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女になった親友と異世界ダンジョン攻略  作者: りょうりちょー
第2章 王都からの冒険者生活
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バリアントパーティー2

パーティーでの狩りというのは1人の負担が少なめで、かつ安全性も高い。


それを俺はバリアントのパーティーに参加して、実感した。


「そうだ。なあサモロン、修司君に何か教えられるスキルはあるか?」


ランベールがサモロンに声をかける。


「うーん」と考えるサモロンを置いて、ランベールは俺に話を続ける。


「色々話を聞いておくのも良い機会だと思うんだが、どうだろう?」


「そうですね、確かに俺はパーティーでの行動をしないから冒険者の事を余り知らないんですし…」


有紀とかエミリーと行動しても、彼女達も職業を持った冒険者じゃない。というかエミリーは冒険者でもないんだけど。


だから職業を持った冒険者とこういう話をするのは今回初めてだと思う。


「あの…」とサモロンが手を上げる。彼は盗賊だけど、どんなスキルを使ってるのだろう。


「俺の、盗賊としてのスキルで最も使うのは『スニーク』かな」


「スニーク」


「うん、足音を殺して歩く盗賊の初歩スキルだけど、これで大体背後取りやすくなるよ」


「修司君はアーツや魔術、魔法とか使えるだろう?」


サモロンの話に合わせてランベールが俺に話しかける。


「あ、はい」


「彼、サモロンの使うのはそれらのスキル…アクティブスキルと言うんだが、それとは異なるパッシブスキルと言うカテゴリに属するものなんだ」


あ、それはゲームで聞いたことあるな。


アクティブスキルは自分で使用するスキルに対して、パッシブは習得したら常にそのスキルの効果が発動する。ゲームだとこんな感じだったけど、どうやらランベールの話だと同じようなものらしい。


そしてサモロンが話を続ける。


「俺のスニークは盗賊を始めるときに必ず習得する。君は盗賊ではないけど、良ければ覚えてみる?」


「え?覚えられるんですか?」


「勿論。ただ、覚えるだけでなく、実践しないと定着はしないよ」


「覚えたいですね」


オールラウンド型なら敵の矢面に立つだけじゃなくて、背後からの一撃なんかも決められるようにならないといけない。そう考えると背後に回りやすくなるスキルがあるなら欲しいよな。


他にもマリーはホークアイというスキルを紹介してもらえた。


これは遠方まで見渡せるスキルらしい。狩人だから遠くに居る小さな獲物を狙う事もあるので、狩人を始める際に最優先で教わるスキルなんだとか。


「でも、残念ながらスニークよりも習得に年月を必要とするものなので、今日明日での習得は難しいかも知れません」


マリーがこのホークアイを使えるようになったのは狩人として始めてから3年経った頃らしい。


専門の人でもこれだけ掛かるとなると、俺には無理かな。


ちなみにスニークは習得自体は直ぐ出来る。


「スニークの精度は日々の鍛錬だから、最初は意識するように歩くと良いよ」


と、サモロンからアドバイスされる。


習得は出来てもその効果は徐々に向上するタイプらしい。


俺の知らないスキルが色々あるんだな…。俺が、っていうか有紀も魔術で強引に進められるから彼女もパッシブスキルとか存在すら知らなかったんじゃないだろうか。


「私はねー、戦闘でも見てると思うけど2つの魔法を同時に放つ『ダブルキャスト』お勧めするよー。魔法使いでもー、これは習得しない人も居るし、する人もいるかなあー」


オノリーヌは言いつつ耳をピコピコさせる。


そう、彼女はネコ耳とその話し方でバリアントパーティーの癒し的存在だったのだ!


まあただ年上の人の耳を触らせてもらうと言うのも気が引けるから我慢してるけど、耳が動くたびにそっちに目が行ってしまう。


それはさておき、彼女の話を纏める。


魔法使いのダブルキャストは初級魔法を同時に2種使う為のスキルらしい。


ただオノリーヌの場合はスキルを昇華させていくつかの中級魔法でも使用可能にしている。この人は見かけによらず魔法やスキルの研究をしてるんだな…。


ダブルキャストを習得しないタイプの魔法使いは上級や最上級魔法を習得する。


「魔法使いの冒険者が使える魔法はねー、精々中級までなんだよー」


「それって、それより上の魔法は範囲と威力の問題で味方を巻き込むから…?」


俺は有紀が中級魔術すら滅多に使ってなかった理由を思い出しながらオノリーヌに反応する。


「そうー!魔女の有紀ちゃんも同じ事言ってたのかなー?」


「そうです」


「やっぱりーそうだよねえー。魔法と魔術ー、違いもあるけどー、使いどころは似てるよねー」


「ああ、そうですねー」


あ、語尾伸びてしまった。


でも言いたい事は分かった。


オノリーヌは冒険者をやる以上、上級魔法は不要な代わりに中級以下を組み合わせて用いるダブルキャストを習得する方を選んだ訳だ。ただ、ここまで使いこなせる人はあんまり居ないらしく、ランベールが言うには「冒険者のランクを上げていれば今頃ランク7以上だ」との事。


まあこのパーティは皆モンスターを余裕で屠るから強いのは分かってるけどね。


ダブルキャストは魔法の構築をカスタマイズする能力が問われる。しかし、俺の場合は裏技的に魔術を覚えて、それが魔法に統合してるパターン…するにイレギュラーな訳で…。


「うーん、残念ー。修司くーんはこれ習得できないかー…」


これは俺も仕方ない…。ただダブルキャストを覚える手順と言うかコツは一応聞けたので、いつか習得しようと思えば出来るようになるかもしれない。


「いや~色々教えてもらえて勉強になります」


俺は皆にお礼を言う。


「いや、待てよ!」


ん?横からジャンが叫ぶ。


「俺の話は!?」


あ、忘れてた。


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