塩ぺっぺ、女子、恐ろし
「まさか月見先生・・・・・」
「そ、ご名答さま」
隣で美味しそうにお菓子を食べ続ける月見先生。
(博刻先生とまったく反対なんだけど・・・)
ハムスター月見を見ていると不良組三人に言われる。
「「「手伝え!!!」」」
「やで~す」
観戦してるならこっちに参加しろという顔つきの三人。
お茶をくいっと飲み干しながら
「だって~一般人に怪我させたら段位取り上げられるんですけど~」
国木先生は床に沈めた先生の手を捻りあげながら
「職務義務を行使するなら、そんなもん関係ない。やりたいようにやれ」
おっと言う顔になる月見先生。
「そうくるか~」
「おい、月見。昼代出してやっからやれ」
不適な笑みを浮かべる理緒先生。
「あ~そこまで言われると、やらなくちゃ~」
よっこいせと立ち上がると、背を向けていた伊勢先生の肩を叩いた。
「ど~もせんせ~」
その直後に伊勢先生はすでに床に叩きつけられた。
「ぐぉおおお、なにするんじゃい!吉若ぁああああ!」
背中をさする伊勢先生。
「なにって・・・」
「上司の命令にしたがうのは教師の職務義務ですよ?」
くすっと笑いながら言う。
「女子だからって舐めないでくださいよ?」
ぐぬぬうと唸る伊勢エビ。もとい、伊勢先生。
「なら、男性教員では色々問題になるからな」
窓際で静かに傍観していた木常先生がいった。
「おやおや~おきつねさまですか~?」
月見先生の後ろにいつのまにかいた衛藤先生。
「狐の祟りは怖いですよ?」
月見先生の隣に立ち並びながら言った。
「させないですよ!これ以上上級生の恥をさらすわけにいかないわ!」
木常先生の後ろにざっと五・六人の女性教員が立ち並ぶ。
「あら?随分と大人数ですねぇ?」
西洋の少女・・・はとうに通り越した理白先生。
役者は揃った・・・
「女の祟りも痛いですよ!」
「油断してると、痛いですよ!」
その言葉と同時に白いものが中に飛散する。きゃぁ!とあがる悲鳴。
「ふふふ、古来より厄払いには塩を用いったそうですよ?こう見えて私、神職に就いてたので~」
恍惚顔になりながら言う衛藤先生。
「ぺ、ぺ、うわ。ほんとに塩だ!」
服を払う先生達。
「あら、たいへ~ん。掃除しなきゃ~」
理白先生が箒を振りかざした。
「ホームラン!」
そのままバッティング。
「あらあら~避けちゃうんですか~?」
不適な笑みを浮かべ、笑う二人の女教師。
「に・・・人間じゃない!」
床を這いながら後ずさる先生。背後になにかにぶつかる。見上げると
「いらっしゃ~い」
次々とあがる悲鳴の嵐。舞う塩。振り回される箒乱舞。
まさに女の地獄絵図に変わりなかった。この光景にさすがに男性教員も女性のプライバシーを守って目を臥せる人や背ける人が多い。
この時どの男職員全員が思った。
(女子、おそろしや。人にあらず)