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ここは・・・、沖縄ですか?


-149 ここは異世界のはずなのだが-


 土産物屋で好美達はありったけのちんすこう、紅芋タルト、そしてサーターアンダギーの素を買い尽くした(完全に沖縄じゃねぇか)、好美の事だから「暴徒の鱗」や「コノミーマート(相変わらずセンスの無いネーミングだな)」の商品として売る為の仕入れでもしているのでは無いかと思われたが別の可能性を示唆している人物がいた。この日はお客自体が少ないと見込んでいた為、多くの従業員を休みにしていたので偶然レジを打っていたこの店の店長だった。


店長「あの・・・、誠に失礼である事を承知の上でお伺いするのですが、まさか最近はやりの「転売ヤー」とかいうやつですか?」


 1年程前からこの世界でも店で買い込んだ商品をネットのフリマサイトやオークションサイトで高値で売り捌くと言う行為が目立っていた様だ、確かに1度に多くの商品を買い込んでいたら疑われても仕方が無い。


好美「いえ、実は知り合いに大食いのハーフ・ヴァンパイアとマーメイドがいるんです。」


 俺としてもあまりに信じがたい話だったがこの世界での事実なので仕方が無い、料理上手の姉を持つメラは兎も角、ガルナスに至っては完璧に母親(光)からの遺伝と言っても過言では無い。多分だが吸血鬼として血を吸う事が無くなった分大量に食事を摂取する様になったのだろう(特に白米)、2人がそんな事を考えていると店長はとある方向を指差していた。


挿絵(By みてみん)


店長「もしかして・・・、ガルナスさんとメラさんの事ですか?」


 何故店長が2人の名前を知っているのかと疑問に思いながら2人は店長の指差した方向へと視線を向けた、その先には小さなテレビが1台。


店長「貝塚学園の生徒対抗で行われている大食い大会を見ていたんですよ、ペア部門に私の娘も出ているんですがお2人が圧倒的に強かったんで見入っちゃいましてね。」


 どうやら都合がつかずに生徒の様子を見に行ったり応援しに行くことが出来ない保護者の為に校内で行われるイベントを中心としてテレビ放送を行っている様だ、それにしてもアイツは何ていうイベントを主催しているんだよ・・・。


好美「ハハハ・・・、だったら説明する必要無いみたいですね。」

守「こちらとしては手間が省けて良かったです・・・。」


 会計を済ませて店を後にした2人は大きなビニール袋を両手いっぱいに持ってカペンの方へと向かった、そう言えばコイツって「好きなだけ喋らせて貰う」って言っておきながら移動中はほぼ無言だった様な・・・。


カペン「しゃあないでっしゃろ、こんな暑さは日本でも経験せんかったんですから。」


 一応オープンカーの状態から元にもどしてはいたものの、室内温度の急激な上昇を防ぐ為にほんの少しだが窓を透かしていたのにも関わらずにこんな事をほざいてやがる。何て我儘な人・・・、いや車なんだ全く・・・。


カペン「何言ってまんねん、車内と社外は別物って考えてもらわな困りますわ!!それよりお2人さん、そないにようけ買われてもワイは軽やさかいに載せれまへんで。」


 おいおい、今まで自分が何処にいたのか忘れたのかよ。


守「大丈夫だよ、『アイテムボックス』に入れておくから安心しなって。」

カペン「良かったですわ、こんなくそ暑い中で重い荷物運ぶのって正に拷問ですんでね。」


 だったら炎天下での仕事に携わる工事用車両はどうなるんだよとツッコミたくなった2人、しかしこの暑さでそんな気はすっかり失せてしまった様だ。


好美「かき氷とかいっぱい食べたのにもう暑くなって来ちゃった。」

守「こんなに暑いんだから仕方ないよ、と言うか何で結愛達はずっと長袖なんだ?」


 「社長らしく振舞う為に」と本人は答えると思われるが、正直な気持ちを聞きたいのは俺の方である。夏期のクールビズも勧められている世の中だと言うのにこの暑さの下で上下共に長袖と長パンツはハッキリ言って自殺行為だ、俺は決して真似できない。


好美「取り敢えず次も涼しくなる所に行こうよ、このままじゃ死んじゃうよ。」

守「そうだな・・・、一先ず水分補給できるような物を買いに行こうか。」


 一応転生者達は不老不死だが、今はそんな事言っている場合では無い。


兎に角暑いんだよ!!

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