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ベタ東ダンジョン4層

3層の地図を埋めきった日、俺達はそのまま4層へ突入した。

俺達が受けた依頼は2つ

①ウルフドロップの収集

ウルフの牙 個数無限 1個につき100コム

ウルフの毛皮 個数無限 1個につき1000コム

牙は2匹に1個の割合で落とす

毛皮はレアで10匹に1個の割合で落とす(フレイムで燃やしてもちゃんとドロップした)

3層の地図完成までの1週間で牙100、毛皮10個ほど手に入れている。

大体1日40匹~50匹の割合で倒してればこんなもんか。

②汲み取り依頼

4層から水を汲んでくる

ビン5本支給 1本につき5000コム

今回はこの②の依頼をこなす。

「ただ4層はウルフの寝床と言うこともあって、マッピングは厳しいかも。」

そう、ウルフの住居となっているためズカズカと踏み込めばこちらも危ない。

したがって4層は5層までの通路(これは貰った地図に記載ある)をもう少し詳細にする程度に留める。


4層・・・ここは3層以上にウルフの獣のニオイが充満してる。

「こっちだね。」

有紀が先行してくれる。

彼女がミストを展開している。今回は生活魔術の一つである消臭魔術も組み込んで嗅覚の鋭いウルフの感知能力に対抗する形だ。ついでにサイレンスも混ぜてるのかな。

地図の通りだと1時間ほどで5層への階段に至るが途中にいくつかフロアがあるようだ。

そこに湧き水があるかどうかをチェックするし、ウルフが居る場合は討伐する。

そのため通路上は1時間でも実際には半日は覚悟しておかないといけないな。

10分ほどで1つ目のフロアに到達する。

「湧き水は・・・ないね。」

学校の体育館ほど面積のフロアだが、湧き水は存在していない。ついでにウルフも居なかった。

まあ居ないのは有紀が感知してるから分かるんだけども。

2つ目・・・3つ目のフロアにも何も無かった。

「んん・・・」

有紀が唸る、どうしたんだ?

「次のフロアなんだけど、3匹いるね。」

3匹か、うーん・・・。

今までは1匹ずつだったのと、ウルフの機動力を削ぐために通路での戦闘だったわけだけど、どうするかな。俺は少し考える。

アルカダンジョンでもスケルトン複数との戦闘をしたこともあるけど、ウルフはとにかく機動力と反応が早いので複数での戦闘は難易度が高い。でも越えないといけない壁かもしれないな。

「よし、フロアに乗り込んで討伐しよう。」

俺は有紀に伝える。

「だ、大丈夫?修司、大変だよ?」

有紀は少し心配症だな。いざっていうときは頼むぞ!


部屋の前にたどり着く。

本来であれば既に気づかれてるはずだが、有紀の魔術によりバレずにいる。

こっから一気に突っ込むわけだが、ウルフが応援を呼ぶことを防ぐために有紀には入り口付近にサイレンスを仕掛けてもらい音が外に漏れないようにしてもらおう。

「いくぜ!」

俺は一気に入り込む。

3匹のウルフも驚いたようだが直ぐに臨戦態勢に入る。仮にウルフA・B・Cとしておこう。

直ぐにハウリングを仕掛けてくるが、正直これは俺の周辺にもサイレンスを一時的にかけてもらったことでハウリングは全く届いていない。気合で耐える手もあったが3匹同時のハウリングに耐えられるかどうかはわからなかったしね。

向こうは恐らく効果ありと見ているだろう。早速ウルフAが飛び掛ってきた。

けど、残念、俺は直ぐ動ける。

(ウォール!)

ガィン!とウルフAを弾くと同時にフレイムで毛を発火させつつ一気に距離をつめてパワースラッシュを放つ。この流れは1対1で使用していた手段だ。

が、今回は3匹だ。パワースラッシュ発動させてるときに右腕に噛み付いてきた。

「っぐ・・・!」

ハードスキンも使用しているが効果が薄くなっていたようで牙が食い込む。

だがアーツは中断することなくそのままウルフAに向かって剣を振り下ろし首をはねる。

「よし!て、あぶない!」

ウルフCはウルフAを攻撃しかけてるときにスルリと俺の左に移動していたようで、首を目掛けて飛び掛ってきていたのでウルフAを倒すと同時にアヴォイドで後方へ逃げる。

ウルフBも噛み付いたまま離れずアヴォイドで一緒についてきてしまった。俺の腕を引っ張り押し倒そうとしている。結構力が強いので普通に俺が地面に転がされそうになるが、ミサンガにより筋力を少し上昇することで抵抗できていた。

ただ時間の問題だ。早く外さないといけない。

(ブラスト!)

そこで俺はブラストを発動させる。位置は俺の腕表面!

ゴウ!と巻き起こる爆風はウルフの口腔に大量の空気を送り込み、ウルフBは慌てて牙を外し距離を置く。

その間にウルフCが駆け寄るがヤツの攻撃の直前にまたアヴォイドを使用し、距離を置く。

ミサンガのお陰かな、魔力消費は確かに減っていて魔術・魔法の連続使用も容易なのだが・・・

「っふ・・・ふう・・・はぁ・・・はぁ・・・」

体力が持たない、ウルフBとCから距離取ってる間に酸素を取り入れなければ、と考えていたら直ぐにウルフたちが攻撃に移る。ウルフBと俺を挟んで反対側にウルフCが移動する。

アイツら、休ませないことを知ってるんだな!腕からはウルフBが食い込ませた牙による出血がある。

この出血も少しずつ体力を削っていくし、長期戦は俺も無理だ。

ウルフBに向かってこちらも駆け出す。もちろん首のあたりはバックラーで隠しながらだ。

Bが止まり迎撃体勢に姿勢を変えたところで急反転し、ウルフCへ攻撃を仕掛ける。すると攻撃態勢に入ろうとして背後に迫っていたCは横にかわす。

「っち、でもまだだ!」

丁度Bは俺の反転を受けて再度首を狙い背中から飛び掛ってるところだ。コレを待っていた!

(アヴォイド!)

背面からの攻撃を回避する、そして回避方向はウルフCの側だ。

一気に接近し、鼻先にバックラーをぶつけに行く!ここは毛による防御がないから・・・!

「はっ!」

気合を入れてぶつけに行くもヤツは攻撃によるダメージを回避するために後方にジャンプしていた。

ガンという音はなったものの上手く威力を殺されてしまったようだ。

が、それで良い。

「フレイム!」

声に出ちゃったが、ウルフCが空中で回避できないところにフレイムをぶつける!

ギャン!という鳴き声と共にCの毛が燃えている。

更に追撃・・・と言うところで足首に痛みが走る。

「・・・っち!」

片方に気を取られたせいでもう片方に攻撃を許してしまった・・・。

近いならいけるか?こいつにもフレイムをぶつけようとするも、魔力を感知されウルフBは俺の足首から牙を外し避ける。

くそ・・・。

俺は右腕、そして右足首に牙による出血。毒が無かったのは幸いか。

ウルフCはフレイムにより毛は焼かれ、皮膚にも火傷がある。だが、ウルフBは無傷だ。

「初見殺し」のときは長期戦でも1対1だった上に攻撃自体は単調だった。

今回は複数かつ複雑な動きのせいで短時間でも息が上がってしまう。これ以上時間かけると俺がまずい。

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