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女になった親友と異世界ダンジョン攻略  作者: りょうりちょー
第2章 王都からの冒険者生活
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アトス山での今後の話2

山頂に挑むに当たって


①「雪風」が管理している東部エリアへ移動


②東側からの頂上ルートを辿る


③頂上で有紀の龍牙穿空の強化を行う


という流れになる。


「雪風」というクランは良くも悪くも普通だ。


昔は「カタストロフ」との諍いがあった、という事であんまり良いイメージ持っていなかったけど、運営自体は「カタストロフ」と同様にマトモらしい。単に方向性が違うだけで。


と言うかマトモな管理ができなきゃ冒険者ギルドが認めるわけがないんだよなあ。


ギルドの依頼をこなす訳じゃないから報酬はどうなるかと気になったが、その点については問題はないようだ。


と言うのも、モンスターのドロップはクランで買い取ってくれるからだ。


依頼のあるモンスターに絞らず、どれを狩ってもドロップの買取があるわけだから、探索しつつモンスターを倒せば良いという自由度の高さだ。


ただ、報酬は無くてドロップの買取のみだから多少手に入る収入は心元ない気がするけどね。


ちなみに、頂上のエリアはどこの管轄でもないけど、拠点を置いてはいけないと言う決まりはない。


「だから現在、頂上ではそこに拠点を置いてる小規模クランが1つ存在している。ただ当然だけど、頂上エリアはどこの管理にも属さない取り決めだし、彼ら自身も管理を希望していないから拠点を置く事によるトラブルは起きてないね」


エミリーはパスタソースがついた口周りを拭きながら説明を続ける。


なるほどね。確かに拠点を置くだけなら自由だもんな。それに、山頂に拠点を置けば東部にせよ西部、北部にせよ…他のクランの邪魔をするわけでもないから変な対立関係を持つ事なくどこのクランとも取引はしやすいか。


「元々山頂に用事がある人なんて少ないんだけどね、モンスターも減るし、コレと言った採集品もないし」


「頂上付近のエリアは元々人気が無いのか」


「うん、だから冒険者ギルドが山頂を不可侵として決めたときに誰も異論を唱えなかったんだよ」


東西で領域争いしてるときだって旨味が無いエリアを得たって意味が無いし、未来の争いに繋がるなら無意味な頂上エリアは手放すのが得策、と言う流れで決まったんだろうな、と想像する。


「小規模クランか…友好的なら一晩世話になれると良いんだけどね」


有紀が言う。


それもそうだよなあ、と俺は思う。


ここから東部エリアにある目的地まで徒歩ベースで2日ぐらいの距離だし、そこから山頂までは最短でも半日ぐらいかかりそうな距離なので、山頂で一晩過ごす感じになりそうなんだよね。


ちなみに東部エリアまでの移動中にはちゃんと休憩のための小屋があるからそこで一晩過ごせる。


何せこのルートは輸送上重要だからその辺はしっかりしてるいる。


ただ山頂のほうは先ほどの話にもあった通り、訪問者が少ないので一晩過ごせるような小屋なんて存在してない訳だ。


このクソ寒い中を野宿するのは厳しい。無理じゃないと思うけど正直厳しい。


山頂に居るクランが受け入れてくれれば助かるけども…。






飯を食った後、俺達はアリアとアーロンの工房に向かう。


翌日からしばらく戻る事はないし、挨拶をするためだ。


その道中、俺は気になってた部分をエミリーに話す事にした。


「さっきさ」


俺の声にエミリーが「ん?」と反応する。


「俺がシカを倒したときに、俺の事中々面白いって言っただろう?」


「うん」


「あれ、どういう意味を含めてたのか…とね」


「いやいや、戦いに幅を持たせたらどんな戦いをするんだろう、って興味沸いただけだよ」


「幅…幅か~」


「私達は魔術しか使わないけど、もしアーツを習う時間があれば習うのが良いだろうね」


そうだな、確かにそれは思う。


魔術に関しては…まあ魔法に変質したものの、フォースを習得した事でだいぶ魔力によるブーストが出来るようになったなあって感じる。


けどまあ、中級魔術は無理だろうな。初級の中では割と構築時間がかかるウォールですらキープによる即時発動がなければキツイのに更に時間のかかる魔術の習得は駄目だ。


勿論まだ初級魔術であれば覚える余地もあるだろうけど、アーツも習得していろんな局面で動けるように手を増やして置きたい所ではある。


「あ、そうだ…」


今回の戦いは水の属性場が邪魔をしてたけど、明日からの道中は大丈夫なのかな?


地図を広げて見てみる…。


「うん?何してるの?」


俺が地図を見てるとエミリーはズイっと俺の横に迫る。ってか近い。


「あ、こらエミリー!」


有紀が止めに入る…所をエミリーが逆に腕を取り引っ張る。


「うわっ」


「見て、修司君」


「うお!」


うっかり声が出た。


いや、ここが個室でよかったよ、マジで。


知っての通り、魔女の衣装はエロい。


というか今日に限って有紀は通常モードじゃなくて魔女モードだったのも良くなかった。エミリーが「自分だけ魔女の格好じゃ詰まらない」と言い出して仕方なくではあるけど。そもそも詰まらないってなんだよ。


まあ、魔女の格好というと、有紀は背中丸空きのチャイナ風で、エミリーはオフショルダーのワンピースで、まあ何ていうかね、胸が見えちゃうんだよね2人とも。


エミリーが有紀を引っ張ったことで、抱きしめるような格好になるんだけど…


胸同士が潰れあって圧迫された胸が有紀は横にエミリーは上に溢れそうになる。


むにゅって音がしそうな感じで、うん、何言ってるのか分からないな。まあ兎に角エロい。


落ち着くんだ、あれは母親の裸だ、母親の…母親の…いや、エミリーに居たってはバーチャンの裸だ…そう念じる。まあでも無理だよね。


「うん、まあ。…ちょっとトイレへ行ってくるわ」


「えー…感想言ってよ!」


エミリーは食い下がるって言うか俺を追いかけようとするけど、有紀は意図を理解しており、エミリーを止める。すまんな有紀。


ただ戻ってきたときにはエミリーも理解できたみたいで、2人して顔が赤い。


赤面しながらもエミリーが笑いつつ「魅力を感じてもらえて何より!」と喜んでたけど…。


「あー、なんだ…明日から、お前ら2人普通の格好しなさい」


「うん、そうだね」


有紀はすんなり受け入れる。というか普段の格好ならこんな事にならないしね。


「私にとってはこれが普段なんだけども」


エミリーはそう言うけど、俺は知ってる。


「じゃあ服もっと着とけって。依頼人の前でこんな事されたくねえよ…」


「おや?それは私達が変な目で見られるのが嫌だからかな?」


「そうじゃない…。いや、そうかも」


「有紀だけじゃなくて私も、なんだね」


陽気な声が更に陽気になる。エミリーもあんまり表裏なくて、嬉しかったら嬉しい雰囲気が出てるから分かりやすい。


「まあ、エミリーが変な事して修司の経歴に傷付いたら困るしね。エミリーもボクと同じく、普通の格好

出来るでしょう?」


「そうだね、じゃあ明日は外見気をつけるね」


明日どころか何時もそうして欲しい所だけどね。


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