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51 三枚におろす時に、骨に身がいっぱい付いちゃうんですよ!!

 お魚を持って帰った子供のお宅にちょっとだけお邪魔させて貰って、お魚の捌き方を教えて貰った。親切に教えてくれたお母さん、ありがとうございます!


 ……でもね、一回では覚えられないです!これは何回か教えてもらわないとなぁ……。


 お魚は、外見もまんま鮭だったけれど、身もピンク色で明かに鮭だった。もう鮭って呼ぼう。切り方を教えてくれたお母さんは魚、としか言わないんだよね……。


 ちょっとボロッとしてしまった鮭の切り身を、弱火でじっくり焼いて、グリちゃんの元へ持っていった。

 子供の頃、お母さんが言っていた。鮭は弱火で焼かないとふっくら出来ないんだって。本当かどうかはわからないけれど、私はお母さんの言っていた通りに弱火で時間をかけて焼いた。


 「グリちゃん!今日はありがとうねー!」

 「クエッ!」


 返事を返して、食べ始めるグリちゃん。いつもはお肉を食べているんだけれど、お魚も大好きなようで、物凄い勢いで食べていった。


 丸々とした大きな鮭だったので、かなりの量があったのだけれど、どんどんグリちゃんのお腹に消えていく。


 あと二切れ、というところでグリちゃんの勢いが止まった。


 「クエェ。」


 お皿ごと、こっちに押してくる。……もしかして。


 「くれるの?」

 「クエッ!」

 「……なんて、なんて優しい子なんだ!グリちゃんーーーーー!」

 「クエエェェェェ!」


 思わずモフリまくってしまった。後悔はしていない!


 ほかの冒険者さん達の分は無いから、クレスさんと私のご飯は別に取っておいて、後でこっそり食べよう。


 「クレス。グリちゃんがお魚をお裾分けしてくれたので、後で一緒に食べましょう。」

 「……ああ。」


 小声でヒソヒソとクレスさんに言うと、ちょっと間が空いてから返事があった。


 冒険者さん達とは別に用意した夜ご飯を、クレスさんのテントに持っていく。


 「お邪魔します。」

 「持って来てくれたのか。」

 「はい。これが、今日グリちゃんが獲ってくれたお魚ですよ。塩分少なめに焼いたので、もし味気が無かったらお塩か醤油をかけて下さいね。」

 「ああ。」


 そうして、一緒にご飯を食べながら、他愛のない話をした。


 うん。味も鮭だった。これは……おむすびの具に良いよねぇ……。アールさんに聞いてみようかな。


 「チカ。この村の依頼は終わっただろう?今後の予定は考えているのか?」


 食後のお茶を飲んでいると、クレスさんに質問された。

 羽根つきモモキングは退治出来たので、依頼は完了している。たまに普通サイズの羽根つきモモが出てくる事があるけれど、それは罠で対応出来るし、問題は無いそうだ。マータさんビータさんの獣人姉妹のように、次の依頼に行ったりエンジュ共和国に帰っていった冒険者さん達もいる。


 「少し考えている事がありまして。クレスが急ぎでないようでしたら、もう少しグランディディ王国に居てもいいですか?」

 「構わないぞ。今のところ受けている依頼も今回のものだけだったし、急いで何か受けなければいけないほど切羽詰まってもいないからな。」


 さすがほぼA級冒険者!余裕があります!


 私は急にお金が半分になるというハプニングもあって、若干切羽詰まっているけれど……。そのためにも考えている事を相談しておかないとね。


 それから、私の考えている事をクレスさんに相談して、アールさんに聞いてみよう、という話になった。


 「あ、そうだ。グランディディ王国からの帰りなのですが、カルセドニー渓谷のあのお方に会いに寄っても良いですか?」

 「……ああ。構わない。」


 若干引き気味だったのはなんでかな?

 あのお方という言い方は、何となくあの人の雰囲気的にそう言いたくなるんだよね……。というか、名前聞いてなかったし、今度会いに行った時にお名前聞かないと!


 凛とした美しさを纏ったサファイアのような綺麗な青い髪の女性の、優艶で勝気な笑顔が頭に浮かんだ。

 そういえば、お子さんの名前は教えてくれたんだよね……。もしかして名前を言わなかったのは、わざと……だったのかな?




