たな・・・。