表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/229

ベタの町への帰還

魔族との別れの後・・・

「私も一緒に上まで戻るよ」と次元の魔女も付いてくることになった。

「てか、『次元』って呼び方もどうかと思うんだけど名前は無いんです?」

何せ毎回○○の魔女って言うの面倒くさくない?いや、絶対面倒くさい。

「ボクもそうだけど・・・魔女は皆元の名前捨てるんだよ。そしてそのうち忘れちゃうんだね。」

そっか、有紀も名前あったはずなのに覚えてないもんな。

「私も、龍眼が昔なんて名前だったのか聞いたことないや。ん~でも修司君は確かに面倒くさいか・・・。じゃあキミの居た世界で名乗ってた名前を使おうかな。」

そういやちょっと前まで俺の世界に居たんだったな、この魔女。

「エミリー・ノートン。私はその名前で活動してたから、エミリーって呼んでくれたら分かりやすいかな?」

「日本人名取らなかったんだね。」

「ニホンはね、戸籍管理厳しすぎなんだよ・・・。だから諦めちゃった。」

そういうもんか。でも持って帰ってきたヘアアイロンは日本産だったから、日本で過ごしてたんだろうけどね。

道中のモンスターは俺が倒そうかと思ったが「さくっと戻りたいでしょ?」とエミリーの提案で、彼女が倒しながら進むことになった。

なんていうか、有紀も強いけど彼女もやっぱり強い。

6層でゴーレムが密集しているところに普通に歩いていくし、そのままゴーレムが襲い掛かっても彼女に触れる前に終わる。てか・・・

「今の魔術なんだ?」

ロックのように岩をぶつけたとかじゃなくて彼女の体から出る魔力を素早くぶつけただけでゴーレムが崩れたぞ。

「ん?今のは魔術じゃないよ。魔力を圧縮してゴーレムの核にぶつけただけ。」

圧縮!?有紀・・・!

って有紀を見たら目を逸らした!

「え?なんだよ有紀!なんで目を逸らした!?」

「ああ、修司君。彼女を責めてはダメだよ。」

「え?え?どうことです?エミリーさん。」

「む・・・ちょっと修司君さぁ・・・。敬語と『さん』づけ止めてくれない?もっと親しくして欲しいな!」

「あ、はい。改めて・・・、どういうことだ?エミリー」

「へへへ」と笑いながら機嫌よくなったエミリーが言うには・・・。

「龍眼の魔女は魔力圧縮がめちゃくちゃ苦手だったんだよ。」

ね?とエミリーが有紀に続きを促す。

「うん、修司。ボクら魔女で、魔術というのは『出力』『強度』『処理量』の3つが優劣を決める手段なんだけど、ボクは処理量に特化してるから出力と強度は低い。」

いきなり新しい単語が3つ出たんですが・・・。と言うことで説明を求める。

・出力:一回の魔術で放出できる魔力の量、これにより威力の上限が決まる。

・強度:魔術の構築妨害に対する耐性。強度が高いと妨害受けても魔術の発動が可能になる。

・処理量:一度に構築できる魔術の数。高いほど同時に使用可能な魔術の量が増える。

と、大体こんな感じだった。

魔女は普通の人間に比べて魔力量も威力も比較にならないのでこの点に触れられることはまずない。が、魔女同士だとこの3要素によって優劣が決まるらしい。

「で、ボクは処理量に特化してるんだよ。出力はそこそこだけど、強度に居たってはダメな子でね・・・。話を戻すけど、『魔力圧縮』は魔術処理量が落ちるからボク向けじゃないんだ。」

「そう、彼女は魔力圧縮すれば魔女としては弱くなるタイプだから教えたけど習得には至らなかった、というわけだね。」

ちなみに圧縮が向いてるのは強度と出力の両方が高いタイプだけど、そのタイプは基本的に処理量が低いらしい。

「それと、序列・・・ってなに?」

「良くぞ聞いてくれた、修司君!序列は私が作った魔女の順位を決めるシステムだよ!」

「あ、はい。」

ダンジョン6層でゴーレムを魔力打ち出しで瞬殺しながらもエミリーは話す。魔力を圧縮して打ち出すだけで倒せるっていうのもやばいけどゴーレムを見向きもせず処理していくあたりは「魔女がランク0」として扱われるのが良く分かる。

さて、序列については先ほどの3要素について、エミリーを100として評価したときのその合計点で判断したものらしい。

「まあ実際に戦うと10~20点ぐらいの差なら逆転することはあるけど、それ以上に差がついているとその合計点がそのまま魔女の戦闘能力になってるね。ああ、新月の魔女だけは別か。」

エミリーが基準なので300点として、有紀の場合はというと・・・。

・出力:60

・強度:40

・処理量:150

合計260点となる。あ、エミリーを越えるケースあるのか。

「最近魔女も増えたけど、それでもこの子は序列4位の戦闘力だよ。・・・今はどうだろう、結構ダウンしてるかもね。」

今でも十分強いんですけどね。

「ちょっと沢山話しすぎて情報追いついてないかな?大丈夫?」

「なんとか、大丈夫。とりあえず有紀が魔力を圧縮できないというのは理解した。」

「圧縮できれば魔術の出力は上がるんだけど強度下がるっていうデメリットがあるんだけど、ボクの強度じゃ致命的過ぎるでしょ・・・。なので出力を補うのがこの『龍牙穿空』だね。強度は処理量・・・手数で何とかするっていうのがボクのスタイルだよ。」

なるほどねぇ。

魔女が2人いると魔女の世界が知れて面白いな。

そんな話をしながら俺達は地表に戻った。


※現時点のステータス


佐野修司 ランク2

ステータス

 筋力:80

 敏捷:80

 体力:70

 魔力:90

スキル

 魔術:ブラスト、フレイム、ロック、ミスト、ブラインド、ウォール、バインド、キープ

 魔法:ハードスキン、アヴォイド

 アーツ:パワースラッシュ、烈炎の剣


神城有紀

ランク:0

ステータス(以前より力を取り戻している状態)

 筋力:10

 敏捷:30

 体力:測定不能

 魔力:測定不能

  出力:60

  強度:40

  処理量:150

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