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未だに結愛の質問が気になる2人。
-124 待ちわびた瞬間-
店長達と初めて呑んだ時の思い出を頭に浮かべながら目の前の大好物に食らいつく結愛、よっぽどお腹が空いていたのか、それとも先程までの緊張がやっと解けたのか社長が大事な事を忘れて無心で食べていたので副店長は改めて質問した。
デルア「なぁ結愛、俺達に何か聞こうとしてたみたいだけどどうかしたのか?」
口いっぱいに中華を入れているまま思い出そうとする社長、その様子はまるでヒマワリの種をほっぺに貯めるハムスターの様だった。
結愛「はあ(ああ)、はえ(あれ)?」
イャンダ「お前な、一応社長なんだから食うか喋るかどっちかにしろよな。」
イャンダ、よく言ったと言ってやりたいけどそれに関しては社長かどうかは関係無くないか?結構一般的なシーンでよく見かける質問だぞ。
結愛「ほうはほ(そうだぞ)、ひっへはへひっへはへ(言ってやれ言ってやれ)。」
アホか、元々の原因をつくったのはお前だろうが。早く口いっぱいの炒飯を飲み込まんかい。
結愛「んぐっ・・・、はぁー・・・、ちげぇよ!!拉麺だよ!!」
あらま、それは失礼いたし・・・、っておい!!問題はそこじゃないだろうが!!取り敢えず早く2人に聞く事を聞けや!!
イャンダ「良いぞ、もっと言ってやれ!!」
反撃を喰らった結愛の様子を見るイャンダは兎に角楽しそうだった、多分今日一番と言っても過言では無い位のハイテンション。
結愛「あのな、人の不幸を笑ってんじゃねぇ。何て奴なんだよ・・・。」
デルア「おいおい、もう良いだろ。話が進まねぇよ・・・。」
そうだぞ、いい加減にしろコラ!!
デルア「お前もだろうがよ、お前が茶々入れるから話がもっと進みにくくなってんだよ。」
すんません・・・、お願いですから早く話を進めて下さい・・・。
デルア「それで?結愛の口の中が空の内に聞くが何を聞こうとしたんだ?」
結愛「ほえ?はんはっはへは(何だっけな)。」
デルア「また入ってんのかよ、食欲旺盛なのは店の人間として嬉しいが何か複雑な気分なんだが・・・。お願いだから早く飲み込んでくれって。」
しかしデルアの「お願い」は虚しかったらしく、結愛は口いっぱいに含んでいた拉麺を飲み込む前に炒飯を口に含んでいた。
イャンダ「結愛、お前それで足りんのか?」
デルア「待てよイャン、今俺達が聞くべき事はそれか?」
イャンダ「悪かったよ、でも友達として心配になっちゃってさ。」
お玉で殴ろうとする副店長を必死に止める店長、相も変わらずだがどっちが店長なのか分からない。
イャンダ「それはそうと、そろそろ俺達に何を聞こうとしてたのか教えてくれよ。もうすぐ正午が来るじゃねぇか。」
結愛「悪かったって・・・、実は最近気になる事が有ってよ。」
デルア「「気になる事」ね・・・、それと俺達が何の関係があるってんだよ。」
結愛は丼の上に割り箸を置いてやっと質問した、どれだけこの瞬間を待ちわびたか。
結愛「最近好美達って店に来てるか?」
デルア「好美ちゃん?そう言えば全く見て無いな、あの変態彼氏も。」
先日の宴が終わってすぐに好美達2人は手を繋いで何処かへ消えてしまっていた、結愛はそれが気がかりで仕方なかった様だ。
イャンダ「最近は人手が足りてたから好美ちゃんに仕事を頼む事が無かったからな。」
デルア「と言うかさ・・・、あいつだったら知ってんじゃね?」
誰だよ?