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ずっと異世界の肉屋で住み込みで働いていた守と広い家で孤独だった好美の話。

7.「異世界ほのぼの日記3~今カノと死に別れたので元カノと同棲生活を始めます~」


佐行 院


挿絵(By みてみん)


-① 新たな生活に向けて-


挿絵(By みてみん)


 きっかけは母・真希子の言葉だったと思う、それは全知全能の神であるビクター・ラルーの奢りによる宴会から暫く経った頃の事だった。


真希子「そう言えばあんた、今更なんだけど真帆ちゃんはどうしたんだい?」


 守はこの世界に転生してからずっと真帆と音沙汰無しであった、まぁ、お互い別の世界に飛ばされたから当然の事かと守は余り気にしない様にしていた。


守「真帆は・・・、俺と同時に死んだけど今何処の世界にいるか分からない。一応神様にも聞いてみたけど管轄外な上、別の世界で結婚して子供までいるって聞いたよ。」

真希子「そうかい、元気にしているなら良いんだけどね。」


 自らの言葉を聞いて安心する母の言葉を聞いて少しホッとする守、しかし次に発せられた言葉に焦りの表情を隠せなかった。


真希子「あんた、そろそろ身を固めても良いんじゃないのかい?結婚相手として相応しい女の子と出逢っても良いと思うけどね、例えば好美ちゃんとか好美ちゃんとか好美ちゃんとか・・・。」

守「確かに好美とはやり直す事になったけど母ちゃんが意見する事じゃないだろう、それにこういう事は急ぐのは良くないと思うけどな。」


 親子同士で衝突があるのは仕方の無い事だと思われるが、2人以上に黙っていないのが双方の事を『探知』していた好美本人だった。

 好美は中々一歩を踏み出そうとしない彼氏に少し怒った様な口調で『念話』を飛ばして来た、守には好美が泣いている様に聞こえた。


好美(念話)「守自身は私とどうしたい訳?!本当にやり直したいと思っているの?!」


 守は唐突な『念話』に焦っていた、しかし元の世界で真帆と付き合っていた頃もずっと心の片隅に好美がいたことは間違いではない上に真帆も公認していた事であったし今でも変わらない。


守(念話)「俺は・・・、好美と・・・、好美と・・・。」

好美(念話)「待って・・・!!」


 守の言葉を止めた好美はすぐさま『瞬間移動』で守の目の前に現れた。


真希子「えっと・・・、私はお邪魔かね。」


 真希子はそう言うと急いでその場から何処かに『瞬間移動』してしまった。


好美「直接・・・、守の口から聞きたい。守の気持ちを知りたい・・・!!」

守「俺は・・・、好美といたい・・・!!」


 数秒の間静寂が辺りを包んだ後に好美は満面の笑みを見せた。


好美「じゃあ、一緒に住も!!」

守「へ?」


 守が唖然としていると好美は守を連れて自宅へと『瞬間移動』した、守が辺りを見廻して見ればそこは街中で一番高いビルの最上階にありプールと露天風呂が備え付けてあるバルコニーだった。


好美「ここで一緒に暮らそう!!私ずっと1人で淋しかったの、お願い!!」

守「い・・・、良いけど店長に一言言わなきゃ。」


挿絵(By みてみん)


 好美の言葉は嬉しいがこの世界に来てからずっとライカンスロープのケデールが経営する肉屋で住み込みで働いているので無断で出て行く訳にも行かない、しかもそこそこ長く暮らしているが故に肉屋のメンバーと家族同然と言っても過言では無い位に仲良くなっている。一先ず、守は店主に『念話』で「ホウ・レン・ソウ」してみる事に・・・。

 ただ、ケデールの返答は意外とあっさりしていた。


ケデール(念話)「良いよ、荷物もすぐに送っちゃうね。」

守(念話)「えっ!?」


 守が返答するや否や、守の部屋に置かれていた荷物が全てバルコニーに集結していた。


好美「これで決まりだね、これからよろしくね!!」


これからの生活は楽しくなるのか?

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