 次の日、朝の支度をしていると、マディラさんがひょっこり顔を出してきた。


 「おはよー、チカちゃんー。」

 「おはようございます。あれ?」


 マディラさんは旅装していた。手には羽のある馬のアイリーちゃんの手綱がある。

 私がマディラさんの格好に気付いたからか、マディラさんは頷きながら手を振った。


 「うんうん。僕ちょっと用事があるから、この村から出ちゃうねー。カルセドニー渓谷を抜ける時には、僕を呼んでー。この国の首都の冒険者ギルドに手紙を出したら、受け取れるようにしておくからさー。じゃぁねー!」


 そう言って、さっさとアイリーちゃんに乗って飛び立ってしまった。お弁当持たせてあげられなかったなぁ。まぁいいか。


 数人の冒険者さんも帰路につくようでお見送りをした。

 向こうでまたお弁当買うなー!って言ってもらえた時はちょっと嬉しくなってしまった。頑張ってお弁当屋さん出来るようにしないと!そしていつか、お店建てるんだから!


 ……そう。そのためには、必要なものがあるんですよ!



 朝食が終わって、クレスさんと合流してアールさんの家に向かった。


 「アールさーん。」

 「はーいアールヨー。」


 今日もなかなかノリが良い。


 アールさんに相談とは食材のことだ。


 醤油。こちらではみんなショーユと呼んでいる。『う』じゃないんだよね。『ー』なんだよねぇ……。これも、よしのちゃんのせいな気がするよ。

 それから、お味噌が無いか。同じ大豆加工品なんだし、よしのちゃんならきっと開発していると思うんだよね。

 最後に、昨日獲れた鮭。これは急遽だけれど、欲しくなっちゃったんだよねぇ。


 「と、いうわけで!」

 「どういうわけアルかー。」

 「まずは、お米とお醤油を仕入れたいんです。アールさんを挟んで。」

 「それは契約で決めた事アルから、大丈夫アルヨ。定期的にこの村と、ショーユの村を回ってエンジュ共和国にいくアルからネ。」


 醤油……ショーユは、この村では作ってなさそうだなって思っていたけれど、やっぱり別の村なんだね。それなら……。


 「お味噌……ミッソってありますか?」

 「ミッソ……?ミーソならあるアルヨ。」


 ミッソじゃなかったかー!ミーソだったかーー!

 ショーユ……ミーソ……。あれかな、大豆製品は全部伸ばす的な?統一感出しちゃったかな?


 「その、ミーソと言うのは、とてもしょっぱくて、茶色な物ですか?」

 「そうアル。とてもしょっぱいネ。みんな野菜につけて食べるアル。」

 「そ、それも仕入れる事は可能ですか!?」

 「ンー。ちょと遠いけど、いけるアルヨ。」

 「いよっしゃーーーー!」


 思わずイスから立ち上がりガッツポーズをしてしまった。さすが!さすがよしのちゃんです!!


 引き気味でアールさんとクレスさんに見られてしまった。頭の上でスライム君が跳ねた事で我に返り、大人しく座った。スライム君はいつも私を冷静にさせてくれる。助かります。


 「取り乱しました。」

 「よっぽど嬉しかったアルネ。」

 「たまになるよな。」

 「お恥ずかしいぃ……。」


 味噌と醤油、それにお米を仕入れることが出来るようになった。とっても嬉しい!自分も食べたいし、みんなにも食べて欲しい。早くお弁当屋さんをやりたくなった。

 ミーソと呼ばれる物は、一度実物を見たいから、作っている村に是非とも行きたい。


 「あ、そうだ。最後に、昨日グリちゃんが獲ってくれた身がピンク色の魚ってあるじゃないですか。あれって、結構獲れるんでしょうか?」

 「あの魚アルかー。あれは収穫期が良く獲れるアルヨ。でもその季節以外にもたまに獲れるアル。収穫期よりも脂が乗って美味しいアル。」

 「あれも出来たら仕入れたいんです。獲れた時で構いませんから。」

 「持っていってあげたいアルが……生魚はちょと難しいアルヨ。」


 この村から、エンジュ共和国まで、普通に移動すると、十日くらいはかかる。生魚を持って行ったら、それはもう大変な事になるだろう。


 「えっと……そこでですね、私のスキルを使いたいと思うんです。」


 私はスキル、コンビニ経営を発動させた。

二人きりでテントでご飯……恋愛要素……になるのでしょうか?


二章も後半で、ようやっとちゃんとしたスキルの使い方が出来そうです!異世界物名物!チートっぽいスキルをー!

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