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女になった親友と異世界ダンジョン攻略  作者: りょうりちょー
第2章 王都からの冒険者生活
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アトス山東部エリア2

俺がイノシシとの戦闘を問題なしと判断した理由は簡単な事だ。


(ミスト!)


俺は魔術の構築を完了させ、ミストを展開する。地形の問題が無いからミストが使える点が大きな理由だな。


イノシシの視界には俺の影が見えるかどうかだろう。もちろん、完全に隠れてるわけじゃないので、俺を認識でき次第得意の突進をかましてくる。


「スピードはやっぱ速いな」


けど俺の位置・距離共に正しく把握してない状態なので、俺は楽に回避し、すれ違いざまにパワーストライクを放つ。


ズブ…と刺さる感触を得ながらも数センチも沈まず弾かれる。


「駄目か…」


そりゃね、すれ違いざまじゃしっかり刺さるわけが無いし。


俺はもう一度構える。


回避はアヴォイドを使えば確実だけど反撃には少し手が甘い。


ミストが展開できるならあとは付属させてある効果で敵の体力を削れば良く、元々時間経過で俺の方が有利になる。


だが、魔法としてのアヴォイドは魔術のときに比べ魔力の消費は軽微だけど連用は長期戦になると厳しい。


戦術にミストを利用した長期戦を採用するならアヴォイドの使用は相対的に控えるようにしたい…。


なら、盾だな。


イノシシの突進を魔法による回避を行わず、自力で盾も利用して行く方法を取る。


「ボク達は離れておくね」


「頑張ってね、修司君」


霧の奥に居た有紀とエミリーは声を残し、完全に霧の外へ移動したようだ。






イノシシの突進を盾で逸らしつつ剣を差し込む…それをひたすら繰り返して5分ぐらい経過したときに、イノシシは体力を失い、突進させるだけの力が残っていないようだった。


勿論盾で逸らす、と言うのは簡単な話ではなかったわけだけど。


突進の時に頭を下げ…ここはシカと同じような姿勢になるけど、イノシシの場合はその鋭い牙を差し向けるように突進してくるので、牙にだけは当たらないように上手く横に逸れながら更に掠ってしまうダメージを盾で軽減するようにコントロールしていたが…


正直、ミスも何度かあって、横に逸れる事は出来たけど盾を向ける前に突進の勢いに巻き込まれると体の接触があったしね。


ただ防具も新調してたからダメージは軽微だったし、致命傷になる牙のヒットだけはしないように気をつけていたので、ミスしても戦闘への影響があんまり無かった。


「この辺かな…」


俺はただ避けるだけで良い。対してあのモンスターは俺を倒さないとどんどん体力が削られていく。


その限界が訪れたわけだ。


俺はゆっくりイノシシに近づき、パワースラッシュを叩き込む。


一発で仕留めるのはやっぱり無理で、フゴ!と反応される。


だがそこにカウンターシールドを叩き込みよろめかせ、更にパワースラッシュを叩き込む。


突進が無くても頭だけ動かせば牙は十分攻撃力を持っている。


けど今の俺には大した事はない。


バックラーは受け流す事を目的として装備しているけど、この牙の攻撃なら正面から受けきれる程度にはこの盾は丈夫だ。


ひたすらパワースラッシュと敵の攻撃にカウンターシールドを食らわせ、数発目にはイノシシの体力が尽き、消滅した。


ふう…、まあ体力も魔力も余裕あったと思う。


ミストの消費はそれなりだけど、フォース・ハードスキンといった魔法以外には魔術は使用していなかったし、これなら連戦も出来そうだな…。


「お疲れ様、修司」


「やっぱ余裕あったね」


2人からの労いと共に、有紀から水を飲ませてもらう。


水の飲ませ方はもし俺が異世界に転移してなかったら「恥ずかしい事してる」と思われてたかもしれない。


有紀の掌に魔術を利用して水を出現させて、溢れた水を俺の口に注ぎ込むような感じだから、まあ「変じゃね?」と言われたら俺も否定しきれない。


ただダンジョンの道中で「10分ぐらい休むか」という程度の休憩でコップを出したりしない、というか俺達はしてなかったから、もうこの「有紀汁」を普通に受け入れてたりする。


ついでにこれを見たエミリーが「私もやってみたい」との事で、半ば強制的にエミリー汁も飲まされる事になった。


飲まされる事になった、と言いつつ正直嫌じゃなかったんだけども。


「有紀汁は透き通るような普通の水の味、エミリー汁はほんのり甘い…っと」


「汁って言わないで!」


俺の独り言が有紀に聞こえてしまい、怒られてしまった。


「凄く卑猥な言い方だね、修司君」


流石のエミリーもちょっと引いてた。






この後も俺達はたまに出現してきたシカ(麓に居たのと同じ種だと思う)やイノシシを倒し、日が暮れた頃に宿に戻る事にした。


「買取は…向こうだね」


「うーん、混んでるな」


大体日が暮れる頃には他の冒険者も皆戻ってきてるので、買取所は大混雑していた。


どうしようかな…。


「そしたら、明日でいいんじゃないかな?」


エミリーが言う。


丁度俺達も同じ気持ちだった。所持金もあるしね。


満場一致と言う事で俺達は買取所をスルーして宿へ帰るのだった。






※現時点のステータス


佐野修司 ランク3


ステータス


 筋力:100


 敏捷:100


 体力:80


 魔力:100


スキル


 魔術:ブラスト、フレイム、ロック、ウォール、バインド、キープ


    ミスト(暗闇、沈黙、傷、酸、吸収の効果あり)


 魔法:ハードスキン、アヴォイド、フォース


 アーツ:パワースラッシュ、パワーストライク、カウンターシールド、烈炎の剣


 その他:陽の力、陰の力






「あれ?ステータスあんまり変わってないな」


俺はステータス変化の乏しさが気になってしまった。


「移動ばっかりの時期もあったからじゃないかな?実際にダンジョンで戦闘している時間って昔より減ってると思う」


有紀に言われて「ああ」と納得する。


確かに戦闘まともにやってるのはこのアトス山来てからだな。覇者の塔は倒しては休んでの繰り返しで実際に俺の戦闘はあんまり多くなかったような記憶がある。


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