第二話 私の覚悟
空へと上がる私。
まさか、空を飛べる日が来るとは夢にも思わなかった。
「空なら、確かに楽ですね」
私はメルクに向かって言う。
「空は空で危険もありますよ、ドラゴンが居たり我も一度地から矢を撃たれたかけたことがありますから」
メルクは言う。
ふ~ん、危険がいっぱいなのね。
私とメルクは空を飛び何事もなく黒の国へと到着するのだった。
コツ。
地面に降りる私達。
「ここが黒の国」
建物の色は黒で、地面も黒、持っている武器も黒色で統一されている。
まさに黒バンザイってわけね。
すると私を見る街の人達、何やらコソコソと話している。
「メルク様、その者は?」
一人の街人が声をかける。
「この者はこの国の王になる方だ」
メルクは街人に向かって言う。
?!、驚く街人。
「この者ですか!?メルク様!この者は白い髪をしています!
それに、黒の国で産まれたものでは無いのでしょ!そんな者は王にふさわしくはありません!」
街人はそう答える。
確かに私の髪は白い。
それに黒の国の人でもない、一理ある。
「確かにこの者は黒の国の者ではない」
「でしょ!だから、他の者の・・・」
「だが、お前も分かるのでは無いのか?この者の魔力の力を」
くっ!
「た、確かに魔力は凄いです、王になっても不思議じゃありません。
ですが!それでも!黒の国に白い髪をしているのですよ!
白は敵!昔の事を知らないわけじゃないでしょ!メルク!」
街人は言う。
メルクと呼び捨てにしている当たりこの人はメルクさんと仲がいいのだろう。
「確かにな、俺たちがまだ若いとき白の者によって黒の国は壊滅状態まで追い込まれた。
忘れてはない」
メルクは言う。
「だったら!この女は王としてふさわしく無い!
この黒の国で産まれる者にするべきなのです」
街人は言う。
私はアイテムボックスから黒い液体を出す。
「ミリアム?何をしている?それは?」
私は液体を頭からかぶる。
?!
「な、何をしているんですか!」
私の髪は黒い液体で黒く染まる。
「これで白い髪は黒く染まりました、これで文句はありませんか?」
私は街人に向かって言う。
すると
「くはははは!笑わせないでくれ、黒い液体をかけただけで黒の民となるつもりか?
ふざけるな!そんな液体元に戻してやる!」
街人は私に水を思いっきりかける。
ばしゃ!
「お、お前!何をしている!」
メルクが街人に掴みかかる。
「ははは!!!ザマぁねぇ!ほら、白い髪に戻・・・・・?」
私の濡れた髪は黒いままだった。
?!
「な、なぜ!色が落ちん!」
街人は驚く。
「覚悟を決めたの、だから落ちないわ」
私はそう答える。
「・・・・、わかったよ。
お前の覚悟は分かった、だけどよお前は黒の国の者では無い、王になったところで俺や他の者はきっとお前の事を殺しに来たり、王から降ろしたりするかも知らないんだぞ。
それでも、王になるのか?」
街人が言う。
「確かに私には黒の民ではありません。
ですが、私の心の中には真っ黒な憎しみがあります。
私は、あるものを処刑しようと思っているんです」
私は言う。
「処刑?」
街人は言う。
「私の父を殺した、アルプン城の王をね」
私は街人に向かって言う。
覚悟は決まっている、もう白いままの私ではない。
黒く染まるのよ、何もかも。
すると私の服がどんどん黒く染まっていく。
そして、私の片腕が黒く染まり魔のオーラを放つ。
「ヒィ!な、何だ!」
街人は驚く。
「これで分かったか?この者は王に相応しいと」
メルクは言う。
「そ、そうみたいですね。
お許しください王様、いや王女様」
街人は頭を下げる。
「別にいいわ、だけど水をかけたのは許せないわね。
この者を他の街人に見えるように処しましょう」
?!
「王女よ!何を言っているんですか!」
メルクが言う。
「何?私の言葉に背くと言うの?」
私はメルクを睨む。
「ですが、何も処刑するまではない!落ち着け、黒く染まり過ぎだ!
ミリアム、このままこの者を処刑すればあなたは王女ではない、悪女の悪魔だ」
?!
「私が悪女?・・・・そうね分かったわ。
悪かったわね、街人さん。
私、魔の力を開放するとこうなっちゃうのごめんなさい」
私は頭を下げる。
「いえ!貴方の今のを見て分かりました、貴方は王に相応しい。
その考え、その人を蔑む瞳、黒化する腕。
俺たち街人は貴方を王として迎えます」
街人は私に向かっていった。
「そう、じゃあこれはお礼の品よ。
受け取りなさい」
私はアイテムボックスから金貨の入った袋を渡す。
街人は中を見て驚く!
「こんなに沢山!ありがとうございます。
ミリアム様、これからの黒の国を導きください」
街人は頭を下げる。
「ええ、しっかりと引っ張って行くわ」
私はそう答えメルクと一緒に城へと向かうのだった。
「はぁ〜怖かった」
私は安堵の息を吐く。
「王よ、あまり力を発揮するのは良くないです。
抑えましょう」
メルクは言う。
「そうですね、じゃあ城に向かってダーシュ〜」
私は街道を走るのだった。
「お待ちください、ミリアム様」
メルクが追いかける。
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暇がある時に投稿します。
土日は出来るだけ多くは投稿したいですが。