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43 小さい頃は、ただただ楽しかった。という記憶しか無いんですよね。

 ちょっと長くなってしまいました。


 誤字報告ありがとうございます!

 マディラさんに聞くと、羽付きモモの飛ぶ高さは、二メートルくらいなのだそうだ。哺乳類っぽい体で、トンボのような羽では限界がありそうだものね。

 更に、群れている方角を教えてもらった。


 「それで、どうするのー?チカちゃん。」

 「はい。とりあえず、羽付きモモがここに来る道を限定させます。」

 「限定?囲って見えなくするんじゃなくて?」

 「囲ってしまうと、周りの草が食べられてしまいますよね?みんなでそれを追いかけるのは大変そうですから……わざと誘って一網打尽にする方が良いと思うんです。」


 誘導して、一網打尽。これを考えた時に思い出したのが……かの有名なGホイホイ様である。


 Gホイホイ様は、入り口を限定させて足拭きマットで足を綺麗にしてくっつきやすくし、入ってきたG達を捕まえることが出来るのだ……。原始て……ゴホンゴホン。古風な方法だ。しかも真ん中の餌は抗えない魅力的な匂いがする……。恐ろしいお方です!


 そのGホイホイ様をまるぱくリスペクト……は出来ないので、有効そうな部分を真似させてもらう事にした。


 まずは誘導。


 入り口を限定させて、対処しやすくする。村の周りの木を切って、板を作り、村に設置する。羽付きモモ達側から見て壁があるように見えれば良いので、耐久度はそれなりだ。壁は、コッメの葉が生茂る様子がよく見える部分をあえて空けてある。


 今回は冒険者さんしかいないので、みんなで試行錯誤して壁を作った。途中から、畑仕事を終えた村の人も手伝ってくれて、意外とあっという間にハリボテの壁は完成した。


 クレスさんと作業をしてくれた冒険者さん、村の人達と一緒に壁を見上げる。って言っても、私は見上げているんだけれど、他のみんなは身長が高いから見上げるって程でもないんだけれども!


 「なんだがぁ、圧迫感があんなぁ……。」

 「そだなぁ……。」

 「まぁ、これで被害が減るならいいっでもんだべぇ?」

 「んだなぁ。」


 村の人達は、壁の圧迫感に違和感を感じているみたいだけれど、短期間の事だからと納得してくれた。


 クレスさんは腕を組んでうんうん、と小さく頷いている。


 「これで、人員をここに集中出来る。とても良い作戦だな。」

 「ありがとうございます。うまくいってくれると良いのですが……。」

 「きっと大丈夫だ。だが一応、他の部分にも数人はつける。良いか?」

 「はい。そうしてくださった方が安心です。」


 クレスさんに大丈夫と言われると、なんだかとっても上手くいった気がして浮かれてしまう。だめだめ、まだ安心してしまうには早すぎる。もう一つ考えている事があるんだ。


 アールさんに作戦を相談して、村の食料を保存している小屋を案内してもらう。


 「こっちが古コッメ。そっちは古々コッメアルよ。」


 古コッメ……古々コッメ……!

 なぜ米はコッメにしたのに……古米、古々米の言い方だけそのまま伝授したのかなぁ……。これ絶対よしのちゃんだよねぇ。カタカナにしたらコココッメだよ!コココッメ!


 笑ってしまいそうになるのを必死に抑えて、古コッメ古々コッメを見る。


 「この奥の方はもう食べないと思うコッメ達アル。村長には許可とっておくアル。どうせ食べないから多分大丈夫アルヨ。」


 奥にあるのは更に古いコッメや、粒が小さくて成長しきらなかったと思われるコッメ達なのだそう。


 ……うん。これだけあれば大丈夫かも!


 試しに少し使わせてもらおう。今から作ると夜になっちゃいそうだし……今日はもう夕飯を作らないといけないから、後は明日かな。




 小腹的には三時のおやつを過ぎたかなー、というくらいの時間。


 野菜を頂いた帰り道、村の子供達が集まって何をしようか、と相談しあっているのが見えた。


 「うーん。」

 「何かないかなー。」


 近付くと、まだ解決はしていないみたいだ。


 「何の相談?」

 「あ!最近来た、ねーちゃんだ。」

 「チカって言うんだよー。よろしくね。」

 「チカー?変な名前ー。アハハハ!」


 子供って何にでも笑っちゃうんだよねぇ。あまりない名前と言えばそうだから、否定はしないよ。


 「今ね、村の外は危ないからって、お外に行けないの。面白いものないかなーって。」

 「川釣りも出来ないし、木の実も取りにいけないし……つまんねぇんだよなぁ。」

 「なるほど……。」


 今は、羽付きモモを刺激するわけにもいかないから、子供達には外に行かないように言ってるんだね。子供達からしたら面白くないだろうな……。


 私がこのくらいの時、何をして遊んだかなぁ……。あーそうだ。


 「じゃぁ、みんなで、けんけんぱ、しようか!」

 「なーにそれー?」

 「けんけんぱー?」

 「そう。こうやって……。」


 近くに落ちていた木の棒を拾って、地面に丸を描く。子供の時にやった場所は、コンクリートだったから、白っぽい色の出る石を拾って描いていたっけ……。ここは地面が土だから、木の棒で描き放題だ。

