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ベタ東ダンジョン3層・4層終了

俺達は1週間ちょっと篭っていたダンジョンから出た。

「疲れたー。」

いやあ、日光が気持ち良いな!

「まだ、終わりじゃないけどね?ギルド行かないとね。」

有紀が催促する。

3層・4層の依頼の品をギルドに納品するんだった。


冒険者ギルドに行くと、ココアさん達が居た。1・2層地図の細かいマッピングは彼女達のクランがやってくれたことだから、呼び捨てにしないでおこうと思う。

というかココアさん以外男だな、しかもガタイがいいのばかり。なんか風変わりなクランだな、と改めて思う。

「あら?お久しぶり~!死んでいなくて何よりだよ!」

ココアさんが明るい声でいう。キャラ作ってるなって思うけど、スルーしとく。

「お陰さまで。それと1層2層の地図ありがとう、お陰で迷わずに3層いけたよ。」

有紀がお礼を言う。俺も言おうとしたけど、俺を牽制するように有紀が動く。

「私たちも遊んでるわけじゃないからね!これからも頑張るんだゾ!」

あーはいはい。

とりあえず俺は話に出ないようにしとく。ガタイ良いお兄さん形がめっちゃ俺を見てるからね。

「それじゃ、ボクらは依頼の報告してくるから、ここで。」

有紀がサクと切り上げていく。ココアさんも別に切り上げられて不機嫌になるってことはなかった。

囲いがいるし、そっちにチヤホヤされるほうが優先だろうからね。

「あのクランは、ココアさんの存在が高ランクの冒険者の癒しなんだろうね。」

チラっと俺は彼女らをみると、男達は幸せそうにしてる。

きっと、高ランクになるまでのダンジョンの日々に疲れて、ココアさんに惚れこんでクランに入ったんだろうな。今1・2層ばかりやってるけど、彼らにとっては今までのストレスから開放されて幸せなんだと思う。

「有紀も作ればよかったんじゃない?あんな感じのクラン。」

有紀はぶっちゃけココアさんより可愛いし、できるだろう・・・って思ったけど、言ってから思った。

「ボク、あんなコミュニケーション取れない・・・」

「う、すまん。」

コミュ障だったんだよなあ、コイツ。

そう考えると、ココアさんの姫っぷりは凄い。ここまで高ランクを囲ってるのは、それまでに魅力を見せた結果だし、その努力か才能か分からないけどコミュニケーションの結果だろう。

ゲームでこんな子が居たら「姫ちゃん(笑)」と思うけど、リアルに見るとちょっとバカには出来ないな。

俺はその光景みてうらやましいとは思えないし、輪に入りたいとも思わないけど、一つのクランの形としてこういう維持の仕方もあるんだなって思うと勉強になる。


ギルドの依頼を報告した結果。

6万コムになった。

「あれ?多くない?」

俺はギルドの受付に聞くと、受付のお兄さんが教えてくれた。

「3層のマッピングもしてくれたでしょう?そのマッピングに対する報酬と、4層に生えてた草も提出してくれたことの報酬だね。特別珍しいわけではないんだけど、4層に生えているという『情報』をギルドが買ったということで。」

なるほど、情報を購入してくれたのか。

元々無償で、と思ってた俺達だけどギルドが買取の方向でやってくれてたみたいだ。

4層に生えてた草(食ってみたら肉料理の付け合せに出てくるクレソンだっけ?に似てる味だった)は他のダンジョンでも生えてるみたいだけど、「初級ダンジョンにも存在する」という情報が商人ギルドに売れるらしい。

まあ、もしかしたら滋養増強の効果がある湧き水の側で生えてるんだから、このクレソンらしき草にも滋養増強の効果があるかもしれないが、その辺りは鑑定できる商人が見ないと分からない。

