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夜勤族の妄想物語4 -7.異世界ほのぼの日記3~今カノと死に別れたので元カノと同棲生活を始めます~-  作者: 佐行 院


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142/677

142

貝塚財閥は観光地では・・・、無い・・・。


-142 ほぼ正確な腹時計と空腹-


 特に用事も無いのでぶしつけに中に入るのは良くないと判断した恋人達は急ぎカペンに乗り込んで出発した、それからはずっと平らでまっすぐなストレートの道が続いていたので殆ど代わり映えのしない風景に2人は少し飽きて来ていた。

 そんな中、助手席から好美の腹の虫の音が聞こえて来た。


音「ぐぅ~・・・。」


 時刻は大体12:45位だっただろうか、どうやら好美の腹時計はテレビ等で使用される電波時計より正確の様だ(飽くまで推測での話なんだが)。


好美「あんたね、いくら推測だからってちょっと失礼なんじゃない?ねぇ、守。」


挿絵(By みてみん)


 助手席でちょこちょこと何かを摘まんでいる好美の問いかけに全く反応を示さない守、まさかと思うが俺と同じ事を考えていたんじゃ無いだろうな。


守「な・・・、何言ってんだよ。そんな訳無いだろ、何処かに良い店無いかなって周辺を探してただけだよ。」


 おいおい、そんなに慌てる事無いだろうがよ。え・・・、マジで俺と同じ事思ってたの?!正直に言ってみろよ、な?


守「あ・・・、アホかお前は!!女の子が腹の虫を鳴らすわ・・・。」


 顔を赤らめる恋人の隣から再び「あの音」が・・・。


音「ぐぅ~・・・。」


 時計を見ると時刻は丁度13:00になったばかりであった、やっぱり俺が言った通り好美の腹時計は正確じゃねぇか。なぁなぁ、正直な気持ちを吐いちまいなよ。


好美「負けた・・・、はいはい私の負けです。お腹空きました。」


 少し納得いかない様子の好美の言葉を待っていたかの様に2人の目にある店が飛び込んで来た、その店は店内での飲食は勿論の事、テイクアウトやドライブスルー等の設備があるので各々の目的や状況に応じて利用する事が出来る様だ。何となくだが他に店が見つかりそうもない上に尋常ではない位の空腹に襲われていた2人は駐車場にカペンを止めて店へと近づいた、と言うかお前ら食えれば何でも良いと思って無いか?!


好美「良いじゃないのよ、逆に聞くけどこの辺りって何か名物でもあったりする訳?」


 そう言われると・・・、お答え致しかねますね・・・、何かすんません・・・。


守「ずっと運転して疲れてるし、兎に角何か腹に入れたいんだよ。」


 そうっすか・・・、まぁお2人のご旅行なんでご自由にどうぞ。一先ず俺は話を進めますかね・・・。

 美味そうな匂いに誘われた2人が全体的にガラス張りで透けている店の中を覗いてみると、そこにあったのは日本でもよく見る光景だった。


好美「牛・・・、丼屋・・・、だね・・・。」

守「でも何で透けているんだろ・・・。」


 これは後で分かった事なんだがこの店は数か月前から肉牛の放牧に着手し始めたバラライ牧場が直営する店らしく、「牛達と同様に解放的になった気分で食事を楽しんで欲しい」という店主(女将のマムイ)なりの配慮だった様だ。

 ただ悪質な客達による「カスタマーハラスメント」が問題視される昨今(2024年5月現在)で重要視されているプライバシーもクソも無いと思ってしまうのは俺だけだろうか(飲食店で「クソ」とか言ってスンマセン)、しかし透けていたのは客席のある空間だけらしく、従業員の控室兼事務所となっている部屋にはしっかりとした外壁があった(これなら安心)。

 そんな中、好美達は店から少し離れた場所にある看板に目をやった。


好美「す・・・、「透け家」・・・、これ何となくギリギリだね・・・。」

守「本当・・・、色んな意味でギリギリアウトかセーフの境目だな・・・。」


 引き笑いしながら客席へと座った好美は水を受け取り早速メニューを見て注文した。


好美「私は昼だから腹八分目にしとこ・・・、これ下さい。」


 空腹の程度から好美が絶対「腹八分目」で抑えるのがあり得ないと思うのは俺だけ?


気のせいであって欲しい・・・。

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