表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜勤族の妄想物語4 -7.異世界ほのぼの日記3~今カノと死に別れたので元カノと同棲生活を始めます~-  作者: 佐行 院


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

113/675

113

未だに悩む結愛。


-113 機械化を優先するか、信頼を優先するか-


 結愛はずっと考え込んでいた、やはりそれなりの量の荷物を運ぶには大型トラックが必要となる。しかし、美麗を含めても「大型」の免許を取得している物は皆無だった。社長がレストランの片隅で苺の刺さったフォークを片手にずっと頭を抱えていたので隣にいたババ・・・、いや筆頭株主である真希子が心配そうに見つめていた。


真希子「何だい、結愛ちゃんだけじゃなくてあんたまで私の事を裏で「ババア」って呼んでたのかい?!」


 いやいや、そんな訳無いですよ。自分では一生働いても稼げやしない位の資産持ちである真希子お姉たまにそんな失礼な事言える訳ないじゃないですか。


真希子「そんな事言って、本当は2作目の時から呼んでたんじゃないのかい?!今だって何とか誤魔化そうと「お姉たま」って言ってたけど本心じゃないんだろ?!」


 (ギ・・・、ギクッ・・・!!流石は大企業・貝塚財閥の筆頭株主、鋭いな・・・。)何を仰っているんです、俺なんて真希子さんの事を尊敬はしても貶す様な事言える訳無いでしょ!!ほら、結愛が貴女様の事をお待ちですよ!!


真希子「何だい、全く・・・。騒々しいったらありゃしないよ、それで?結愛ちゃん、今度は何を考えているんだい?」

結愛「ああおば様、やはり運送業を始めるにあたって大型トラックの導入は必須だと思うんですがおば様のご意見を伺っても良いでしょうか。」


挿絵(By みてみん)


 真希子との関係を崩さない為、あくまでも「大人モード」で話す結愛。


真希子「そりゃあ大量の積荷を運ぶためには少しでも多く載る車両を用意しないといけないさ、単純な話じゃないか。」

結愛「それが・・・、おば様が思っている様に「単純」では無いんです。」

真希子「何か問題でもあったのかい?」

結愛「この世界には「大型」を運転できる住民の方が全くいないんですよ。」


 それどころか、この世界には元々「大型車」という概念すら存在しないのでバルファイ王国にある自動車教習所でも大きくて「中型」までしか取得する事が出来ない。その上、転生者以外の住民はどうして大きいトラックの事を「中型」と呼ぶのかすら分かっていない様なのだ。

 そんな中、真希子はふとある事を思い出した。


真希子「ねぇ、じゃあ学園の送迎で使っているバスはどうなるんだい?あれはそこそこデカい車両を使っているだろう?」


 真希子が言った通りネフェテルサ王国やダンラルタ王国からバルファイ王国にある魔学校へは日本で言う観光バス位の車両を使用しているが、結愛には考慮にどうしても入れたくない理由があった。


結愛「確かにありますけど、あのバスは全て自動運転システムを使用しているんですよ。」


 送迎用のバスにはセキュリティ等の観点から貝塚財閥(光明)が独自に開発したシステムが搭載されていた、やはり会社(結愛)にとって光明の存在は大きい。


真希子「じゃあ大丈夫じゃないか、何が不安なんだい。」


 結愛が言うには送迎バスと同等の大きさのトラックは3国間を結ぶ主要道路は走れても、一歩入った路地等に入っての細かな作業には不向きなのだ。


結愛「それにご利用されるお客様の信頼を得る為に、人の手による受け渡しや作業に拘りたいんです。」


 結愛は機械による運転では効率化は見込めても、どうしても最後は人の目や手による細やかな気配りが必要だと言うのだ。利用客の信頼を得る為の1番の近道はやはり人の温かみ、機械での作業では決して与える事が出来ない大きな要素。

 ただ筆頭株主の一言で社長の悩みは一気に解決した。


真希子「じゃあ主要道を走る大型トラックのみを機械システムで、細かな路地を走る中型トラックや軽トラを人が運転するってのはどうだい?これなら「大型」の取得はいらないだろう?」

結愛「おば様・・・、お言葉ですがいつの間にか軽トラも導入する事になってませんか?」


 そう、今現在の貝塚運送では数台の中型・大型の用意がやっとで、軽トラまでは考えていなかったという。


まさに「燈台下暗し」というやつか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