ともかく、俺達は情報を買い取ってもらえたことで依頼報酬よりも多くのお金を手に入れることが出来た。

これで所持金は現在8万コムになる。

「今日の宿はどこにしようか?」

有紀が声をかける。

うーん、正直武器・防具の更新もしておきたい。武器は以前価格より良いグレードのものを手に入れたとはいえ、俺の中で物足りなさを感じていた。正直、もう少し重量感のあるものが欲しい。

防具はこのままでも良いと思っていたが、レザーの防具があちこち磨り減ってる。メンテナンスしてもこの先耐えられるかどうかいささか疑問だ。

そんな話を有紀に相談する。

「確かに、修司は結構強くなってるしこの先も二人で潜るとなると全体的に装備を更新しておきたいね。」

有紀は考え、いや全然考えずに直ぐに結論を出した。

「よし、じゃあちょっと安めの宿にしよう。相部屋にすれば節約できるでしょ。」

「え?」

「え?」

「い、いや、部屋同じでいいんか?」

「何を今更・・・、アルカ村のダンジョンでも相部屋だったじゃん。それに3層でも同じ部屋で寝泊りしてたでしょ?」

そうなんだよな、既に相部屋は慣れたもので変に意識するほうがおかしいんだよな。

と思ったら有紀も顔赤い。

「意識してしまうと恥ずかしいんだ・・・。成り行きってことで納得しとこ・・・?」

可愛いなあ、3ヶ月も女の有紀と一緒に居るけど、うん、反応が可愛いな。

宿についてはベタの町東部エリアの一番東のエリアが大分安かった。

冒険者ギルドまで徒歩30分ほどあるが、まあ時間キツイ生活してるわけでもないので、そこは気にしない。


「ようこそ『そよ風亭』へ。」

母娘で経営してるらしい、すこしボロい宿に俺達は入った。外観からは予想できないほど中は掃除がしっかりされており綺麗だ。調度品は無く質素ではあるけど衛生面に気を使ってるようだ。

価格は一晩5000コム、この付近では正直かなり安い。初日の宿が1万コムだったことを考えると。

相部屋で、と頼むと娘(幼女)が部屋を案内してくれた。

親子で切り盛りしているこの宿は、別に全く冒険者が来ないわけじゃないらしい。

この価格だから貧乏な冒険者は多少移動距離を犠牲にしてでもこの宿を選ぶ。

またベタの町より東から徒歩で来た冒険者にとっても東端にある宿はありがたい。くたくたの足で町の中を歩くのは辛いのでこの宿に立ち寄るんだそうだ。

なので繁盛は全然してないけど廃業するようなこともない。

父親は?と思ったら、父親は普通に存命で農業やってるらしい。

宿で出る食材の大半はその農場から安く仕入れたものなのも、この宿が安く出来ている理由の一つなんだと。

俺達二人にとっては過剰なサービスは不要なので、食事つきでこの値段なら、俺達には「良い宿」だ。

「部屋はちょっと狭めだけど綺麗だし、何よりも調度品(変なもの)もなくてスッキリしてるのが良い。ボクは気に入ったよ。」

有紀も気に入ったようだ。部屋は5畳ぐらいで、ベッドが2段ベッドになっていて、それだけで部屋の半分を占拠してる。荷物を置いたら「ちょっと床でイチャイチャしない?」なんてスペースは完全に無くなる。まあそもそも床イチャってなんだよって話だけど。

この狭さでも清潔感があるので、俺も好きだな。広い部屋よりもこのくらいのほうが夜の警戒範囲が狭くて住む分落ち着く。

警戒とか・・・。ダンジョンで警戒する癖でもついちゃってるのかもしれないな。



※現時点のステータス

佐野修司 ランク2

ステータス

 筋力:60(特殊能力使用で66まで上昇可能)

 敏捷:55

 体力:50

 魔力:65

スキル

 魔術:ブラスト、フレイム、ミスト、ブラインド、ハードスキン、アヴォイド、ウォール、バインド、キープ

 魔法:ハードスキン、アヴォイド

 アーツ:パワースラッシュ


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