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ガマー村への移動4

夜中、静かながらも物音がしたため俺は目を覚ました。

隣には有紀が寝てる。あれ?これ宿のベッドのときより近くない?いいの?触れちゃうよ?

・・・なんてね。

でも硬い場所で寝させるのも申し訳ないし、せめて枕だけでも有紀の頭を持ち上げて敷いてあげる。

これが行けなかった。

「ん・・・あれ?修司おはよう。」

目覚ましてしまった!そして俺が頭に手を当てて浮かせて枕を敷いてたのを状況から理解したようで、ちょっと気まずそう。

周りに気を使って小声で話をする。

「修司つかってて良いんだよ。」

「いや、もう大丈夫だよ。有紀がこっちで寝なよ。元々有紀のものなんだし。」

ってか、起こしてごめん・・・と言ったら起きたのは俺のせいじゃなかったみたい。

「少し物音がしたから目が覚めかけだったんだよ。」

同じか、と思って回りをみたらルカさんとレイヤさんがいない。

「・・・見回りか?」

「それにしては、ね・・・、ここをガラ空きにするかな・・・?」

ジャックさんは寝てるからあの二人が一緒に行動してる?何のため?

「向こうだね。人が二人居る。」

「ここで使うのか、龍眼。」

便利レーダーで居場所ばっちりってやつだな。


直ぐ側に茂みがある、さっきの音はそこを通ったときの音だろう。

こっそりとその茂みまで近づく。

あの二人は更に奥に居るようだけど、どうするか・・・。

「ミストで音の反響少し抑えられるよな?」

霧の外から中へ向かう音はその水分が邪魔をして伝わりにくい、というのは聞いたことある。

有紀は少しニコっとして・・・

「ボクはそういう使い方したことがないから、やっぱ修司のほうが発想力あるね。でもここは、『サイレンス』を使うよ。」

と、言って茂みの中に入った。

「おいおい」と思ったが茂みに入ったときに揺らされているはずの音は立てることはなかった。

「ボクらの周囲だけ音を封じてあるよ。これにちょっとブラインドを足して目立たなくする。」

あくまで俺達二人には普通に見えるが、外部からは少し暗くて「誰かがいる」とは思えないだろう。

サイレンスはそのまま「沈黙」を目的にした魔術かな。対象の音を封じる・・・例えば今回は空間を指定した魔術のようだ。だから、俺達二人の会話は通じるんだな。


そのままゆっくりと進むと5分ほどで二人の姿を発見した。

ってか・・・見ちゃいけないシーンだった。

裸の男女って言ってもルカさんとレイヤさんしかありえないが、二人が絡み合ってた。

「うお・・・」

「サイレンスなかったら絶対バレてたね、声で。」

ヤってる最中か、ここは戻るべきかな。なんとなく気まずい。

と思って有紀を見たら、すっごいガン見してた。

「ゆ、有紀・・・?」

「いや、いやいや、後学のためにね!いやあレイヤさんってクールキャラだと思ってたけど、すごいエッチな表情するんだね。スタイルもスレンダーで綺麗だし。」

こちらに目を動かすことなく答える。見すぎじゃない?

って、あ・・・動き止った。ルカさん出し終えたな。

俺も見ちゃってた。

外で、しかもちょっとの時間でやることやるから手早く終わらせるんだな。

「ね、エロ本みたいにじっくりやるのかと思ってた。」

「有紀、その顔で言われると結構ムラっとする。」

「あ、ごめん。」

有紀は宿で同室の頃から俺がムラっとしないように気を使ってくれてたんだけど、とっさのときはこうなってしまう。

彼女なりにそれは悪いと思ってるようだけど、それって「処理できないから」だよね。

まあでも俺も友人に処理してもらうっていうのは何かすげえ気まずい。

それにしてもレイヤさんはスレンダーだけど、多分裸で男受けが良いのは有紀のように「触りたいところにちゃんと肉がある」タイプだと思う。

・・・って本人は言えない。というかそんなこと言ったら言ったでやっぱり気まずいし。

「・・・ねぇ。」

「!!!」

ドキっとした。レイヤさんが喋ったようだけど、俺達に語りかけたのかと思った。

有紀もそう思ったみたいでめちゃくちゃ目が開いてる。

「ん?どうした?レイヤ。」

どうやらレイヤさんはルカさんに声をかけただけみたいだ。そりゃ魔女のサイレンスが簡単に看破されても困る。

「本当に村長に言うの?」

「言うさ。言わないと、お前と一緒に居られないじゃないか。」

二人のやり取りが始まる。ちょっと興味あるな。

ヤることやってるのに一緒に居られなくなるっていうのも謎だし。

有紀も聞き耳立ててるけど、内容そのものよりもレイヤさんが猫なで声になってることに興味もってるだろ・・・、何が「勉強になるな」だよ。

「いや、ちゃんと聞いてるよ。」と有紀。そりゃ、ちょっと大事な話みたいだし聞いておくべきじゃない?

本当は逆か、大事な話だからこそ聞くべきじゃないのかもしれないが、ここで聞かずに戻るとなんかモヤモヤしてしまう、するよね?

「ジャックにも悪いし、村のルール通りにしたほうが良いのではないかって悩むのよ。」

「まあ、ジャックにはな・・・。アイツにはレイヤを奪う形になるから悪いと思ってるさ。3人でずっとやってきたし、これからも一緒が良いけどさ、やっぱそれは無理だな。俺がお前を諦めないと成立しないだろう?」

「私もルカを諦めろといわれてしまったらやっぱり無理よ。でも、色々考えてしまうの。」

「ただ、時間がもうないだろう。あと1年でお前はジャックと結婚だ。15のときに決められた話を覆すには、俺達が村を捨てるしかない。」

んー?どうやらジャックさんとレイヤさんは結婚が決まってるけど、ルカさんとレイヤさんはお互い好きあってる、ということか。

「冒険者同士ってね、くっつきやすいんだよ。『つり橋効果』ってやつだね。」

多分、冒険者として過ごすうちに二人が好きあったケースだね。

「今回の護衛が終わったらジャックと、村長に伝えよう。」

「・・・分かったわ。」

おっと、話が終わってしまったようだ。

二人が着替えている間に戻ろう。

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