 五メートルくらいの距離に丸を連ねて描いて、みんなに見せる。


 「よし、出来たー。ルールはね、丸一つに足は一本しか置いちゃいけない。丸から出たら失格。丸の中では、一回しか飛んじゃダメ、だよ。今描いたやつだと、こうなるの。けん、けん、ぱ!けん、けん、ぱ!けん、ぱ!けん、ぱ!けん、けん、ぱ!っと。」


 実際にやって振りかえると、子供達は自分もやりたい!っていう顔で見ている。やってみるがいいさー。


 「結構簡単じゃん!」

 「ね!誰でも出来ちゃうよー?」


 意外と簡単だったのか、若干拍子抜けする子供達。ふふふ……。


 「これは序章……。ここからよ……。」

 「じょしょう?何それ?」

 「なんかチカ、変だよ……?」


 私は地面に大きな丸を描く。片足立ちではギリギリ行けるかどうか、というくらいの距離になるように丸を連ねていく。


 「さぁ、出来るかなー?」

 「簡単だよ!いくぞーー!」


 元気な男の子が最初にやってみるようだ。一歩めから手前に着地してしまい、次の丸までの距離が結構ある。


 「丸の中で足踏みはダメだからねー。そこから一発でいくんだよー!」

 「うおおおぉぉぉ!!」


 気合をいれてひとっ飛び。ギリギリ丸の中に着地出来たけれど、バランスを崩して倒れてしまった。


 「失格ー。」

 「くそーーー!次は失敗しないぞー!」

 「結構難しいでしょ?みんなで描いて、誰が一番難しいのが作れるか競争しても良いよね。ただし、絶対無理なものはダメだよー。」

 「やるー!難しいの作るー!」


 それからは、丸を描いて行く子と、ひたすら攻略して行く子に分かれて、楽しんでいた。

 キャーキャー言いながら遊ぶ子供達を見ていると、袖を引っ張られた。


 「ねぇ、疲れちゃったー。動かないでも出来る遊びってないのー?」


 女の子達は疲れてしまったみたいだ。そうだなぁ。


 「じゃぁ、あやとりしようか。」

 「あやとり?」

 「うん。このくらいの太い紐を輪っかにして遊ぶものだよ。」

 「紐もらってくるー!」

 「私もー!」


 数人の女の子が紐を貰いに家に戻って行くのを見ていると、コランさんがやってきた。


 「何をしているのです?」

 「子供達に遊びを提供していました。」

 「ほぅ。遊びですか。……見ていても良いです?」

 「構いませんよー。」


 コランさんの貼り付けた笑顔を見た子供達は一瞬怖がっていたけれど、見ているだけで何もしないと分かったのか、その後は軽く無視状態だった。すごいな子供って。


 女の子達が持ってきてくれた紐を輪っかにして、あやとりを見せる。


 懐かしいなぁ。お婆ちゃんによく遊んでもらったんだ。楽しくなってあやとりの本も買って色々と作ったりしたものだ。


 「こうやって、こうやると……ほい!三段タワー!」

 「ええぇーー!何それー!難しいよぉ!」

 「じゃぁねー、数人で出来るあやとりをしてみようか。こうやって片方ずつ潜らせて、ここを中指で潜らせて……この形ね。そしたら、何も持っていないもう一人は、その形のこことここを持って、こう潜らせると……こう。」

 「順番に取って行くのね。えっと、こうやってー。」

 「うんうん。この形はね、ここをこうやってやると……。」


 女の子達は一通りの取り方を覚えると、ペアを組んで遊んでいた。たまに間違えて、みんなで笑っている。


 「なかなか興味深い遊びですね。」

 「小さい頃にお婆ちゃんに教えてもらったんです。大人になってからは一緒にやってくれる人もいなくなってしまいましたけど。」

 「そうですか……。」


 その後は、子供達が遊ぶ様子を時間の許す限り見ていた。




 夕ご飯の支度をしていると、外から帰ってきた冒険者さん達がびっくりしていた。


 地面に描いてあるのは魔法陣か!?と。


 子供達は魔法陣のような、けんけんぱを編み出したのだろうか……?

 けんけんぱ。という名前は私がやっていた時の名前です。もしかしたら地域や時代によって名前が違うかもしれないですね。むしろけんけんぱ、なんて無かったり……?無かったとしたら、説明不足かもしれません。


 あやとりは交互に取っていくやつしか出来ません。本を見ながらやってみたんですが、途中でわけわからん!ってなっちゃうんです。

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