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恐師戦線ー開幕ー  作者: 御辻 とあ
5/8

塩ぺっぺ、女子、恐ろし

「まさか月見先生・・・・・」

「そ、ご名答さま」

隣で美味しそうにお菓子を食べ続ける月見先生。

(博刻先生とまったく反対なんだけど・・・)

ハムスター月見を見ていると不良組三人に言われる。

「「「手伝え!!!」」」

「やで~す」

観戦してるならこっちに参加しろという顔つきの三人。

お茶をくいっと飲み干しながら

「だって~一般人に怪我させたら段位取り上げられるんですけど~」

国木先生は床に沈めた先生の手を捻りあげながら

「職務義務を行使するなら、そんなもん関係ない。やりたいようにやれ」

おっと言う顔になる月見先生。

「そうくるか~」

「おい、月見。昼代出してやっからやれ」

不適な笑みを浮かべる理緒先生。

「あ~そこまで言われると、やらなくちゃ~」

よっこいせと立ち上がると、背を向けていた伊勢先生の肩を叩いた。

 

「ど~もせんせ~」

 

その直後に伊勢先生はすでに床に叩きつけられた。

「ぐぉおおお、なにするんじゃい!吉若ぁああああ!」

背中をさする伊勢先生。

「なにって・・・」

 


「上司の命令にしたがうのは教師の職務義務ですよ?」

 

 

くすっと笑いながら言う。


 

 

 

 

「女子だからって舐めないでくださいよ?」

ぐぬぬうと唸る伊勢エビ。もとい、伊勢先生。

「なら、男性教員では色々問題になるからな」

窓際で静かに傍観していた木常先生がいった。

「おやおや~おきつねさまですか~?」

月見先生の後ろにいつのまにかいた衛藤先生。

「狐の祟りは怖いですよ?」

月見先生の隣に立ち並びながら言った。

「させないですよ!これ以上上級生の恥をさらすわけにいかないわ!」

木常先生の後ろにざっと五・六人の女性教員が立ち並ぶ。

「あら?随分と大人数ですねぇ?」

西洋の少女・・・はとうに通り越した理白先生。

役者は揃った・・・

 


「女の祟りも痛いですよ!」

 

 

 

 

 

 


「油断してると、痛いですよ!」

その言葉と同時に白いものが中に飛散する。きゃぁ!とあがる悲鳴。

「ふふふ、古来より厄払いには塩を用いったそうですよ?こう見えて私、神職に就いてたので~」

恍惚顔になりながら言う衛藤先生。

「ぺ、ぺ、うわ。ほんとに塩だ!」

服を払う先生達。

「あら、たいへ~ん。掃除しなきゃ~」

理白先生が箒を振りかざした。

「ホームラン!」

そのままバッティング。

「あらあら~避けちゃうんですか~?」

不適な笑みを浮かべ、笑う二人の女教師。

「に・・・人間じゃない!」

床を這いながら後ずさる先生。背後になにかにぶつかる。見上げると

 

「いらっしゃ~い」

 

 

次々とあがる悲鳴の嵐。舞う塩。振り回される箒乱舞。

まさに女の地獄絵図に変わりなかった。この光景にさすがに男性教員も女性のプライバシーを守って目を臥せる人や背ける人が多い。

 

この時どの男職員全員が思った。

(女子、おそろしや。人にあらず)

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