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64 きえええええぇぇぇぇぇぇい!って。ふ……ふふっ……。ごめん真剣なんだろうけれど……。ぷっ……。

たくさんのブックマーク、評価、本当にありがとうございます!

この前結果が発表された、アイリスNeoファンタジー大賞で一次選考通過していました。

とっても嬉しかったです。

これからも面白く書けるように、頑張ります!

 クレスさんと連絡をとった後、理想の人に近いということに気がついて、自分で自分にダメージを与えてしまった。


 理想の人である事は間違いない。理想のその先にいるような人だと思う。でも……。


 「さすがにかっこ良すぎて、おこがましいというかなんというか……。」


 それに、理想だったからと言っていきなり積極的になるのも変だし……。だって、それじゃぁまるで私……クレスさんの事を狙っ……!ぐはあああぁぁぁぁ……。


 「ダメだ。これ以上は……ダメージがデカすぎるぅ!」


 お城の廊下でもんどりうってしまった。今は浮けるからね、空中でグルグルするのなんてわけないね。

 これ以上考えるのは保留にしよう。今すぐ必要な事ではない。うん。



 気を取り直して、コックさん達の昼食の陣を見学に行く。


 お昼ごはんの戦いも見ものだ。とにかく忙しい。


 お皿の数が尋常じゃない。あれだけの数をたった三人で用意するとかやばいよ。


 「うおおおおおぉぉぉぉ!」

 「てやあああぁぁぁぁぁ!」

 「うるさいよ!唾が飛んだらどうするんだい!顎関節切り飛ばすよ!」

 「「ひええぇぇぇぇぇぇぇ……。」」


 相変わらずおばさんなコックさんが強烈。顎関節取り外しちゃったら、口閉じなくなっちゃうから余計に唾が飛んでしまうと思います!


 叫びながらも必死に動いているコックさん達。なんで人を増やさないんだろう……?

 三人の動きを見て勉強させて貰いながら、ちょっと疑問に思った。


 三人のコックさん達の出す料理は、フランス料理が主なんだけれど、アメリカンや中華料理っぽい物もあった。


 ……レパートリーが多いのは凄い。でも、この統一感のない感じ……もしかして、過去の聖女さん……よしのちゃんが関わっていたりするのかな?


 私としては色々と料理を覚えられて嬉しいんだけどね……。こうも種類が多いと、私の頭では全部は覚えられないよー!

 メモ出来たらなぁ……。


 あ!そうだ!

 スキルを開いて折コンを呼び出す。


 『アールさん!今から書くレシピをメモしておいてください!』

 『……えぇ!?』


 アールさんを使って、レシピをメモしてもらった。うん!これなら安心して次から次へと勉強出来るね!


 使い方間違えている気がするけどね!


 こうして、私は思う存分勉強する事が出来た。

 アールさん、使っちゃってごめんね!


 『いきなりでビックリしたアルヨ……。量が半端ないアルし……。』



 お昼ごはんの陣も終わり、一様にため息を吐くコックさん達。


 「あぁー疲れた……。」

 「まったくだぜ……。」

 「ふぅ。お疲れさん。さて、夕飯まで少し休憩かね。」


 そう言っておばさんなコックさんは、クッキーをテーブルに置いた。男性のコックさんの一人がマグカップにお茶を入れて、それぞれの前に置いている。お茶タイムだね。


 みんなが座ると、おもむろに駄弁りはじめた。


 「それにしても……本当に人がこねぇよなぁ。いっくら求人出しても人っ子一人来やしねぇ。」

 「そうだなぁ。下手したら殺される職場なんて、人が来るわきゃねぇけどな。」

 「あぁー。しかも、今は特に危ねぇもんなぁ。早く収まってくれんかねぇ。」

 「後継者争いなんて物、しないといけないほど子供増やした皇帝に責任があらぁな!」

 「ははっ!ちげぇねぇ!」

 「そのトバッチリがここに来てるんだけどねぇ。」

 「「はぁーーー……。」」


 危ない職場に来るような、勇気のある新人が来ないみたい。そりゃそうだよね……。大事な料理に毒を入れたり、夜中に流れ矢で死ぬ可能性のある職場とか……。私もスキルが無かったらお断りだわー。


 「……そろそろ来るよ。」

 「そうだなぁ。」

 「ほい。」


 何が来るのかな?一人がフライパンをそれぞれに手渡している。


 「きええええぇぇぇぇぇぇい!!」


 遠くから奇声が轟き、何かが飛んできた。


 カカカカカカン!


