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黒曜石の交易
黒曜石について
黒曜石はマグマの一部が急速に冷え固まってできた火山岩で、黒く光り、へりが刃のように鋭くなっている。黒曜石は別名天然ガラスといわれ、旧石器時代から縄文時代を通じ、弥生時代に鉄が伝わるまでさまざまな道具の主要な材料であった。旧石器時代にはナイフ形石器や槍の先端などに、縄文時代には矢じりによく使われた。また狩猟用だけでなく、動物の皮をなめすなど、加工用のツールとしても用いられた。
交易範囲
主要な産地は北海道の置戸や白滝、長野県の霧ヶ峰、佐賀県の腰岳などで、産地から200km以上離れた場所でも、黒曜石とそれを加工した石器が一緒に発掘されている。たとえば、現在の関東近郊に住んでいた人々も、黒曜石を求め長野県の産地まで出かけていくほど重要な石であった。黒曜石はその成分を調査すると、産地を特定することができ、先史時代のものの動き、ひとの動きを、黒曜石から読み解くことができる。
三内丸山遺跡でも北海道十勝や白滝、秋田県男鹿、山形県月山、新潟県佐渡、長野県霧ケ峰など、日本海を中心として地域の黒曜石が運ばれていた。