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女になった親友と異世界ダンジョン攻略  作者: りょうりちょー
第2章 王都からの冒険者生活
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帰り道2

俺しか居ない部屋で寝転がり、光の消えた暗闇の中で俺はボーっと考え事をする。


俺達のクラスメイトのうち、何人が帰る意思を持っているのか…?


寺崎達は覇者の塔に通い詰めてるし、彼らは戻るつもりだと思う。


一方で早乙女先生は戻る気は恐らく無いだろうな…。


他はどうなんだろう?


いや、そもそもだ。


「上層に行くための扉を開く鍵…。って鍵…王様持ってるんじゃねえかよ…」


覇者の塔で再会したときにその事は伝えたけど「まずは人が集まらない事には交渉も出来ない」と返事をされた。


勿論寺崎の意見は正しい。


「5人で攻略するんで鍵よこせ」と言って出してもらえるのか?


覇者の塔を登った先に世界を支配する力が得られる…そんな話があるとして、現時点で世界を支配しているダース王国の王様が自分の地位を危ぶめるかもしれない事をするのか…。まあしないだろう。


でも、大人数でも王様は素直に従ってくれるのかと言われると、正直謎ではある。


ただまあ、少人数よりはずっと可能性がある。


人が集まらないと行けない以上、まだ先の話となるだろうし、人数が揃うまでに俺が人数として見られるようにレベルアップを図れば良い。


よし、この問題は解決しようが無いからもういいや。


「あー」


俺は人が居ないのを良い事に、呻きながら寝返りを打つ。呻いたら普段なら有紀が心配するだろうけど、今は居ないしね。


「後は…有紀の事もあるし、俺自身強くなる必要はあるし…考えてしまうよなあ…」


そうだ、強くなる事…。


俺はちょっと今後の方向性が見えてきたんだった。


今俺が使えるものは「魔力」は当然として、「瘴気」と呼ばれてこの世界の住民には毒となるような力も扱える。月では「特殊な魔力」(俺は「融合の魔力」と呼ぶことにしたけど)を得たし、更に陽光・新月の魔女により伝授された「陰陽の気」がある。


俺は環境に対して適応する能力があって、魔力以外の各種エネルギーを認識して使えるようになっている。


であれば魔力以外のエネルギーを操れるようになればどうだろうか?


例えば瘴気をもっと広く使用できれば、この世界に対しては有効な攻撃だろうし、陰陽の気をより自由に引き出せればスキルの威力は上がると思う。


それに、龍気か。これも習得したいと思う。


龍気を使える竜族は異様に身体能力が高いらしく、その話から推測するに自分の能力をグンと上昇させるような類だと思われる。


勿論他にも能力があると思うが、有紀が聞いている情報だとそのくらいしか分からないらしい。


俺が習得し、扱えるようになれば結構ブーストできるんだけどな。


他に何が出来るか…。


アリアが言ってた精霊武器を手に入れるというのも有りだと思う。


「精霊武器…か」


魔力が人並みの俺がランク10並みになるならブーストできるものが必要になるかもしれないし、そうなると精霊武器は欲しい所か。


しかし、どこにあるのやら…。


ジェラ市に行けばエンドレス・ソウルの支部がある。そこで本部と通信可能なので翡翠と連絡を取ってみようかな。何か情報があると良いんだけど。


精霊武器を入手するというよりは実物を見たいという事なら大樹の魔女が持ってる木刀なんかは参考になりそうだけど、南の王国までの移動距離考えると優先度は低いか。


まあ、これに関しても情報が無い限り動きようが無いかもしれない。


「あとは有紀か」


正直一番問題なのはこれなんじゃない?と俺は思う。


昨日の夜、俺が暴走してたのもあるけど、有紀はそれを受け入れてくれてた訳で、更には自分から接吻してる訳で…。


主人格の有紀と過ごした月での生活である程度有紀が持っている俺への好意は分かっていたけど、今の有紀からこのような好意の表現は初なんじゃないだろうか。


「あ…」


そういえば俺昨日寝るときに有紀に「好き」と言ってしまった気がする。


「あああ…」


なんて事を言ってしまったんだろうか。俺は有紀の事を親友だと思ってるし、これからもそう思うつもりだったけど。


ああいや、でも「好き」なら友達として…と言い訳は出来るか?


逆に有紀のやった事は友達としての表現ではないよな。と思ったけど、これも親愛の証としてする事はあるのかな?…いや、でも口だぞ?友達同士であり得るか…?


あの場だけで言えば少なくとも有紀は恋愛としての好意を示す結果の行動だし、それに対する俺の言葉もそういう意味を持っている訳だ。


…言い訳は止めよう。俺はあの時確かに親友としてではなく1人の女として「好き」だと思ったんだな。


そうか、前々から心が揺れることはあったにしても遂に口にしてしまったか…。


「有紀はどう思ってるんだろうな」


ニーカの添い寝を了承したのも何のためらいも無く即決だった。


普段の有紀なら俺のことを考えて、少し渋る。で、俺が「行っておいで」と伝えると動く。


そんな感じの子だけど、さっきは悩む事も無く決めた。


多分有紀も俺と同じ感じなのかなと思う。


まあ大体こういうのはジャンとかランベールに男の先輩として相談すべきなんだろうけど、彼らの答えは分かりきってて「お互い好きなら良いじゃないか」と言われるのが目に見えてる。


この世界の人は基本的にダンジョンでモンスターを討伐をする。採集にしてもモンスターが居るエリアまで行かなきゃいけない事だってあるし。


要するに危険な場所で生活している訳だ。勿論昔よりモンスターの脅威は減ってるにせよ、それでも死ぬ人は死ぬ。


だからこそ、割と恋愛に関してはストレートだったりする。


例えばジャンから言わせれば「もう好きあってるんだからやる事やれよ」となる。やることって何だよ…。


要するに「好き合ってるなら何を躊躇うのか?その必要は無いだろう」って感じだな。そりゃね、何時死ぬか分からないんだからそういう恋愛感になるよな、この世界は。


だけど俺はそうじゃない。勿論この世界で生きるなら、何かの拍子に死ぬ事もあるだろうけど、価値観はまだ元の世界の部分が多い。


「そういう問題じゃないか」


俺は女子と交流を持った経験もなくて、会話はまだ出来るけど、付き合い方を知らない。


有紀を好きだとして、お互いに親友のラインを超えるとしても「で、やることやる?」と言われたら難しい。


俺にとって女子の体は未知の領域な訳で、俺はそこに踏み込めるのかって言うと結構勇気が必要だしね。


ただ、今までと違うのは有紀も俺もお互いに気持ちを伝えてると言う点だ。


まあ有紀の場合は言葉にしてないけど、それ以上に意味のある行為をしたわけだから彼女の気持ちは確定だ。


「またじっくり有紀と話をするか…」


話をする、と言っても日中は移動や狩りをしなきゃいけないので心落ち着かせて話をするような時間ではないので、出来るのは夜だけだろうけどね。


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