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137

好美達は旅館で結構楽しんだ様だ。


-137 必需品は土産物屋で-


 旅館で一晩を過ごした恋人達は受付でチェックアウトをする為に浴衣から着替えて客室を後にして1階にある受付へと向かった、客室の物とは別に作られている大浴場と露天風呂で朝風呂を楽しんでいたであろう客達を眺めながらゆっくりと階段を降りていく2人は一先ず折角の記念にと土産物屋へと向かった。


挿絵(By みてみん)


好美「やっぱり温泉饅頭が多いね、日本とまるで変わらないよ。」


 好美がゆっくりと店内を巡る中、守はもう1つ日本と変わらない物を見つけた。何処の旅館の土産物屋でもよく見かける「あれ」を発見した様だ。


守「こっちでもこんなのが売っているんだな、中学校の修学旅行で使って以来だった様な気がするな。」


 店内に並んでいる商品を見て懐かしい思い出に浸っていた守の横にそっと好美が近づいて来た、好美も守と同様に何処か懐かしい気持ちになっていたらしい。


好美「これ、私も使った事あるよ。思い出を残すのに丁度良かったな。」

守「何なら買うか?これから旅行に出かけるんだし。」

好美「良いね、学生に戻ったみたいで楽しいかも。」


 2人は1つずつその商品を買う為にレジへと持って行った、本来は会計を担当するパートがいるみたいなのだがまだ就業時間では無いらしいので来ていない様だから昨日会った受付の女性が代わりを勤めていた。


受付「いらっしゃい、あらま、お土産じゃなくてそれを買うの?」

好美「うん、旅行は今から行くからね。」

受付「好美ってこの世界に来てから働いて吞んでを繰り返してばかりだったから気分転換になって良いじゃない、お土産よろしくね。別にここにあるやつでもいいわよ。」

好美「何でまだ出かけてもいないのにお土産を買うのよ、しかも何気にお店の商品を宣伝して来るなんて。」

受付「えへへ・・・、こっちも商売だからね。」

好美「もう・・・、相も変わらず侮れない人なんだから気が抜けないったらありゃしない。」

受付「でも好美、2人共これ買ってるけどスマホを使えば必要無いんじゃない?」

好美「良いでしょ、こう言ったレトロな物を使うのも味があるってもんよ。」


 早く会計を済ませたいという2人の心中を察した受付は少しだけだが気を遣った。


受付「ねぇ、何なら宿泊料金などと一緒に会計しちゃう?その方が楽でしょ。」

好美「それは助かるけど大丈夫な訳?と言うかそれってここにいる意味ある?」


 この土産物屋にはロビーとは別にレジが設置されていた、流石に何かと誤差が発生して問題になってしまうのではなかろうか。


受付「大丈夫よ、どうせ後で合算しちゃうし私はよくやってる事だから。」

好美「そんなのルイズが勝手に判断しちゃって良いの?」

ルイズ「アーク・エルフを見ないで頂戴、私はここの女将なんだから問題ないわよ。」


 どうやらこの旅館においてルイズは結構上の方の地位に立っている様だ、もしかしたら主人の妻だったりするのだろうか。だからって旅館の裏事情を易々と話して良いもんじゃないはずだが今その話は置いておこう、またもや進行が遅れてしまう・・・。


好美「ただ昨日から何で普段と違って着物なのかと思ってたんだけど女将だったのね、案外似合っているじゃない。」

ルイズ「何よ、女将だから普段は着物なんだけど。」

好美「嘘でしょ!!普段はパンク系の服ばっかり着ているじゃないの!!」


 おいおい・・・、パンク系ファッションを着ているエルフって想像も付かないしその人が旅館の女将って・・・。


ルイズ「待って、それは内緒にしてる事なの!!サービスするからここでは言わないで!!」


 誰しも何かしらの秘密を持ち得ているのはこの世界でも一緒の様だ、ただ先程から気になっているが2人は何を買ったと言うのだろうか。


ルイズ「宿泊代とその他諸々・・・、あとさっきの使い捨てカメラを合わせてえっと・・・、あんた達1晩の内にどれだけ楽しんでたのよ・・・。24万9800円よ、異様じゃない。」


 ルイズが驚きを隠せずにいる中で好美はさらりと支払いを済ませてしまった、そして買ったばかりのカメラの封を開けて早速『アイテムボックス』に入れた。


さぁ、出発だ。

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