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ABCD殺人事件  作者: 真山砂糖
24/36

24 非常口調査

研究棟の非常口が気になりますね。

 私と係長は食堂で昼食を取った。その後、係長は刑事課で定番の缶コーヒーを飲んでいた。リラックス中の係長の携帯が鳴った。

「おう、嶋村か。どうだった? おう、おう、うん、うん、そうか、ご苦労。悪いが、デービス教授とナターリエ・シュルツの自宅を訪ねてくれないか、よろしくな」

「係長、大竹さんの件、どうだったんでしょうか?」

「おう、大竹はその日は非常口から帰ったそうだ。大竹は自転車で通学していて、駐輪場までは非常口から出たほうが近いというのが理由らしい。バス停に行くのも、非常口からのほうが近いしな」

「はぁ、はい」

 そしてまた係長に連絡がきた。

「おう、高木か。おう、ああ、わかった。ご苦労。磯田の機嫌を損ねるなよ」

「どうだったんでしょうか?」

「おう、22時30分発のバスの監視カメラに、真中めぐみが写っていたと、磯田が確認した」

「ということは、大竹さん以外、アリバイがあるということですね」

「そうだな。犯人が内部の人間の場合ならな」

「あるいは、犯人は締め忘れた窓からか、誰かが開けた非常口から侵入したのか……」

「気になるな。おう、香崎、現場に行くぞ」 

 私と係長は大学へ向かった。


 私たちは第三研究棟の中へ入った。一階から三階までの窓を調べた。全ての窓が、奥に押し出して開けるタイプで、しかも猫が一匹通れるくらいの隙間しか開かない窓だった。

「おう、窓からの侵入は不可能だな」

 私たちは三階にある非常口へ来た。ドアを開ければ、非常ベルが自動で鳴り響くタイプのドアだった。鑑識の元、試してみた。耳をふさぎたくなるほどの音量が響いた。建物から出て、外側から非常口を開けられるか試してみたが、自動的にロックされて開かなかった。二階の非常口でも同様だった。それから、一階の非常口へ来た。私は思いきってドアを開けてみた。開いたが、ベルは鳴らなかった。外側から開くかどうか試してみたが、ドアは開かなかった。内側からのみ開けられた。真中さんの言った通りだった。

「おう、真中めぐみと大竹助手はここから外へ出たんだな」

 そこへ、京子がやってきた。

「ちょっとー、小春ー、何やってんのよー、係長と二人でー」

「デートだよ」

「いや、違います、係長。絶対に違います」

 私は速攻で否定した。

「おう、そんなに素で否定すんなよ……」

 係長は悲しそうな顔をしてしまった。

「おう、磯田、何で来たんだよ」

「何でってー、小春のことが心配だからですよー」

「あのなー」

 相変わらずのおバカな会話がなされた。

「犯人が外部から侵入したとすれば、この一階の非常口からだ。その場合、内部からの手引が必要だ」

「犯人はー、内部の人なのかしらねー」

「ラボの誰かが関わっているかもね」

 みんなその場で少し考え始めた。

「とりあえず、戻るか」

 私たちは刑事課へ戻ることにした。


 嶋村先輩が、シュルツさんの学生寮とデービス教授宅を訪れたが、応答はなかったということだった。

 みんなでいろいろと意見を出し合った。

「内部の誰かが関わっている可能性が大だな」

 空になったコーヒーの缶をさわりながら係長は言った。

「係長、そうだとしても、黒板に書かれたCの文字は一体どういう意味なのかと」

 高木先輩が言った。みんな考え込んだ。


さて、どうなるんでしょうか。

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