 その飛んできた何かを、フライパンで弾いていくコックさん達。その顔は皆一様に無表情。


 ちなみに、私の体を何本かすり抜けましたよ?


 そのまま奇声は遠のき、静けさが戻ってきた。


 今の何!?


 「行ったか……?」

 「……ああ。」


 その発言、一瞬フラグかと思った!廊下に出て辺りを見回したけれど奇声が帰ってくる様子はない。大丈夫そう。


 「夕飯用の仕込んだ分も無事みたいだね。はぁ。まったく迷惑だねぇ。」


 今のが流れ矢ってやつなのかな?矢じゃなかったけれど。

 厨房に戻って見てみると、壁にはナイフが何本も刺さっていた。それをコックさんは無造作に抜いて、ゴミ箱に捨てて行った。


 「これじゃいつまで経っても増援は来ないね。」


 うん。これじゃぁ無理だよ。霊体化していなかったら、私死んでたよ?料理をするお仕事なのに、防衛が出来ないと死んじゃうとか……職場として難易度高いよ!


 あと、フライパン超優秀だね!使い手の凄さもあるけど!


 お城のコックさんは難易度高いという事を体験した私は、夕飯作りまでの間、またフラフラする事にした。



 「チカさんやー。ここにおったのかのぉー。」

 「あ、ユランさん。お疲れ様ですー。」


 お日様が真ん中を過ぎたくらいの時間。中庭の庭園を見ながらぼーっとしていると、ユランさんがやってきた。

 情報のやり取りはうまく行ったのかな?


 ユランさんがやってきたのとは反対側から、声が聞こえてきた。ふり返ると、見たことのある二人。


 「コラン。昨日の二人は何故殺さなかった?」

 「申し訳ありません。とどめを刺す前に別の者たちに邪魔されました。」

 「ふん。そうか……。まさか、協力関係を結んだのか……?聖女を起こす術も分からんというのに面倒な。」


 コランさんとルノールだね。

 そういえばルノールだけは勝手に呼び捨てにしちゃってたなぁ……。今更、さん付けもしたくないんだけれど。


 「いっそのことあの結界の中に入る事が出来れば、攻撃も受けず楽なのだがな……。」

 「……そうですね。」

 「ぜーーーーーーったい入れないもんねーーーー!」

 「チカさん……。」


 向こうには聞こえていないけれど、思わず言ってしまった。

 ちょっと子供っぽかったかな?ユランさんの若干呆れたような声が後ろから聞こえてきた。


 「あの二人はどうだ?」

 「はい。順調に入り込めたようです。」

 「そうか。」


 あの二人?誰のことだろう……。


 「ふっ、兄弟がいるからな……。下手な事はしないだろうが、しっかり見張っておけよ。」

 「……はい。」


 よくわからない会話を繰り広げた後、庭園を横切ってユランさんが来た方の建物に入って行ってしまった。


 「ユランさん。兄弟がいるあの二人って誰のことだかわかります?」

 「わかるよ。……こっちだのぉ。」


 言うよりも見たほうが早いだろうと言われ、ユランさんを追いかける事に。


 ルノールとコランさんが来た方の建物に入り、奥まった場所にあった地下への入り口を入っていく。


 灯りはあるが、中々に暗い。さっきまで陽の当たる庭園にいたからか、余計に暗く感じた。


 そこに閉じ込められていたのは、可愛らしい獣人の兄弟だった。

副タイトル。戦闘に詳しく無い千華が聞いたら、変に思うんです。そういう気合の入れ方がある事すら知らないんです。許してやってください。



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