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結愛・・・、勘違いすんなって・・・。
-125 恩人の為に登場した女神-
高校生同士の雰囲気を醸し出しながらその場の会話における重要人物を提示したデルアの姿が神の様に見えた、と言っても日本人達をこの世界に転生させたビクター・ラルーの姿では無いが。と言うかデルアの言った「あいつ」って神の事では無いはずだが?
結愛「あいつは・・・、神というより龍だからな・・・。」
結愛の言葉にごもっともと言いたいが、ビクターが『人化』した姿を見た事あるどころか酒を奢って貰った事だってあるだろ?神様として認めてやれよ。
結愛「認めてねぇとは言ってねぇだろうが、3人の娘だって神様なんだからよ。」
おりょ?ちゃんと娘達の事を覚えていたんだな、褒めて遣わす。
結愛「馬鹿にすんな、恩人でもある神様を忘れる訳が無いだろうが。」
何言ってんだよ、あれは一方的にビクターが悪かったんだからお前は無罪だろ?そう言えば罰金として取られていた1億円は返って来たんだろうな?
結愛「まだだよ、ビクター本人が今度は競馬で負けたらしいから金が無いって待たされてんだよ。頼むから何とかしてくれよ。」
アホか、俺を頼っても仕方ないのは前から分かっているだろ?それに・・・。
結愛「「それに」・・・、何だよ?」
いや・・・、店の前にデカいのがいるのが分からないか?イャンダ達がビビっているから何とかしてやれよ。
結愛「デカいの・・・?」
結愛は啜っていた拉麺を持ちながらその場で立ちすくむ店長達の横をすり抜けて店の前に出た、すると社長の目の前に大きな龍が翼を広げながら降りて来た。
結愛「お・・・、おい・・・、何だってんだよ・・・!!」
この世界に来てから結構な年月が経つが、目の前に龍が降り立つという光景に慣れる事は無かった様だ。結愛は何故か再び拉麵を啜りながらら店に駆けこもうとした。
結愛「襲われるぞ・・・、逃げろ!!」
古龍「結愛、待ってくれよ!!俺だよ!!」
結愛「な、何で・・・、俺の名前を?!」
古龍「何言ってんだよ、恩人の名前を忘れるなんて神失格じゃねぇか!!」
結愛「俺が・・・、恩・・・、人・・・?」
結愛は全くもって思い出せなかった、古龍を助けた事なんて今までの人生で全く無かったからだ(一度死んでしまっているが)。
古龍「ちょっと待ってろ、この姿だと分からないのは無理もねぇ。」
すると古龍は高らかに舞い上がり姿を消した、そして数秒後に女性の姿で結愛の前に現れた。見覚えのある水色の髪、ただ何故かパンツスーツで・・・。
結愛「あんた・・・、トゥーチ神様か?」
トゥーチ「そうだよ・・・、あの時は親父がすまなかったな。」
大企業の社長である結愛にとって1億円は少額(?)だが、やはり神に対する信頼を損ねた父親の行いが未だに許せない三女。
結愛「別に気にしてねぇよ、いずれは金が返ってくるんだから気長に待つさ。それで?今日は飯でも食いに来たのか?」
トゥーチ「そうそう、叉焼麺セットを・・・、って違うわ!!」
結愛、取り敢えず席に戻ったらどうだ?拉麺食ってる途中だろ?
結愛「大丈夫だ、後はスープだけだから安心しろ。」
食ってたんかい・・・、どんだけ肝が据わってんだよ・・・。
トゥーチ「一先ず中に入ろうぜ、俺も疲れているしガチで腹が減って来たよ・・・。」
お前ら食欲旺盛かよ・・・。




